美容室のお客様ではなく僕のお客さんでいてほしい。ワガママな美容師でごめんなさい。




美容師というかサービス業、接客業をしている者としては駄目なのかもしれないけど、僕は【お客様】という言葉がなんか嫌い。

理由は、どこか距離を感じるから。

確かに【お客様】がわざわざ店に足を運んでくれて、お金を払ってくれるから僕は収入を得ることができて生活することができる。

まさにサマサマ。

なんだけど、僕はなぜかその言葉に違和感を感じる。

だからそう呼ばない。

きっとそれは僕自身の価値観の問題であって、そういうふうに呼ぶサービス業や接客業をしている人が間違ってるとは全然思わない。

むしろそっちのほうが正しいと思う。

親しみを込めてお客さん

親しいとか親しくないとか、それとこれとは別の話かもしれない。

高級レストランやホテルで『お客さん、お待たせしました』なんて言われたらそっちのほうが変な感じがするかもしれない。

でも、僕が口にする【お客さん】は親しみを込めた呼び方。

親しくてもお客様はお客様だと言う人もいると思うんだけど、僕の中ではお客様とお客さんは同じじゃないと思ってる。

例えば、始めていく店では僕は【お客様】なのだと思う。

その店のサービスを受け、お金を払うお客様。

だけど自分が気に入ってよく行く飲食店があったとして、顔なじみになった店員さんに【お客様】と言われたらなんか壁みたいなものを感じてしまう気がする。

だから好きな店では僕は【お客さん】になりたいと思う。

自分のことを知ってくれる人がいる、自分の居場所みたいなところ…

そういう場所ではお金を払うだけの【お客様】ではなくて、いろんな話ができて、居心地もよくて、それに対してお金を払う【お客さん】でいたい。

様なのかさんなのかで勝手に壁を感じているだけかもしれないが、僕の理想のお店はそんなお店。

だから僕は自分の店に繰り返し来てくれる人の事を【お客さん】だと思ってるし、そう呼んでいる。

美容室にとっては、いつも来てくれる常連さんというのは本当に大切な存在だ。

はじめましてで来てくれる方も当然大切なんだけど、僕はやっぱりよく来てくれる人のほうが大切。

だから新規の方のほうが料金が高くしてて、常連さんのほうが安いしサービスをたくさんするようにしてる。

値引きはしたくないからしないんだけど、その代わりトリートメントをあげたくなったらトリートメントをあげるし、ビールをあげたくなったら冷えたビールをあげる。

いつもいつも来てくれて、僕の事を支えてくれてるお客さんだから、そのくらいはしなきゃっていつも思ってる。

こういう仕事をしててそういうふうに対応を変えるのは間違ってるのかもしれない。

だけど僕だって人間だし、付き合いが長い人の方が好きになるし、いろいろしてあげたくなる。

普段僕は自分の時間を売って仕事をしている。

コンサルも、カットも、時間をきっちり決めて、その中で頑張ってお金を頂いてる。

時間をオーバーすることはないし、時間的なサービスすることも無い。

いろんな仕事を掛け持ってるからその管理のためにそうしている部分もあるけど、自分の時間は大切な限りある資源のようなもので、やっぱり無駄には使えない。

だから僕は店に来てくれた新規の方とはプライベートでご飯に行ったり、店以外で会ったりすることはまずない。

いや、前は新規の人でも誘われれば積極的に行くようにしてたんだけど、なんか時間もお金もかかる上にそういった方ほど次回から美容室には来てくれず『何やってんだろ俺』と思ってしまったから一切ヤメた。

