こんにちは。
なんか書かずにはいられない記事を読みました。
堀江貴文「何年も下積み修行してる寿司職人はバカ。搾取されていることに気づけ」
なんともホリエモンらしいドストレートな内容となっている。
だけど、言ってることにはものっっっっすごく賛成。
僕はむしろ昨日の夜全く同じ話を人にしていたから、ホリエモンがおんなじこと言っててちょっとびっくりしたくらい。
話の論点は「寿司職人がバカ」というところじゃない。
時間をかける必要性について言っている。
しかもたまたま寿司職人だっただけでどの業界でも言えることかもしれない。
僕が昨日人に話したのも、そもそもこの記事を読んだからだった。
こちらもまだの人はぜひ読んでみてください。
この事に関しては賛否両論あるように思う。
特に現役職人または自身がそうやってきたという人からしたら「ふざけんなそんな甘いもんじゃねえ」という反応があるのではないかと。
とかいう僕もそうやってきたからそう言いたい気持ちはわかる。
僕は美容室に就職してから、お決まりのコース(修行期間数年)を経てスタイリストになり、今に至る。
だから決してその時間が無駄だったなんて思いたくない。
無駄ではなかった。
それが僕の美容師人生だから今更どうこう言うのはバカげてる。
でももっと今のように柔軟な考え方ができてたら違う道を選んだだろう・・・と実は思ってる。
もし僕が美容学生に戻れたとしたら、真っ先に独立を目指す。
まさしくこの寿司職人育成学校のように短期で技術を学び、オーナーとなる。
「ふざけんな、そんな甘いもんじゃねえ」
と言った声がまた聞こえてきそうです。(笑)
もうその時には戻れないからただの理想論ではあります。
でも、ちょっといろんな概念を捨てて考えてみてください。
なぜ、美容のレベルが高いと言われる先進国の美容師はアカデミーで集中的に学んでから現場にたつのか?
そしてなぜ日本人と同じようにレベルの高い仕事ができるのか?
かつてイギリスの美容室で寝泊まりしつつ髪を切っていた時にそこのオーナーのマデリンに言われました。
「なぜそんなに時間をかけるの?」
僕はそれが日本の典型的なやり方だから、3年4年かかるのは普通のことだし、中には6年7年と下積みをしている人もいる。
そう答えると絶句していました。
マデリンはイギリスではスタイリストへの道は何通りかあると教えてくれました。
その中でお金はかかるがポピュラーなもので有名美容室のアカデミーに通うというものがある。
6ヶ月ほどのカリキュラムでみっちりやるというものだった。
それを聞いた時僕は「たった6ヶ月で足りるの?」と素直に思ってしまった。
そりゃそうです。
自分自身何年とかかったものを6ヶ月でなんて・・・って思うに決まってます。
でも、それでやってる人に海外でたくさんあったので、その柔軟じゃない考え方は変えていかないといけないと思ったりもしました。
ここでちょっと質問ですが、スタイリストまでに何時間練習をしたのか覚えてますか?
まあ人それぞれだから具体的な数字はわかりませんし、覚えてないと思います。
僕は覚えてません。
なのでひとつスタイリストまでの道を例にしてみます。
美容師A
2年間、週4日間、1回につき2時間のトレーニングを積んだ。
4日✕2時間=8時間/週
8時間✕50週間(1年)=400時間/年
400時間✕2年間=800時間
※年末年始、夏季休業はしないとして
美容師B
3年間、週2回、3時間のトレーニングを積んだ。
2日✕3時間=6時間/週
6時間✕50週間(1年)=300時間/年
300時間✕3年間=900時間
※年末年始、夏季休業はしないとして
美容師C
半年間アカデミーで週5日、8時間のトレーニングを積んだ。
5日✕8時間=40時間/週
40時間✕24週間(半年)=960時間
これみてどうでしょうか?
年間300時間〜400時間のトレーニングがすごいかすごくないか、どうかはわかりません。
でも、毎日かかさず1時間トレーニングをしたとしたら365時間。
そう考えるとまあ妥当な数字かなとも思います。
2年間修行の美容師A、3年間修行の美容師Bがそうして積んできたものがたった半年で美容師Cにあっさりぬかれてしまう現実。
これなら3年働いた美容師と、半年集中的にトレーニングを積んだ美容師とどっちが上なのかわかりません。
「でもサロンワークをしてる時間は無駄じゃない」「実践で学ぶこともある」
と思うかもしれません。
でもよく考えてみてください。
最初の数ヶ月は床はき、洗濯、買い出し、お茶だし、電話対応などで終わり、その後はひたすらシャンプー、カラー塗布、引き続き洗濯、床はき、そうじとスタイリストになるまでおなじような日々を過ごします。
同時進行でカットなどトレーニングを積んでいきますが、実践ではお客様の髪は切れないですよね。
3年後掃除とタオルたたむのがうまい美容師の完成です。
(僕もそうだったから怒らないでくださいねw)
でも半年後からスタイリストとして美容室に勤務し始めたら同じ3年間ですが、どのように経験をつめますか?
