今の時代どこでも人手不足といわれていて、求人とかリクルートとかってオーナーさんからしたら一つの課題なのかなと思います。
実は無料で求人が成功してる例がいくつかあるので、そんなことについて書いてみようと思います。
お金かけても来ないものは来ない
美容室の求人って結構コストがかかるといいます。
僕は実際には求人って出したことがないんですけど、『求人出しても来ないんだよね…』というボヤキは以前の会社で何度か聞いたことがありました。
それもそのはず。
そもそもオーバーストアであちこちに美容室が溢れかえっている中、書面上の情報はどこも似たりよったりになりがちで、選ぶがわからしたらそれだけで決めるのは難しいのだと思います。
実際に店舗を見学したりしてみないとピンとこないわけです。
求人を出すがわからしたら『どうやって店に見学来てもらうか?』みたいなのがそもそもの難関なのかも知れません。
1988年生まれの僕と同い年の人たちは大学生3年生、4年生の時がちょうど【就職超氷河期】でした。
僕は大学には行ってないのであくまで聞いた話でしかありませんが、それはもう壮絶極まりないものだったようです。
面接を受けるより前の会社説明会のさらに前にエントリーをしなければいけないのですが、そのエントリーでふるいにかけられ、説明会にさえ行かせてもらえない。
そんな時代もあったようです。
現在の美容室の求人と似ているような気がしますね。
似てると言っても立場は逆転していて、美容室側からしたら『見学さえ来てもらえない』というのはかつての『説明会にさえ行かせてもらえない』という状態のような感じで、そもそもスタートラインにさえ立てない状況なのかも知れません。
その原因は単純に美容室の数が多すぎるのだと思います。
いろんな美容師さんの声を聞いているととにかく求人は結果を出すことが難しいという印象で、お金をかければいいというもんでも無いのかもしれません。
ある程度知名度がある美容室は別かもですが…
そんな中、僕の周りでは無料で求人が成功してる人もいますし、僕自身も実はシェアサロンを運営するにあたり求人は出してませんでした。
求人は人脈がモノを言う
そもそも美容師の人の半数以上は【ツテ】とか【コネ】とかそういうものを使って新しい居場所を探すような気がします。
昔転職したとき、僕は先輩を頼って就職先のサロンを紹介してもらいました。
そのように、先輩や同僚などのコネ、または友達のツテで転職した経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
実は僕が言うところの【無料の求人】というのはまさにこのことです。
まあそれは簡単に考えたらわかることですよね。
求人を出している美容室のオーナーさんからしたら、スタッフに人を紹介してもらうのが一番手っ取り早いです。
だけど、それも中々実現はしにくいのかも知れません。
スタッフ一人ひとりにどれほどの人脈があるかも定かではないし、結局それって人任せなので、言い換えれば何もしてないのと同じ。
それで来たらラッキーくらいのもんだと思います。
ではどうしたら良いかというと、単純にオーナーさん自身が人脈を広げるというのが1番です。
そしてごく自然にお店に見学に来てもらえる環境づくりが大切です。
僕は昨日横浜まで髪を切ってもらいに行ってきました。
東横線の沿線にある綱島駅近くのBLUEさんは、サロカリのメンバーのサロンです。
※サロカリとは?
