時間がない美容師はお客様にミスなく施術を行えるものなのか。「何故そんなに詰め込んで働くの?」

先週、山梨に帰ってたんですよね実は。

6月14日が誕生日だったので、実家に帰って強制的に親に祝わせようと思ったんですよ。

その時母親が「髪切って〜」とかって言うもんだから、「祝えや」とか思いつつとりあえずハサミを持って変えることにしました。

そんな事をブログにちょろっと書いたらなんと富士吉田市役所の方々からPRもかねてカットしてくれとの依頼が来て、28歳の誕生日に市役所の屋上でカット(笑)

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ハサミ持ってってよかった。

母ちゃんTHANKS(笑)

そんななかもう一人お願いしてきてくれた人がいました。

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状態がわからないので写メって送ってくれって言ったらこの2枚が。

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聞けば同じ地元の人だそうで、帰省するという投稿を見てお願いしてくれたようでした。

写真を見て、ぶっちゃけ「これは無理じゃ・・・」って最初思ってたんですよね。

だけどいろいろ話し合った結果、直すってことで承諾しました。

山梨なので、場所がないってことで僕の実家へ来てもらうことに。

ある意味レアかもです・・・

実際見てみると写メよりもひどいなあという印象。

まず地毛とエクステのカラー、カール具合(癖というか)が全然あってない。

エクステつけたあとにカットしてないから毛先とかパッツンボサボサって感じで、さらに頭の左側がエクステ少なくて穴が空いてた。

写真撮り忘れたのが残念なんですが、なんかそんな感じで。

こ、これイケるかな〜とちょっとビビったけどちょこちょこ細かくカットして、時間かかったけどもなんとかなりました。

シャンプー無し、カット後。

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そしてなんか家にあるよくわからんオイルとか使って軽くスタイリング後。

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そもそも僕は美容師だけどお客さんにエクステ着けたりしないし、やったとしても専門店みたいにうまくできないからなんでこうなったのかはイマイチよくわかりません。

わかんないけどそりゃあ出来る限り何とかしようって頑張りました。

がんばってどうにかなる問題ではないけど、せっかく頼ってきてくれたんだから・・・やれるだけやってみようかなって。

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こういう言葉をもらって確かにめっちゃ嬉しいんですけど、でもなんか複雑な気持ちもあるというか・・・なんかそんな感じです。

なんか美容師やってるとこういう場面ってあるじゃないですか。

「他店で変にされて・・・」

って泣きつかれる場面。

それも何回も。

ありますよね?

僕はそんな時、前回担当した美容師が悪いとも思わないし、悪いとも言わないです。

ってか言えないです。

あなたは思いますか?

先日「見てください!こんなクソみたいなカット!ムカつく!」とかなんとかわざわざ書いてる美容師のブログを見つけました。

来店したお客さんの髪の毛が、前行った美容室でスッカスカみたいなすごい状態にされて俺は激怒している!みたいな内容でした。

読んでて結構わけわかりませんでした。

なんであんたが怒るんですか、みたいな。

お客さんからしたらたまったもんじゃないし、された事で嫌な気持ちになっちゃうのはわかるんですが、僕ら美容師がおんなじ様にムカついてたってなんも良いことないんじゃないかな。

そもそも、よく考えると不思議なんですよね。

だって担当する全部のお客さんの頭をくしゃくしゃのバサバサにしてる美容師がいたとしたら、そんな美容師そっこークビになるか訴えられるか刺されるかなんかするでしょう。

でもそんな人今までの美容人生で僕は見たことないんですよね。

じゃないとしたら、いつもはそうじゃないってことですよね。 (その施術が出来ないわけじゃない)

つまりその人が致命的に下手だからとかじゃなくて、なんか原因があってそうなってしまうというか。

やらかしてしまう原因として、もちろん経験不足とかなんか技術的なことも理由のひとつとしてはあるとは思いつつも、それ以外の理由も実はとてもデカイと思うんですよね。

なんかその理由って、その瞬間の環境と状況じゃないかなって。

そんなミスを起こしやすい環境と状況って何なんだろう?って考えてみると答えはすごく簡単で、余裕がない時だと思うんですよね。

なんか、むりやり詰め込んで働いているといろいろと余裕なくなりますよね。

時間をかけたいところもかけられなくなるというか。

「そもそもなんでそんなに詰め込んで働くの?」

って言うのは最近すごく疑問に思うことです。

詰め込んで働くというのは、30分に1人とかじゃなくて、何分に1人だろうと自身のキャパを超えて働いてる状態のことです。

それはお客さんを待たせてるか待たせてないかも関係なくて、処理能力を超えてたらOUTじゃんってことです。

名前は出せないんですけど、前働いてた美容室は新宿の近くの住宅街にあったんですが、そこも今思うと”よくある美容室って”かんじでお昼休憩はバラバラで15分とかだったし、休憩ないことも。

予約してくれたお客さんがいるのに、飛び込みできたお客さん受け入れて結果予約してくれた人を待たす・・・

だけどそれは非常にマズいので頑張る。

結局ご飯食べれないどころかトイレも行けない・・・みたいな。

当時はそれが当たり前だと思ってました。

どこもだいたいそうなんですかね。

でもそこまでやってなぜか赤字だったんですよ。

たしかマイナス35万くらい。

今思うと本当に謎です。

お客さんが来まくってしょうがない状況で利益が出ないってまず意味不明です。

だから、よく売上を上げろと言われました。

“客単価×客数=売上

売上−経費=利益”

