「給料がもらえない」という美容師の告白。無責任な雇用をする美容室経営者の実態。

ちょっと読んでほしい、そして考えてほしいことがあるので書いてみようと思います。

先日このようなメッセージをもらいました。

Junさん、初めまして。先月からサロカリ入らさせていただきました○○(地域名)でアシスタントしてます☓☓と申します。

突然のメッセージすいません。

この話かなり長くなると思うのでお時間あるとき、そして返信もいりません。Junさんが感じたままもしよろしければブログやsnsで伝えていただきたいと思いました。

オーナーとぼくと2人のサロンで働いているアシスタント歴2年目です。

本題なんですが、僕はここ1年以上、お給料(手渡し)をお給料日にもらえないままでいます。

もちろん波があるので仕方ない時もあると思いますが基本2.3日後。長い時で1週間待ってます。

毎回、「今いくらあったら足りるか?」や「あとでまとめて渡すわ」など言われたりです。

僕自身、アシスタントの身分ですし自分で売り上げがあるわけでもないので早くスタイリストになって自分で稼げるようになれたらなと思い、はじめの頃は「あとでも大丈夫です」と言うしかない状況でした。

次第にお給料日に毎回聞かれるのでもらうのも申し訳なくなる日々でした。給料日恐怖症。、笑

そんな日々が続いてるなか彼女ができ同棲を始め、籍を入れたいと考えていくうちにお給料をその日にもらえないのに不安を抱くようになりました。

最近、エリアに格安サロンが進出してきたり個人店が増えてきてうちではホットペッパー頼りなので下に埋もれていくばかり。

頼りのホットペッパーとりあえず改善しましょうと説得するも特にオーナーの動きなく。
「どうにか集客しなきゃ給料またないやん!笑」と思いホットペッパーのブログ毎日書いたり来ていただいているお客様に口コミ書いてほしいですと自分なりにうちのサロンの範囲内でやってました。

オーナーは集客じみたことあまりしたくないらしく
頼りのホットペッパーの更新は放置、HPも業者にお願いしてあるので年末年始のお知らせするくらいで放置。

そんな日が続き、2ヶ月前9月の給料日、ついに給料日を忘れられ「お疲れ〜!」って店を出て行き、

流石に今回はやばい!と思い今日給料日です!って伝えたら「ごめんごめん!いくらあったら足りる?!」

そして1ヶ月前、給料日が月末なので10月31日。なのですが火曜日定休なのでちょうど火曜が31日。前倒しでお給料日か〜。って感じで休みなので遊びに行こうか〜彼女とデートかな〜とか色々考えてました。オーナーもハマってる趣味でどっか行ってくるわ〜とかおまえも遊んで来いやと言われてましたが前倒しで給料日なのを忘れており「1日でもええか?」と。、

まったく良くない始末。気持ちよく遊べずオーナーは遊びに行く。

オーナーは趣味にかなりお金かける人で半年前から○○にハマりいろんなところに出かけて美容の話1、○○の話9くらいの割合で毎日ノイローゼ気味

2人だけなので仕方ないですが自分の話ばかりもしんどくなります。

遊ばなあかんで!と言われてるのですが給料日にまともにもらえないのになんやなんや始末。

こんな感じでずーっとお金じゃない、技術や接客や仲良くしていただいてるお客様のためやと思ってましたが

先日北原さんとJunさんのセミナー。関西サロカリ忘年会で○○さん、○○さんはじめ、たくさんの方に相談し、この現状は僕にもうちのオーナーにもよくないことだと思いました。

そして、今の現状のままここでスタイリストになるよりサロカリや宝塚アカデミーや色々な方法があるのも知り、行動しないと人生終わってまうと思い今年一杯で退社しようと決めました。

今は雇用保険や職業訓練等知り合いの方に相談に乗ってもらっており介護系もしくはウェブ系の勉強しながらお金を貯め、 サロカリもしくは宝塚アカデミーに入校しようか検討してます。

僕のようなケースは少数派かもしれませんが少数派の意見を多数派へ知っていただきたい、同じ悩みで美容師を辞める(これはもう美容師とか関係ないかもしれないです)人を減らしたいなと思い速効性があり発信力のあるJunさんに連絡しました。

僕もサロカリで自己発信できるようブログ開設や、snsの使い方を勉強させていただいてますが、やはりまだまだ発信力不足だと思ってます。

最後までありがとうございました!

