美容師の弟子をとりました。辞めたアシスタントも希望を持てるような世の中にしたい!

【お願いします最後まで読んでみてください】

突然ですが、アシスタントの弟子をとりました。

あと数日で美容室を辞めるとある女の子です。

雇うわけじゃないのでシャンプーもさせないし、給料もあげません。

僕の役目はただ、その子をスタイリストとして育て美容師の世界に戻すこと…。

美容師で幸せって思ってる人ってどれほどいるのだろう。

Up to Youには日本中から美容師さんが来てくれます。

なぜか今年に入ってから多く、2月中旬以降は週末も含めてほぼ毎日。

もちろん髪やりに来てくれるんですけど、中には転職とか独立相談だけって方もいます。

今日も2人いました。

大体みんな同じ悩みを抱えています。

【労働時間】【低収入】【将来の不安】【人間関係】

世の中で働き方改革がどーのこーの言われているので、そういう空気にも煽られて余計不安になってるのかも…といろんな人の話を聞いてて思います。

僕のところに相談に来てくれる人は口々にこう言います。

『美容師は続けたいけど、辞めざるを得ません。どうしたらいいですか?』

ある日多額の借金を背負うアシスタントの女の子がやってきた

断っておくと、本人が書いていいっていうので書いてます。

先日、アシスタント3年目の子が来店しました。

さすがにここでは詳しくは書きませんが、その子は家庭の事情で多額の借金を背負い、親も兄弟もいろいろあり家族に誰一人として働ける人がおらずそれらをすべて一人で返済しないといけなくなったと。

「ちょ…すごい人来たな…」

と話を聞いていたのですが、なんとその子は元々僕がアシスタントとして働いてた会社に現在勤めている子でした。

たまたま僕のブログを見てて来たらしいのですが、つまり後輩ってことになるわけです。

ビックリでした。

それで借金の額がまたビックリ。

にも関わらず給料はいわゆる普通の美容室レベルなので毎月1万円ちょっとしか返済できていないそうです。

その計算で行くと全額返済に数十年かかります。

なので辞めることにしたけど、その後どうしていいかわからない…との事でした。

その子は言いました。

「借金は返したいけど、美容師はやめたくないです。JUNさんみたいに海外も行ってみたいです。好きなアートもやりたいです。どうしたら良いですか?」

知りうるすべての情報と、美容師の中でも割がいい仕事もあり、お金重視で働けば今の3倍くらいの収入にはなるよ…と伝えました。

だけどそれはあくまでスタイリストならの話。

その子は3年目アシスタントなので、まだスタイリストではなかったのです。

「う〜ん……」

問題は文字通り山積みです。

一瞬悩んだのですが、帰り際に直感的に言いました。

「俺で良ければカット教えようか?もしOKなら今夜ちょっと飲みに行かない?夜までに考えといて。」

もちろん押し付けるつもりはないと念を押しましたが、その子は夜来ました。

詳しく話を聞きたかったのです。

聞いてて思ったのが”とにかく昔の自分とかぶる”ということ…。

僕もその会社を2年で辞めました。

いろいろ良いことも嫌なこともありました。

辞めるときはすごくすごく悩みました。

会社内での転勤をきっかけに自分を見つめ直すことが多くなり、そうすればするほどやりたい事がたくさんでてきて、でもそのまま働いてても何もできなくて…。

辞めてもアシスタントという仕事しかできなかったので、結局また別の美容室で一からやり直す事になるのか…と思うと憂鬱で辞めるともなかなか言いだせませんでした。

まあ結局辞めたて一からやり直したんですけどね。

借金はなかったけど、その時もし誰かカットだけあと少し教えてくれてたらまた人生変わってただろうな…ってふと話を聞いてて思ったんですよね。

それに、ちょうどその子が来る数日前に実家で写真を整理してたら転勤する前に働いてた店舗の先輩たちから異動前夜に貰ったアルバムが出てきたんですよ。

「あ〜なんか先輩や同期に愛されてたんだな…」

みんな応援しててくれたんだよな…と、いろいろ思い出してちょっと泣きそうになりつつ東京に持ってきました。

そのタイミングでたまたま人生相談に現れた会ったことがない後輩。

なんかこう…今でしょ的な感じで先輩たちから受けた恩を返す時がきたと思ってカットを教えることにしたのです。

3年目アシスタントをソッコー月収40万の美容師にする計画

善は急げと、早速トレーニングを始めました。

まだ前のサロンで働いているので、そこらへん揉めたくもないのでまずは店長さんとかには僕の事を話しておいてもらいました。

とりあえず3月は休みの日に僕の店でモデルトレーニングです。

元々いた会社なのでカットの事もわかるし、その子がどのテストをしていたのかもわかっていたので、その辺は助かりました。

カット。

真剣に見つつ、テキトーに写真を撮っていて思いました。

右利きなのに左にシザーケース…

サムライの末裔かなんかなのでしょうか?

