ガラパゴスで無人のバルトラ島に1人取り残される事件を起こして泣いた話。

旅日記続き。

今回は2015/7/3のこと。

前回の記事。

友達と空港で待ち合わせていた僕。

バルトラ空港はめちゃくちゃ小さい。

羽田や成田空港の20分の1…いや、もっと小さいかもしれない。

人が降りてくれば確実にわかる環境でした。

サンタクルス島の街中でホテルをとっていたんだけど、そこで待ち合わさずとりあえず同じ時間帯につくはずだったので空港で待ってみることにした。

同じ飛行機だった乗客はどんどんバスに乗って街へ向かう。

「いつ来るんだろう」

そんなことを思いながら僕はグアヤキルから持参したおビールをプシュッと開けて飲んでみた。

ぬるい。

ギターを弾いてビールを飲む。

ガラパゴスは赤道直下ということもあって灼熱で日陰にいても暑いし汗ばんでしまう。

そんな炎天下のなかゴイステ、ハイスタンダードなどジャパニーズソングを弾いてはビールを飲み、歌ってはビールを飲み。

気付いたら1時間が経過し、午後2時をまわっていました。

遅いなーと様子を見に行くと…

電光掲示板にはよくわからない文字が書いてあります。

駅の職員に英語で聞きました。

「友達がくるはずなんだけど、次の便の到着はいつ?」

しかし職員は英語が理解できなかったようでした。

「ゴニョゴニョゴニョゴニョ」

スペイン語を僕が理解できるはずもなく、もう少し待ってみることに。

〜30分後〜

「次の飛行機はまだ?」

今度は考えに考えて、スペイン語で聞いてみました。

僕が知ってる単語は少ない。

「ドンデ」「ノー」「アオラ」「アキ」「ハポネス」「アミーゴ」「アエロポルト」

【どこ】【いいえ】【今】【ここ】【日本人】【友達】【空港】

なんかこの辺の単語を織り交ぜながら無理やり文を作りました。

「日本人の友達を待っている。次の飛行機はいつくる?」

すると職員はこう言いました。

「No flight」

イングリッシュです。

韓国人風に言うとイングリッシです。

そう、ノーフライト。

つまり「飛行機なんぞ来ねえよタコ」ということです。

時刻は午後3時です。

「え、マジで?笑」

笑ってしまい、ようやく状況が飲み込めました。

気付けば誰もいません。

みんなそそくさとバスに乗ってどっかいったのが1時間半前。

マジで誰もいなくなりました。

よく見たら売店もしまってます。

「あれれー」

とか言ったかどうかはわかりませんが、おそらく僕は取り残されたっぽいのです。

人がいない空港ってのはなんだか怖いものです。

フラフラっと現れた職員に聞きました。

「どうやってプエルトアヨラまで行くの?」(サンタクルス島の中心部、名前だけ知ってた)

「バスだよ。もうないけど。」

え…ないけど?

NAIKEDO?

ODEKIAN?

あんんんんんん???

仕方ないっす…タクシーで行くっす…

と諦めて探してもタクシーが見当たりません。

よく見ると車もないし、運転手がいないバスがポツンとあるだけなのです。

いやいやいや…

まず友達がどこに行ったかはわかりませんが、どうやら僕もそうとうピンチっぽいのです。

ガラパゴスまで来て空港で寝るとか無理だよ?

しかも何もない小屋みたいな空港だからそんな椅子とかないよ?

どーすんのこれ?

諦めかけてちょっと涙がホロリしたかもしれないその時、また一人のおっさんがフラフラっと現れました。

「アミーゴ!プエルトアヨラまで行きたいんだけどバスの運転手はどこにいるの?」

身振り手振りとスペイン語と英語を混ぜ聞いてみました。

すると「え、俺だけど」と神の声が聞こえました。

ホントは仕事おわってんだけど…仕方ないねって感じでバスに乗せてくれました。

「ディエスドラレス」

おおお…10ドル?たっかいなーと思ったけど背に腹は変えられぬ的なアレで払いました。

バスは貸し切りです。

生まれて初めてバス貸し切りました。

これでプエルトアヨラまで行ける…

ほっと胸をなでおろし、バスに揺られます。

空港を出るとサボテンと草以外何もない広々とした土地が続きます。

さすがガラパゴス諸島。

ブロロロロロ…

5分も走らないうちにバスが止まりました。

「ここだ」

ところがそこはただの海辺。

街があるようには見えません。

ええ?ここ?