いやいや、マジか…

結構びっくりしました。

もちろん返信しました。

頂いたメッセージをコピペして、一部名前などこちらで伏せただけのほぼ原文ママです。

この方は運営してるコミュニティに入ってくれてるのですが、最近のことなのでまだ会ったことはありません。

いろいろと労働環境改善や働き方改革などと叫ばれているこのご時世でこんなことってあるんですね。

本人も”少数派だと思う”と言っていましたが、他にもいるのだろうか?と思ってツイッターで聞いてみました。

過去そういう経験をした人が33%もいる事にも驚きましたが、同じように「今まさに払われない状況」の人が8%いると。

ほぼいないと思ってたので驚きました…。

この様に自分と同じ境遇の人を減らしたいという思いがあって、わざわざ連絡をくれたようでしたし、実際8%とはいえいるようなので「それなら何か協力しなきゃ…」と思いこの記事を書くことにしました。

無責任な経営者や耐えてる従業員へ

以下また詳しいことを書いて送ってくれたメッセージを少し編集したものです。

現在はまだ働いてるそうですが、退社を決意しハローワークにいったりもしたとのことです。

こちらも下まで読んでみてください。

僕は東京の専門学校卒業後、サロンに就職しましたがすぐ辞めてしまいました。そして○○に引っ越し(実家があったため)実家近くのサロンに就職することに決まりました。

給料も13万スタートで高くないけど技術はしっかり教えられるからと聞き、マンツーマンで教えてもらえると思い今のサロンに決めました。

1つレッスン合格したら1000円〜2000円上がるシステムです。

今は今年の10月で丸2年。額面16万でそこからハサミ代、ウイッグ代、雇用保険、住民税引かれ10万くらいが手渡しの給料です。

仕事の感じはカット、パーマを巻く、最後の仕上げ以外は基本行います。

10時から19時が基本予約時間なので朝は8〜9時の間に行き準備、練習。

終わってから片付け、練習と他のサロンと変わらないと思いますが、1年くらい経ってからはオーナーは営業時間ギリギリに来ることが増えたりお客様を朝待たせたりすることが増えてくるようになりました。

それもあってか寝坊が何回かあったりお客様からも「まだ来てないの〜?」みたいなこと言われたりと言い訳を考えるのも一苦労。

僕も1度遅刻したことがあり反省し、気をつけるようにしてますが反省の模様があまり感じられない日々です。

そんな朝からスタートし、お客様がいる間は楽しそうにしてますし、僕も仕事は楽しいのでワイワイやってました。

半年くらいで給料もらえなくなる、分割問題に突入。

やはりやれることがまだ限られてて、その給料に見合う分働けてないと思い申し訳ない気持ちや、その当時は実家暮らしですしお金もそんなに使うこともなかったのでお給料を給料日にもらえないことがそこまで苦ではありませんでした。

そんな感じで仕事も慣れてきて僕自身もオーナーの売り上げを気にするようになりましたがオーナー1人でやってた時と売り上げが変わらないと言われました。

身体の負担が減った感じとのこと。

負担が減ったのなら集客ツールであるホットペッパーやなにかキャンペーンでもなんかすればいいのに特に動きがない感じです。

負担が減ったのでゲームしたり最近はインスタで趣味の写真を載せたり忙しそうにしてます。

毎回休みの日や仕事終わりに急いで帰って撮影行ったりしてそれを朝ギリギリに来て報告される感じです。

オーナーについていこうと思ってたのにだんだんその姿が不安になってきました。

その間も給料日になるとごめんなと。

給料日が過ぎるとまた遊び全開。

給料日が近くなるとお金ないわーとか支払いやばいわーとか売り上げやばいわーと僕にグチを言う日々。

僕もやはり働かせてもらってる側ですし少しでも売り上げが上がるようこーしてみませんかー?とか提案したりしてましたが今思えば意味わからんですよね笑

オーナーも同じようにやっててならいいと思いますが。

銀行から借り入れをしたりしててもらえてた時期もありましたがそれが底をついたらしくそれも話させました。

売り上げは家賃21万のところで100万、6.12月は120万くらい?