仕上がりをバッチリ撮り忘れたのですが、見ててだいたいわかりました。

気になったとこをちょろちょろ紙に書いてたので、モデルさんが帰ったあとに反省会。

字が汚すぎます。

なんか反省してます。

そしてヘコむ。

その後は飲みーティング。

僕の弟子なので当たり前です。

なんか今更ですが名前書き忘れてました。

【大見萌夏】23歳の普通の女の子。

日本酒とか飲みます。

萌ちゃんです。

弟子といっても今回はお金はもらうつもりはなくて、なんかむしろ飲み代とか出してます。

飲みながら今後のカリキュラムとか仕事の方向性は決めました。

頑張って4月末までには女性はスタイル限定してでもお客様に入れるように、残りの苦手分野とメンズは5月末までに特訓してフリーランス美容師に。

休みも睡眠時間もちゃんと人並みにとりつつ、ダブルワークでひとまず目指せ月収30万円で、毎月10万くらい返済にあてる…と。

そして年内には目指せ月収40万です。

これが僕にできる精一杯の手助けと恩返し。

誰に何と言われようと幸せは掴もうと思えば掴める

思えばっていうか、行動すればだけど…。

僕はけっこー好き勝手やってますが決して裕福ではないですし、普通に仕事して普通に生きていけるくらいな感じなんですが、とりあえず幸せです。

幸せを感じるのって些細なことなんですほんと。

いつも節約して自炊してるけどたまにランチ食べられるとか、ちょっと寝坊できるとか。

お客さんがお菓子買ってきてくれたとか、飲みに行って楽しかったとか。

たまに連休とって旅ができるとか、いろんな人と出会えるとか。

時間があって、仕事もあって、少し遊べるくらいお金の余裕があって。

そんな”普通”がすごく幸せです。

美容師の人で悩み相談に来てくれる人って、みんなその普通を求めて来てるんだな…って最近思うんです。

稼ぎたいとかじゃない。

休みがたくさんほしいとかじゃない。

有名になりたいとかじゃない。

『美容師って稼げるよ』とか『美容師って楽しいよ』とか『美容師って素晴らしいよ』とか、SNSとかやってるとそういうリア充っぽい人をたまに見ますが、そこまで行き着いた人って本当はごく一部だけなのかもしれません。

『自分もやったのだから君もやれる』『美容師って楽しいから君も楽しめる』

たしかにそうかもしれない。

でも今が辛くて辛くて仕方がない人からしたら、そういう言葉にはリアリティがない。

一部の人が馴染める世界しか当たり前に用意されてなく、そこに馴染めない人って当然やめていきます。

「辞めたやつが悪い」「根性ないやつは美容師じゃない」「辞めて何が残る?がんばれよ」

僕もそう言われて育ってきました。

でも本当にそうなのでしょうか。

僕は辞めて良かったです。

違う世界が見れて良かったです。

だから死ぬほど悩んでる人にめっちゃ言いたい。

「辞めていいんだよ」と。

その代わり好きなら美容師はやめないでほしい。

そんなの環境を変えればいいだけ。

僕もアシスタントなのに…とたくさん悩んだ。

それはいわゆる”背中を押してくれる人がいなくなったから”だったし、ただそれだけだった。

試験制度だと【パスしない=できない】であって、「合格」と言ってくれる人がいなくなった途端何もできない人になってしまう。

また一からやり直す必要なんてなく、誰かが続きから見てあげればいい。

周りはそれを許してあげればいい。

「もうお客さんの髪切っていいんだよ」その一言をいう誰かがやめた人には必要なんだと思います。

自分の今いる世界がすべてだと思わなくていいし、精神的体力的にできないなら何も全部やらなくていい。

カットだけでも、スパだけでも、どんな形であれ続ければいい。

そして普通の生活は美容師だって、手に入ります。

普通に週2日休んで、貯金できるくらい給料もらって、好きな人と遊んで…

そういう生活だって全然できます。

本来は特に望まなくたって当たり前に就職すれば手に入るもの。

でもそれが手に入らないのが現実。

その普通が手に入らないから美容師を辞めていく人も後を絶たないのですが、なんかすごくもったいないですよね…。

「そんなの甘え」「やめたければやめろ」「そんなの美容師じゃない」「根性ないだけ」「どんな仕事も大変だから」

そういう人がいなくならないのはわかってるし、僕みたい変なやつがムカつくのもわかります。

でも美容師を辞めてく人にいつまでも目を向けない空気のほうがよっぽど変じゃないかなと僕は思ってます。

ほんとに大切なのって売上だけ?お客さんだけ?

違う。

それだけはハッキリいえます。

人が育たない組織や会社は遅かれ早かれ淘汰される。

子孫繁栄しない世界なんか存在しない。

桑原淳という美容師像や考えがだけが正しいとは全く思わないけど、”これから”を選択する1つの可能性としていろんな”辞めていくアシスタント”の力になっていければいいなと思います。

萌ちゃんだけでなく、サロカリではみんなでニート松下を育てていますし、3ヶ月のアカデミーにこれから通うアシスタント1年目の子もいます。

僕は彼らが未来の美容師の在り方だと思うし、今悩んでるアシスタントや学生さんのモデルになる存在だと思います。

そして教育が見直される時が必ず来ます。

僕は僕なりに発信することでその流れを作っていければいいかなと思います。

というわけで毎度のこと長くなりましたが…

ここまで読んでくれてありがとうございます。

最後に。

借金返済頑張ります(ちゃんもえが)

僕も昼夜問わず仕事の合間に練習見ます。

3月20日以降、昼でも夜でも彼女はバイトの合間や終了後にカットモデル、カラーモデル、パーマモデルをたくさんやる必要があります。

どんな髪型でも、どんな方でも構いません。(僕のお客さんはダメです、僕が泣きます)

是非協力してあげてください。

→→ 月収40万を目指すアシスタント「ちゃんもえ」のフェイスブック ←←

今はあまり更新してないそうですが、こちらからメッセージでモデルさんに応募できます。

僕の方針でアシスタントの練習でもお金の大切さを学ばせるために有料でやります。

といってもちょっとですが。

もしかしたら「美容師ちゃんもえ再起ブログ」もやるかもしれないので、ついでにフォローしてやってください。

→→ もっかい貼っとく ←←

フザケてるようですが僕は真面目です。

彼女はまだ23歳の女の子です。

きっといろいろあるんだと思います。

是非応援してあげてください。

そして、美容師辞めていく美容師が減りますように!

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