美容師の離職率が高い本当の理由。世代間の感覚の押し付け合いは何も生まない。




福岡、札幌でサロカリ説明会やって東京に帰ってきました。

2時間という時間の中、1時間半は美容業界の現状と今後というテーマで過去に500人以上の美容師とコンサルなどで話して見えてきたリアルな情報について話しました。

売上、経費、生産性、集客、求人…などなどがなぜうまくいかないのか?

その理由と、さらに今後どう変化していくか?

というのを統計学、日本社会の変化なども含めて話しました。

最近そういうセミナーをすることも多いので、僕自身いろんなことを勉強します。

今日も移動時間中は経済の勉強したりと、中高校生の僕だったら150%ありえないことをしています笑

僕は中学のときは成績オール1か2だったので親が見たらひっくり返るのではないかと思います。

話がそれました…

実は1年前くらいから30代〜40代と幅広い世代の美容師の方と話す機会が本当に増えました。

最近は10代の学生とも話したりします。

正直かなり特殊な環境だと思います。

たぶんそんな人あんまいないんじゃないか…と。

その環境下だからか、ある事に気が付きました。

なぜ人はやめていくのか?

美容師は離職率が異常なほど高いです。

1年目50%、3年目80%とか。

「キツイからしかたない」みたいなのでサラッと片付けられますが、結構半端ない数値だと僕は感じます。

今さらに困ってる人が多いのが”求人をだしても人が来ない”という点。

やめてく人が多くて入ってくる人が少ないという状況は、大きい店であればあるほど厳しいということになるのだと思います。

原因としては「給料」「長時間労働」「体調不良」「人間関係」「独立」などいろいろあると思うのですが、一般的には「給料が安くて長時間労働だから」みたいな感じで言われているような気がします。