そう聞くと、ここだと言います。

なにをわけわからんことを…と降りてみると…

なんと船乗り換えでした。

そう僕はその瞬間まで気がつくことはなかったのですが、空港があるバルトラ島とサンタクルス島は別の島だったようです。

※地図はあとから見た。

プエルトアヨラはずっとずっと南。

バスで走ったのはわずか数キロだったのです。

空港と道しかない無人島にセルフ取り残されをしていたわけです。

誰のせいでもありません。

ビール飲んでギター弾いてた僕が悪いのです。

広域だとこんな感じ。

太平洋の無人島で一時的に取り残されたわけです。

壮大なぼっちです

セルフぼっちです。

馬鹿野郎です。

事前に調べておかないとこういう事になるのですね。

船のおっちゃんも「しゃーねーな」みたいな感じで乗せてくれました。

「ドス」

2ドルだそうです。

この時点で12ドルを支払っているわけですが、船は向こう岸に僕を渡してくれるだけ。

そこからまた何かで移動する他ありません。

入湯税を払ったので僕の手持ちは10ドル札1枚と20ドル札1枚の合計30ドル…ピンチです。

しかし船の上から見るガラパゴスの海は感動もんでした。

めちゃくちゃきれいな海。

サンタクルス島に降り立ち、バスを探しましたがそれらしき乗り物は見当たりません。

一人の白い車のオヤジが僕に声をかけます。

「アミーゴ、タクシー?」

旅人の勘なのですがこのオヤジはボッタくって来ると瞬時に思いました。

なぜなら僕しか客がおらず、タクシーもオヤジしかいないっぽかったからです。

え?高い?嫌なら歩いていけば?くらいの感じで来やがる…僕はそう思いました。

「いくら?」

「ベンティシンコ」

25ドルだと!?馬鹿野郎!

相場は知らないし、プエルトアヨラまで何分かかるかも知らんが、なんとなくふざけんな!

なんとなく高い…知らんけど!

僕は言いました。

「NONONO、ムイカロ。ノードラレス」

高すぎる。ドル持ってないんだよ…と。

旅人なのでそこは負けません。

ってか金がないので負けれません。

僕はある作戦に出ました。

それは“10ドルしかないアピール作戦”です。

財布の中から巧妙に10ドル札だけを取り出し、これでなんとか…と懇願する作戦です。

「それしかないなら仕方ないな…」っていう同情を誘うわけですね。

財布にあたかもそれしかないように見せて札をバッと取り出して見せつけました。

僕の手には20ドル札が握りしめられていました。

ば、馬鹿野郎!あれ程隠れてろと…!

オヤジは「OK」とか言ってます。

ふざけんな!なにがOKだ、20ドルでも高い!

そこからまた一言安くしてよって言ってみたら最終的に15ドルになったので、それで手を打ちました。

ブロロロロロロロ…

ひたすらジャングルみたいな道を進みます。

道路の両脇が森で、あとはなーんにもありません。

10分…15分…

タクシーはどんどん走ります。

もしかしてプエルトアヨラは遠いのでしょうか?

※この時点では地図を見れてなかった。

しばらく走り、やっと街らしきところにつきました。

ホテル名しかわからなかったので、名前だけ告げましたがおっちゃんはわからないようで街の人に「ホテルどこ?」って聞きまくってました。

日本だとありえないけど、タクシーの運転手がガチ迷いして市民に聞くのは海外あるある。

更にさまようこと15分、ようやく到着しました。

するとオヤジ「走り回ったから18ドルね」とか言い出しました。

…。

「勝手に迷って走り回ったのはてめえじゃねえか!」

と思ったけど意外と遠かったのでチップだと思ってそこは払いました。

空港から宿まで30ドル…

日本円にして3700円くらいかかったわけです。

あとから知った話ですが、なんと本来であれば乗り合いバスを使って片道5ドルで街まで行けるそうです。

クッソ…

時刻はもう夕方5時でした。

宿のおばさんに聞いても友達はついていないらしく、それも心配だったのですがバルトラ空港にくるはずだった飛行機が来ないということは航空会社のトラブルだろうし彼も旅人なのでなんとかするだろうと思い、僕は街歩きへ。

宿からすぐのところに港とさかな市場がありました。

船がいっぱい並んでいたり、ペリカンがいたり。

いやーなんかわからないけどガラパゴスすげえ!

しばらく散歩したらすぐ日が暮れてきて、なんだかいい感じの雰囲気に。

広場には人が集まって何かしてる。

宿に戻るとゆうやくんがついていました。

なんでも隣のサンクリストバル島に急遽飛行機が変更になり、そこから船でやってきたと…

彼も彼で大変だったようです。

お腹も空いたので夕飯に。

先程行った市場で魚を焼いて出してくれるみたいなのを聞いたのでそこに行ってみることに。

彼がゆうやくんです。

魚は7ドルもしましたが、めちゃくちゃうまかったです。

ビールは小瓶で4ドル…

ご飯は7ドル…

ガラパゴスの物価がやばいです。

先が思いやられます。

次回はガラパゴスゾウガメを見に行った話。

世界一周1000人ヘアカットの旅

2015/7/3

切った人→1006人・62ヶ国籍

世界一周→33ヵ国・445日目

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