サロカリは美容室と美容師のコミュニティです。
ヤドカリのように「サロンを借りる」の略称で、従来の”面貸し”とは違い月ごとの契約もなく時間貸し。
なので、好きなときに、好きな場所を使えて、しかも道具はハサミ一つでオーケー。
低価格でシンプルに使用することができるシステムです。
シェアサロンがいろんな場所にあることで、自分の働く美容室以外の場所でカットの依頼があった場合に家や外などで切らなくても、お客様や友人や家族をちゃんとカットできるという“選択”ができます。
あとは、出産を機にやめてしまった美容師、スタイリストになったけどやめてしまった美容師が戻ることもできます。
場所に縛られていた今までよりももっと自由に、そして柔軟に美容師ライフを楽しむことができ、そして美容師の価値を上げていくようなコミュニティです。
僕はサロカリに所属し、店を貸し出してくれてるオーナーさんの店を片っ端からまわっていたのですが、全国各地にあるため中々コンプリートできずにいました。
ですがこれですべてのサロンをまわれました。
サロカリに所属しているメンバーの方々でも地元に帰ったとき、旅行のついでに僕と同じように様々なサロンを借りたり、または自身がカットされに行ってる方がたくさんいます。
例えば都内で働く美容師が、都内のサロンを経験のためにわざわざ借りるなんてこともありますし、コミュニティ内で仲良くなった方と施術のやり合いっこをしたりなんて事もあります。
そうやってごく自然に様々な美容師と交流したり、ごく自然に美容室に足を踏み入れることができたり、もしサロンを借りることをしたらごく自然に仕事の体験ができるのです。
そのようにオーナーさんと、美容師がサロンを通して交流しているだけでなく、コミュニティに所属している人同士で定期的にイベントや勉強会を行っているのでそういったところでもそれぞれが交流を深めています。
それが求人という結果に繋がっています。
『この人に働いてもらいたいな』『この店で働いてみたいな』『この店の一席でフリーランスやりたいな』『この人になら席貸してあげたいな』
交流していったり、実際にそのサロンを借りて施術を行う中で、お互いに様々な気持ちが芽生えます。
あとはタイミングさえ合えば、マッチするのはごく自然なこと。
そこには書面もなければ、お金も発生しません。
そうして一緒に働くことになったら【理想と現実のギャップ】という問題も起こりにくいですし、ある程度お互いのことを知った上なのでお金のことや時間のことなどの大切な部分も相談がしやすいです。
実際に僕の始めたシェアサロンに入ってきてくれたKOEという美容師チームと、Cambiarという美容師チームもやっぱりサロカリからの繋がりでした。
サロカリ内でもいくつかリクルートが成立していて、すごくすごくいい流れだなと思っています。
結局、求人は人脈がモノをいう。
そういう事なのでしょう。
もし求人に困ってたら
変なことかもしれませんが、プライドを捨ててみるというのをおすすめしています。
『俺はオーナーだから』とか『年上だから』とか『うちはウチ』みたいなプライドは僕にはなく、結構どうでもよい事だと思っています。
何か始めようと思うときや、新しい人と出会おうとする時によくわからないプライドがあると邪魔をしてしまうことがあります。
仕事や生きてく上で誰にでも信念とかポリシーとかってものがあると思います。
そのこだわりは大切な事なのかもしれませんが、もしかしたらそういう部分を少し変えて、新しい人とどんどん出会う事の方が大切なのかもしれません。
僕は年齢は関係ないし、キャリアも求めるものも働く目的も人それぞれでいいと思っています。
ガードを緩めて、誰でも対等に付き合ってみるといろんな発見があります。
楽しいだけでなく、そうして人と付き合っていると思わぬ収穫があったりします。
それが求人だったりする場合もあります。
10人とだけ仲良くしておくより、30人と仲良くしておく方が当然その収穫は増えます。
50人、100人と増えていけば、いろんなチャンスが産まれてくると思っています。
今は何をやるにもハードルが低い時代です。
ネットがない時代は近所の美容室や美容師と繋がるのは無理だったかもしれませんが、今はそんなことありません。
求人や集客が永遠のテーマかのようにいろいろと言われていますが、そんなの自分で全部簡単にできます。
たくさん出かけてたくさんの人と知り合えばいいだけの話です。
これだけ多様化してる世の中で、隣の美容室はライバルだとか思うだけ時代遅れですし、年下の美容師には教えてやってるみたいなスタンスも違うと思っています。
隣の美容室や、年下の美容師からこそ学べることはたくさんあるのが現実で、そこに対していつまでも壁をつくっていたら実はすごくもったいないことだと思います。
それに個人店のオーナーも、今流行りのフリーランスも、一人でやっていると刺激がとても少なくなってしまいます。
美容師だからこそお互い刺激し合える存在というのは大事だと思いますし、何より一緒になにかをやって楽しんで仕事して生きていけたほうがいいですよね。
サロカリは7/3で一周年を迎えます。
それを記念して、当日はメンバーが全国各地から60人以上も集結して、お祭りを行います。
全国の美容師が周年パーティーのためにそれだけ集まるなんてまずないと思います。
当日は4チームに別れてワインディング早巻き対決を行ったり、豪華景品がもらえるジャンケン大会を行ったり、あとは飲んだくれたりと色々やる予定です。
その日は大いに盛り上がってもらって、また翌日からそれを糧にみんなそれぞれ仕事を頑張っていってくれたらいいなと思っています。
フリーランスだって個人店だって、デッカイことやろうと思えばできます。
何をやるにもハードルが低い時代だからこそ、何もやらない事は損な事です。
そんな求人のお話でした。