その通りだと思うし、社会の変化とともにそういった労働条件をシビアに考える美容師が実際に増えています。

でもなんか「その通りなんだけど、もっと本質的な事がある」と思うんですよね。

世代間のギャップがありすぎる

古代エジプトでも平安時代でも「今時の若いものは…」という言葉があるらしいですが、人って基本的には世代が違うとわかり合えないんだと思います。

団塊世代の特徴は○○とかゆとり世代の特徴は○○とかなんかそういうのは確かにあって、育ってきた時代背景や使ってきたモノが違うから当然世代間の価値観は違ってきます。

もちろんみんながみんなではないですが。

実は「それなんじゃない?」と思うんです。

離職率が下がらないのと、人が入ってこないの。

給料云々、労働時間云々ももちろんあるんですが、もっと根本的なところには「世代間でわかり合えなすぎるから辞めてく」みたいなところがあると思います。

20代(スタイリストになったころ)の過ごし方があまりにも違います。

例えば今の50代はバブルを経験して派手な青春時代を送ってるし、40代は団塊ジュニアといわれてサロンブームを経験しています。

30代後半は氷河期世代ともいわれますが、サロンブームの名残でスタイリストになれば入客できたし伸し上がる人も多かった時代を過ごしてきています。

20代後半、30代前半はリーマンショック後の不景気と就職超氷河期を経験し、サロンブームの衰退を見ています。

20代前半はゆとり世代とかさとり世代とかいわれ、今まさにこの厳しさを経験しています。

10代はデジタルネイティブ世代で超現実主義。過程より結果重視で上の世代とは違う20代の過ごし方を思い描いてる印象です。

総じて感じるのは35歳以上は「技術さえあればいける」「一生懸命やってればお客さんはついてくれる」「夢がある仕事」と思っているし下に対してそう言う人が多いです。

そしてすでにここ10年(もしくはもっと前)である程度常連さんがいるということ。

なのでSNSやブログをやる必要性も重要性も感じてなく、フリーランスにも否定的だったりします。

25〜35歳は「一生懸命頑張ってるけど結果でない」「雇用に夢がない」と思っていて、デビューしても入客ができずフリーランスや業務委託に移行する人が多いです。

結婚や出産というライフイベントもかさなって「金銭的に不安」と感じてる人も多いです。

SNSなども苦手な人が多く、チラシ集客やホットペッパー集客が主な20代を過ごしてきてるから”自己集客”に関してすごく悩んでるような印象です。

18〜25歳はSNSを使いこなしてどんどんやれる事をやっていこうという感じですでに台頭している人もいますが、「技術不足」を気にしている人が多い印象です。

35歳以上「腕を磨けば売れる」

25〜35歳「頑張っても売れない」

18〜25歳「SNS頑張れば売れる」

みたいな価値観と感覚のズレがあると思います。

もちろん例外もあります。

業界と世代間の課題

統計学やらいろんな美容師さんと話してみて思うことですが、課題がそれぞれにあるように感じます。

サロンブームの時に出店した多くの美容室はほとんどがワンマン経営です。

ナンバー2が育ちにくく、30代40代のスタッフがいない…なんていうのもよくあります。

後継者がいないので、今は良くても10年後不安です。

そういう中、中堅スタイリストに辞められてしまって売上落ちたり、アシスタント終わってデビュー直後に辞められてしまったりで赤字になるわ、人手不足で席は余るわで大変な思いをしてる人も多く、実際閉店したりしています。

人が辞めない環境にしたくても、「今さらどう経営を変えたらいいかわからない」という経営者さんから相談をもらうこともよくあります。

そういうところが課題なのかなと感じます。

25〜35歳の美容師は収入を上げたくて委託に行くけど結局安売りをしている人も「委託は一生続けられないし、独立も怖いし、この先どうしたらいいかわからん」という感じなので結果続けたいけど辞めていく人もいます。

辞めてく人はとくに女性に多いです。

フリーランスや出店してから運営や集客や教育などをどのようにやっていくか?が課題なのだと思います。

18〜25歳は行動力と発想力とSNSがすごいけど技術をどう学んでいくか?どうキャリアを積んでいくか?が課題です。

それぞれの世代がそれぞれの世代の気持ちや悩みがわからず、ギャップをうめられず、結局のところ持論の押し付け合いみたいになってます。

辞めていくし、人が入らない根本的な原因はその世代間のズレからきていて、それにプラスして「給料の感覚」「休みの感覚」「労働時間の感覚」などのズレがプラスされていくのだと思います。

いつの時代も、どこの世界も分かり合えないものなのかもしれません。

でもこれから人口がどんどん減っていき売上も客数もへるでしょうし、世の中はよりハイレベルなデジタル時代になるのでSNSやインターネットはマストになっていきます。

今よりもっと大変な状況が世代問わず誰にでも訪れ、今安心があっても何もしなければそれもなくなると思います。

僕がずっと思ってるのは“各世代間で足りないところを補い合うことで課題をクリアにする”ということと、“その助け合いを仕事にしていけばいいのではないか”ということ。

髪を自分で切れずに困ってる方からお金をもらって髪を切るように、美容師が美容師の為にやれる事はたくさんあり、そこでボランティアではなくちゃんとお金を回していくことで結果的にみんな豊かになるのではないかと思っています。

「そんな先の話はよくわからん」という人がたくさんいるのはわかってます。

ですが、個の時代と言われてる今だからこそ組織化が必要で、ピラミッドではなくフラットな関係性を作ってくことが大切だと思っています。

組織=雇用

個=フリーランス

という意味ではなく、働き方は人それぞれなんでもいいわけです。

それぞれの個性を尊重できるオニギリ(餅みたいに米を潰さない)的な組織で活動の幅を広げていくことが出来るか出来ないかで未来はかなり変わってくると思っています。

結局一人では生きていけません。

人はみんな完璧じゃないからできないこともたくさんあって当たり前です。

個々の能力もそうだけど、育った時代背景が違えばその世代特有の”強み”が必ずあります。

わかり合うのは難しいと思いますが、その強みを認め合い、協力していれば悩みなんかすんなり解決するはずです。

僕はそんな感じでいろんな人が助け合うギブアンドギブな世の中がもうすぐやってくると思います。

というか、やってきてほしいです。

そして、好きで美容師やってる人ばかりだと思うので、悩むことなくずっと美容師を続けていけるような世の中になればいいなと思います。

動かなきゃはじまらないから、僕はこれからも動いていこうと思うし、協力できる人にはしたいし、またたくさんの人に協力してもらいたいと思っています。

札幌からの帰り道、いろいろ思うことがあったので書いてみました。

楽しく生きたいですね。

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