四席あり、最寄り駅徒歩30秒とアクセスはよく大学も近くにあったり集客する幅はいくらでもありそう?なのですがあまり集客じみたことをしたくないのか暇な時間は携帯でインスタ、ゲームな日々です。

「予約入らんかなー」「今日は入りそうな気がする」と更新のないホットペッパーやHPに根拠ない自信があるのか神頼みです。

ホットペッパーは美容以外のブログを書いてくれと書いてますが書き続けて思ったのはアシスタントの僕が書くブログを誰が興味あるんやろか、とオーナー自身は書いたりまったくしないので書いてくださいーと言ったりするんですが1つ2つ返事で半年に一回書くか書かないか。

これが良い悪いはそのお店のやり方だと思います。

いろいろのやり方考え方だと思います。

しかし結果が繋がってない、むしろ悪くなってる状況を放置してるのが不思議でしょうがないと思いました。

レッスンチェック合格で給料上がりますが上がらんでもいいとまで思ってしまうくらい。

彼女にも迷惑かけたり、月末の支払いができずキャッシングした時もありました。

僕がオーナーと向き合えればよかったのですが自分の話ばかりするオーナーに気を使って身を削ってしまってました。

現に、お客様からもシャンプー中自分の話ばかりで悩み相談できないとか離れていったお客様とお会いする機会があった時同じことを言われました。

この2年、それでも辞めなかったのはお金じゃない、技術をちゃんと学びたいと思ってました。

事実、技術はしっかり学べてます。

辛くても耐えて乗り越えてスタイリストになるんだと思ってました。

しかし上がやらないことは下はやらないという先日の北原さんの言葉、凄く染みました。

うちでは逆かもしれませんが。

何度かサロンの売り上げを上げていくために話したりもしましたがちょっと売り上げが戻ったらいつもの感じです。

そんな感じでやっとこさ決心が固まっていき、退社を決意することができました。

僕が無知であり行動を起こすのに時間がかかってしまったことに少し後悔もあります

こんなことがおきないようなサロン作りやスタッフとのコミニュケーションってすごく大事なんだなと身を削ってオーナーに教えてもらったと思えばいい経験やなと思います。

ハローワークで聞いてきたこともお話しします。

Junさんも知ってると思うので簡単に書きます。

今回のケースの場合、1年以内に2回以上、給料日に満額もらえないことがあった場合「会社都合」で失業保険を受けることができるとのこと。

正直、そんなこと当たり前にあるかもしれません。当たり前ではすまないかもしれませんが。、

僕の場合、額面16万、手取り13万(ハサミ代やウイッグ代を引いたら10万くらい)

だと失業保険は12万3千円くらいとのこと。

すぐまた違うサロンで就職もできると思いますがせっかく雇用保険があまりまくってる今、それを使わせていただきサロカリでも勉強させてもらってるWEB集客についてもっと専門的に勉強できる職業訓練を受けてみようと思います。

今回のことがあったのでこの機会に勉強しておいた方が今後にもつながるのではと思いました。

雇用保険について知らない人もいてると思うのでなんらかの理由で美容師を辞めてしまい、違うサロンで美容師をすぐにやらないといけないとか、美容師リタイアしてしまったりせず、ワンクッション挟んでからでもいいのかなと。

3ヶ月間あるとのことなのでその間にお金を貯め、サロカリでその間技術の習得なんかもできたらなと。

職業訓練終了後、宝塚アカデミーに通ってカットができるくらいまでに成長したいと思ってます。

色々な道があると思いますが僕はこの道でやってみたいと思います。

読んだ方それぞれに正義というか、マイルールみたいなのがあるとは思うのですが、僕は結構いろいろと感じました。

結局中小企業や個人事業主でほそぼそとやっているところなんて、労働基準法なんてあってないようなものなのかもしれません。

バレない。

ならばズサンでもいいのでしょうか?