そんな僕だが、よく来てくれるお客さんとは誘われれば喜んでご飯に行く。

そこに時間を使いたいと思うからだ。

実は昨日も誘われたから行ってきた。

お客さんお客様

都内だけど高円寺からは遠いところから毎回来てくれてるその方はもうかれこれ1年くらい通ってくれている。

仕事の都合で来週から広島に転勤になるそうで、最後にどうしても切りたいと言ってまた来てくれた。

そんなこと言われたら、やっぱり嬉しい。

毎回美容室帰りには高円寺で立ち飲み屋めぐりをしていたそうで、最後だから僕も一緒に行かせてもらった。

話していると、僕を選んでくれた理由、通い続けてくれた理由も話してくれた。

そういうのを聞いてるとやっぱりこういう仕事してて良かったなって本当に思うし、万人ウケは全然しないけどこういうスタンスで良かったなと思う。

僕の店には美容師の方がよく来店される。

だいたいブログコンサルとか転職相談だったりもするのだけれど、話していると金のことだったりいろんな事で悩んでる人が多い印象を受ける。

というか、悩んでるから来てくれるのだろうけど…。

そういう方たちの話を聞いていると、美容師の本質ってなんなのだろう?って思うことがたまにある。

仕事だからお金のことも考えなくちゃいけないし、長時間労働は誰だって嫌だ。

だけど、その環境から抜け出すためなら『まわす』とか『こなす』とか平気で言える美容師になってしまってもいいのだろうか。

みんながみんなでは当然ないけど、そういう方ともたまに話す。

稼げるとか、稼げないとかいろいろあると思うけど、安い値段で選んでもらってとにかく回転させる事に重点を置いてしまうと、なんかその本質的なところからずれてしまうような気がする。

それがお客様だろうとお客さんだろうとどういう呼び方であれ、その仕事を楽しむこと、そして来てくれてる人との時間を楽しむこと、来てくれる人が楽しんでくれることが大切で、お金のために働くというのはやっぱり美容師っぽくないんじゃないかな…なんて最近思う。

僕のような考え自体多くの人に好まれるスタイルでないことは自分自身わかってはいるけど、それでも世の中の極々少数の人はこんな僕の事を気に入ってくれる。

その人たちにサービス、技術よりも売りたいものがある。

安くないけど、買ってもらいたいものがある。

それをいつも買ってくれるお客さんだからこそ、使いたい時間もあるし、あげたいものもあるし、大切にしていきたい。

お客さんお客様

今回の転勤のように、【お客さん】をもう担当できなくなる事もある。

そんなときに僕は美容師を紹介するようにしてる。

『自分のスタイル』を持っている美容師、安さだけで勝負していない美容師。

そしてお互いのことをよく知っている人を紹介している。

自分が辞めるにしろ、お客さんが引っ越すにしろ、そこまでするのが指名されていた責任だと僕は思う。

今は全国に信頼できる美容師仲間がいるから、僕もすごく安心。

今までにも何人も紹介した。

いつも岐阜から来てくれる旅人のお客さん

今回最後に来てくれた方には広島でお店をやってる先輩を紹介した。

きっと気が合うんじゃないかと思う。

そのお客さんも『それなら安心です。行ってみます』と言ってくれた。

それだけ信頼してもらえてるって事がやっぱり嬉しく感じた。

嬉しかったので、海外でしか買えない超レアなビールを餞別ということで差し上げた。

9月に僕も広島に行くので、一緒にお好み焼屋にいく約束もしたし、髪は切らずともずっとこれからも付き合いが続いていけばいいと思う。

そして美容師としてこれからも働いていく上で、そういった方が増えていけばいいなと思ってる。

万人にウケなくていい。

たくさん来てくれなくていい。

その代わりいつも選んでくれる方には全力で向き合っていきたいし、たくさんサービスをしたい。

お金は頂いてるけど、その方たちをお客様とは呼ばないし思ってないけど、壁を作らない事が僕のスタイルであり、それも含めた様々なものをこれからも提供していきたい。

こんな僕を選んでくれてありがとうございます。

まだまだ未熟ですが、いつも本当にありがとうございます。

ワガママな美容師ですいません。

これからもよろしくお願いします。

頑張ろ。

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