見えるものや得るものもちがうはず。
実践3年間での伸び率がだいぶ違うんじゃないかと思うのです。
かたや23歳の時点でスタイリストなりたて、現場で髪切ることに対してキャリアはゼロ、顧客もゼロ、安月給。
かたや23歳の時点ですでにキャリア3年、バリバリこなすスタイリストになっている。
こういう差が出てきます。
どちらのほうが合理的かは一目瞭然。
後者のほうがよくないですか?
なぜここまで差が出るのか?
それはスタート地点でのレベルが違うからです。
そもそもどこが美容師のスタートラインなんでしょうか?
ちょいと考えてみてください。
僕が思うに、日本の美容業界では就職することがスタートではないと考えてる人がほとんどじゃないかと思います。
下積みを経て、スタイリストになったら初めてスタートラインに立ったとかいう人が結構いますが、そのとおりだとぶっちゃけ思います。
アシスタントはまだ一人前じゃないから・・・。
そういう雰囲気が全体的にありますもん。
でもあえて言わしてください。
それは大きな間違いです。
就職した時点でプロの美容師です。
そこがスタートじゃなかったら何年間もそれこそ修行とか言って何してんの?って思います。
プロ意識ないじゃんて。
お客様からしたら店長だろうが1年目だろうが関係ありません。
施術をしてくれるその人こそ美容師なんです。
20歳で床はきしか出来ない美容師と、20歳で髪が切れる美容師と。
どっちも同じ美容師です。
どちらも資格を持ち、サロンに立つことを許された美容師。
全然スタートラインにはもう立っちゃってます。
なら何もできずに床ハキしてたりチラシ配ってるだけよりもいろいろ施術出来る方が圧倒的に良くないですか?
下積みとしてでも時間をかけて働いたことによる経験は働いてない人よりでかいかもしれません。
わかりませんが。
でもスタイリストになったら一人前という意識、概念を取っ払ったらどちらのほうが即戦力になりますかね。
それにさっきも書いたように伸びが違うことが予想できるので、数ヶ月後、1年後にはぶっちぎりで差がつくはずです。
例えば高校からサッカーをはじめる人と、小学校からやってた人の違い(トレーニング時間の違い)と同じようなもんかなと。
ついでに言わせてもらうとスタイリストになったら一人前、スタートという考え方はひとつ問題点があります。
自分はまだアシスタントだからいいや、できなくても仕方ないという意識にさせてしまうこと。
周りがあいつアシスタントだからしょうがないという諦めにも似た対応をしてしまうこと。
もちろんそうでない人、教育の会社もあると思いますけど。
なんかそんな人が多いようにも思います。
・・・責任感のスタートもスタイリストになってから?
じゃないですよね。
僕はこれ書きつつ、修行期間がいらないとか、今のやり方が変だとかそういうことを言いたいわけじゃありません。
ただ、理屈で考えた時に間違いなくホリエモンと同意見だったからここに書いて読んでもらおうと思ったのです。
時間を有効に使うというのは本当に大事なことです。
だから僕はいいなと思ってます。
「覚えることがたくさんあるから修行は必要」
という指摘に対して
ホリエモン「ボケ」と言っています。(笑)
ボケ(笑)
はたしてどっちが正しいかはその人の正義や価値観によるでしょう。
でも10年もしたら大きくこの常識は変わってくると思います。
日が昇り、また沈むように時代は刻一刻と表情をかえ、人々の意識を変えてきます。
今後は何事に対しても時間をかけるところとかけないところのメリハリがもっと出てくると思います。
人工頭脳の登場により、無駄を徹底的に省く時代がくるでしょう。
勝手にそう予想してます。
なので5年6年と修行することが時間の無駄と当たり前に言われてしまう時代が来るかもしれません。
わかりませんけどね。
最後に一つ。
これ書いててほんと不思議だなーと思うんですけどね。
日本の美容師って美容学校2年(または通信3年)行かないと免許とれないんですよ。
つまり街の美容師はみんななんかしらの形で学校に行き、いろんなことを学んでいるわけです。
そっから就職するんですね。
ん・・・まてよ?
働く前に学校行ってんじゃん?
イギリス(今いるカナダとか他の国でも)では6ヶ月のアカデミーがあって、日本では2年間のスクールがあって・・・
そういった国では卒業後サロンで即戦力になるのに、2年間学校いって就職しても戦力どころか雑用だけで・・・
なんで学校でいろいろ学んだのに戦力外なのか・・・
(笑)
これ以上いろいろ書くと暗殺されそうなのでこの辺でやめときます。
ミシュランとった寿司屋さんの話は、寿司職人や美容師に限らず、現代の常識をぶっ壊すいい例になったと思います。
確かに長年やったからこそわかること、見えるもの、できるようになることってあります。
それは絶対あるし、半年ではどうにもならないこともあるとおもいます。
ただ、よくわからない常識とか「昔からこうやってましたから」みたいなのでいろんな人、チャンス、可能性が潰れないでほしいなと僕は思います。
結局ミシュランの寿司屋のように、お客様に認めてもらえたらキャリアとか裏事情とかどっちでもよくで、それはそれでいいじゃんって思うんですよね。
なんかそんなお話でした。
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