“僕自身、アシスタントの身分ですし自分で売り上げがあるわけでもないので早くスタイリストになって自分で稼げるようになれたらなと思い、はじめの頃は「あとでも大丈夫です」と言うしかない状況でした。”

“やはりやれることがまだ限られてて、その給料に見合う分働けてないと思い申し訳ない気持ちや、その当時は実家暮らしですしお金もそんなに使うこともなかったのでお給料を給料日にもらえないことがそこまで苦ではありませんでした。”

この言葉を言わせてしまう経営者は人雇うべきじゃないと思います。

誤解を恐れずにいうと、この経営者やツイッターのアンケートの8%の美容室だけでなく、給料の額のこと、休みのことなどいろんなことで従業員を満足させることができず厳しい思いをさせてるならそれも同じだと思います。

独立してわかったことですが、プレイヤーと経営者って全くの別モノです。

どちらも上手にやれる人は確かにいます。

でも稀です。

基本的にはそれらは別々の仕事です。

正直経営がうまくできない状態にも関わらず”プレイヤーでどうしてもやり続けたい”という意思がある人は雇うのは辞めたほうがいいと思います。

お店を構えて人を雇うってことは、その従業員の家族や恋人の人生まである意味背負うことでもあると思います。

その責任は確実にあります。

だから経営がマトモに出来ないなら、プレイヤーをやめてそっちに時間とお金を使うべきだと思います。

まず、まだ若い美容師駆け出しの子が「僕が何もできないんでお給料もらえなくても仕方ないです」なんて思ってしまうのは異常なことだと知るべきだと思います。

雇用も教育もできる人がやればいいし、できない人はやらなくてよくて、若い頃雇ってもらったからみたいな理由で独立=人を雇うみたいに思う必要はないと思います。

別にみんながやる必要はないことです。

損するのは何も知らない人

どんなことに対してもそう思っています。

雇用とは何か?労働とは何か?

お給料とは何か?法律とは何か?

雇われる側も知らなきゃいけないことはたくさんあります。

「有給もらえないのは当たり前」

「残業代はつかなくて当たり前」

「毎日タイムカードの退勤押さないのは当たり前」

「早く来てチラシを配るのは無給なのは当たり前」

ぼくは給料が遅れた経験はないですが、上のような事は普通のことだと思ってました。

明らかに間違ってることを間違ってるとちゃんと認識できなくなったり、疑問さえ持たなくなる原因の半分は「それが当たり前」という周りからの洗脳です。

悪気があるないの話ではなく、それがごく小さな組織や環境下で「当たり前」にされてしまう。

他を知らないからです。

外の世界を知らないからです。

もし別の状況で働く人(友人や家族など)の話を聞いたとしても「よそはよそ、うちはうち」で諦めてしまうのは日本人の悪い癖です。

こういう事は経営者だけが悪いのではなく、自ら判断と思考をストップさせてしまうことにも原因はあると思います。

知ろうとしないこと、知っても放置すること。

そういう場面での「まあいっか」が身を滅ぼしてしまうかもしれません。

美容業界の9割は中小規模のサロンだと言われていますが、中小規模だとやっぱり実態が見えにくいのでこういう事があっても表面化はしてこなくてなかなか知れないことかもしれません。

でも今はいろんな人と繋がることができるし、いろんな情報も選んで手に入れることができます。

どこに身を置くか?誰からの情報をキャッチするか?誰と付き合うか?

きっと答えはそこら中に転がっていると思います。

今回「発信してくれ」と言ってきた彼の思いもそうですが、僕もこれで「ハッ」となる人が1人でもいたらいいなと思います。

自分の人生、大切に。

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