の方程式は変わるわけがないので、必然的に客単価か客数を上げて売上をあげるか、経費を下げれば利益は上がります。

だから安くしてでも新規のお客さんをたくさん呼んだり、既存のお客さんの単価を上げろって言われるのも当たり前だと思ってたし理解できました。

ヘッドスパ、トリートメント、ホイルカラー、商品…

いろいろとそういうのをすすめたら客単価は上がります。

だから勧めなくちゃいけない。

それは当たり前のことだと思ってました。

だけどその分スタッフが作業する時間がめちゃめちゃ増えんだろって今は思うんですよね。

手間時間が増えればそりゃあ休憩もなくなりますよね。

だって代わりにやってくれる人なんか増やせば人件費がかさんで経費が上がりますから。

少数人数で、長時間の営業時間のなかで、多少安くしても多くのお客さんを担当する事で利益を出そうというやり方。

それが数十年前から変わってない“普通のやり方”なのかなって思います。

話が戻りますが、そういったスタッフに無理をさせてる状況、環境のなかで、スタッフはお客さんに対して全力で施術ができるのか?

という話です。

できる人はできるのかもしれないです。

有名美容師さんとか超人とかね。

だけどそんなは人ばかりじゃないだろうし、そうじゃない人がキャパオーバーの状態で働いててもミスが起こりやすくなるだけなんじゃないかな?って思ったりします。

「できなくても環境とかのせいにするなよ!」って言う人も中にはいるかもしれないですけどね。

でもそもそも絶対ミスらない、直しも絶対ない完璧な美容師なんてこの世のどこにも存在しませんよね。

だから全員がミスる前提として、その確率を下げたらいいのかなと。

で、僕は時間単価が1000円あがれば、結果的に改善されるというか、そういうのも減っていく状況になるのではないか・・・と思っています。

時間単価とは1時間あたりの単価です。

なんでそれで解消されるのかというと、今までしていた1000円分の働きをしなくて良くなるからです。

つまり1000円を稼ぐために使っていた時間がフリーになります。

あまりピンとこないと思いますが・・・。

例えば1000円カットで言うと、10分1000円で1時間に6人施術で6000円という単価だったものを、仮に10分1200円にしたとすると・・・

50分で5人施術で6000円という時間単価になります。

10分あまるよね・・・っていうイメージです。

美容は足し算じゃないのでそんな簡単なことじゃないんですが、そういうことです。

単価が上がったから売上が上がる・・・じゃなくて単価が上がったから時間ができるという考え方です。

そもそもなぜ単価を上げる=メニューをプラスするという思考になったんでしょうか?

「カット5000円にヘッドスパ2000円を足したら単価7000円じゃん。」っていう単純な足し算は誰にでもできるんですが、そのヘッドスパをする人の時間をつかうことと、それに対して払われる給料は?ということになります。

まず単価アップのために増やしたメニューを施術してくれる人に払う人件費が余計にかかりますよね。

でもできるだけ経費抑えたいから人件費は下げますよね。

すると所得が下がります。

それでも生産性をあげたいからどんどん詰め込み、時間もなくなりますよね。

・・・と、単価を上げるためにメニューをプラスすることで同時にマイナスも生まれ、単価が上がったと見せかけて結局上がってないうえにスタッフを疲労させるという状況になります。

だからメニュープラスするんじゃなくて全員の施術の料金を500〜1000円あげたらよくね・・・

という考えなんですが、これはどうなんでしょうか。

上げたことにより客数が下がったとしても、単価が上がるので結局売上は変わらないと思います。

例: 1人単価5000×月客数150人=75万
例: 1人単価6000×月客数125人=75万

売上は変わらず、1日あたり1人分の施術時間が空きになるので、昼休憩が可能になります。

もし客数が変わらなければ 1人単価6000×月客数150人=90万で、売上15万upです。

これも単純な計算だからこの通りになるとは限りませんが、理屈ではこうです。

理屈ではこうなんですが、メニューをプラスする事と、施術料金を上げることのちがいは明白ですよね。

値上げはちょっと・・・という人は【カット5000円だけど新規は20%OFF】とか、【既存のお客さんでもカットカラー10000円の10%OFF】とかをやめたらプラス1000円行きますよね。

つまりそういう事なんです。

そしたらスタッフに余裕ができます。

余裕ができれば、心にゆとりができます。

落ち着いて施術もできるし、ミスも減るんじゃないでしょうか。

美容師の福利厚生がどうとか最近は言われてますが、そもそも給料上がったって保険がしっかりしてたって、アシスタントの子たちにさえ昼飯食うたった1時間の休憩も作ってあげれないってよく考えたら謎でしかないですよね。

なんかみんなもうちょい自由に働けたらいいのになぁなんて最近独立してみてすごい思うようになりました。

前は自分が良ければいいやって思ってたけど、お店はじめて、いろいろな美容師さんが相談とかに来てくれるようになって、なんかだんだんと・・・。

それで今、その第一歩として移動型美容師コミュニティみたいなのを作ろうとアレコレやっています。

もう一ヶ月近くアレコレやっています。

なんか集客、求人がうまく行かない美容室のオーナーさんとか、給料は少ないけど働きマクリで辛いみたいな美容師さんとか、辞めちゃって居場所がない美容師さん向けのものです。

あと一週間ほどで始められたらいいな〜。

都市部の美容室オーナーさんで気になる人いたらぜひメッセージください。

よし、明日からまた頑張ろ。

なんか長くなっちゃいましたが、ひとりごとでした。

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