今日は本音で書こうと思います。
先日、Up to Youは2周年を迎えました。
本当に多くの方がお店まで来てくれ、おめでとうと言ってくれました。
中には仕事で1分もいれないのに合間で来てくれた方も…。
本当に本当にありがとうございました。
みんな「久しぶり」とか言ってたり、僕きっかけ店きっかけで出会った人たちばかりで、いろんなつながりを作れたことに嬉しくなりました。
こんなたくさんの人が祝ってくれたのですが、実は年内に南米に引っ越しをしようと思っています。
何言ってんだよと思うかもしれないけど本気です。
お客さん、友達、会った人などにはなんとなく言ってましたが、ちゃんと決まってないことを言うのもアレかなと思ってブログなどには詳しく書いてませんでした…
そのことについて書きますので是非読んでもらえればと思います。
秋くらいにウユニ塩湖に引っ越します
正直美容室をやる前からいつか海外に住みたいとは思ってました。
むしろキャンベルともそういう条件のもと結婚したようなところもあります。
南米のアルゼンチンに行こうと思ってましたが、ボリビアのウユニ塩湖にしました。
村に住もうと思っています。
そこで美容室と旅人の宿、そしてウユニ塩湖と僕たちを題材にした番組を配信しようと思っています。
今年の9月か10月くらいからを考えています。
で、ここから紛らわしいのですが秋までは美容室でも働きますし、講演会なども受け付けてますし、とりあえず日本にいます。サロカリなどのサービスは南米に行こうとも継続しますし、会社もやめません。そして移住後も3ヶ月に1度くらいのペースで日本に帰国します。
つまり引っ越しはするけど、やってることはほとんど変わらず、たまには日本にも来ます。
そこだけ勘違いされやすいので先に書いておきました。
そしてここから大事な話です。
長いですが…美容室Up to Youと今後の方向について。
Up to Youを始めて感じてたこと・変わったこと
僕にとって、美容室をやるのは高校生のときからの夢でした。
東京に憧れ、青山に憧れ、就職したけど一度は道を見失いました。
それでも『お店を持ちたい』という思いはずっとあり続け、世界を旅してもそれは変わりませんでした。
今読んでくれてるこのブログも、「いつかお店を出したときに読者が来てくれたらいいな」という思いで始めたものです。
今から2年ちょっと前のこと。
海外から帰ってきて、すぐにフリーランスとして働き始めました。
旅をしている頃からずっと『ビールが飲めて誰でもこれる自由な美容室を作る』と言い続けていましたが、お金はないし美容師以外のスキルも実績もないのでやっぱりプレイヤーとして髪を切るしかありませんでした。
ありがたい事に、同業者、遠方からのお客さんもたくさん来てくれたことや、本を出版させてもらったことも重なり、ほぼ無一文での帰国からわずか3ヶ月後にはUp to Youオープンパーティを行っていたのです。
そのころは今考えてもむちゃくちゃでした。
休みも睡眠時間もありませんでした。
だけどむちゃくちゃ楽しかったし充実していました。
しかしすぐに現実という壁にぶち当たりました。
とにかくお客さんに来てもらって、髪を切りまくらないことには家賃が払えないし生活ができない。
しかしマーケティングのマの字も知らない僕はただブログを頼りとするのみ。
地域のお客さんは誰も来ず、遠方の方や同業者ばかりだったのでリピーターもほぼおらず。
「やべえ」
ってなりました。普通に。
今だからぶっちゃけますが、家賃30万弱です。
光熱費など込みとはいえ、結構な値段ではあります。
居抜きの物件で初期投資がほぼなかったことを考えるとそれでも安いくらいですが、月々の支払いはしんどかったのを覚えてます。
キャンベルはというと縁もゆかりもない東京の地なのでお客さんも友達さえもおらず、完全に僕一人の肩に【店】というものがのしかかっていました。
お店をやるということは、そういう事なのだと、出した後に気がついたのです。
あれだけ楽しみにしてた自分の美容室、あれだけ夢見てた自分の美容室、そこで働く自分に違和感も生まれてきました。
美容師は確かに好きだし、いろんな人が会いに来てくれて楽しいと思うけど、これで良いのだろうか?これがやりたかったことなのか?
と、何かが引っかかるような。
お金の問題もあったけ、自分の仕事そのものに満足ができていませんでした。
なぜ来る日も来る日も誰かを待ち続けなければならないのか…。
なぜこの小さな箱の中でじっとしていなければならないのか…。
法律的に路上などで切れないので、【日本で美容師をする】とはそういうものだと思います。
でもそれがちょっと嫌になっていました。
理想だった店を作り、いろんな人が来てくれるのに不満。
もはや理想が何かもわからず、すごく迷いました。
とりあえずなにか行動をおこそうとサロカリという全国で美容室を借りれる仕組みを作って出張美容室を始めました。
もう1つ、過去に2〜3回依頼されただけの人前で話す仕事も自ら企画してやり始めました。
一生懸命作った美容室Up to Youから出て他の美容室で働くというのは意味不明だと思います。
しかもオープンしてわずか3ヶ月後のことです。
でも大阪をはじめいろんなところに行きましたが、本当にいろんな人と出会い、話し、段々と充実感を得られるようになりました。
そしてさらにその3ヶ月後に今度は隣駅の阿佐ヶ谷で月曜日だけ居酒屋を始めました。
そこにもいろんな人が来てくれました。
楽しかったです。
そのあたりで確信したことがあります。
それは【美容室】でなくとも良かったのかなぁ…ということ。
言ってる意味がわからないと思います。
無責任だと思うかもしれません。
ですが、本当にそう思いました。
僕は仕事を通していろんな場所に行き、いろんな人と出会いたい。
そして人と人とを繋げていきたい。
それだけだと気が付きました。
そういう人生を送るべきだと思いました。
その手段は美容でも話すことでもインターネットでも何でも良かったのだと気が付きました。
思えばUp to Youだって大人の溜まり場みたいな感じをイメージしてたし、今やっているサロカリだって美容師の溜まり場です。
そういう場所があれば良い。
それが自分の理想であると確信しました。
僕はやはり旅人でした。
結婚しても、美容室出しても、変わりませんでした。
それならば突き抜けてやろうといろんな計画を立てました。
いろんな思いもあり、1周年を迎えたころシェアサロンを始めました。
Up to Youで一緒に働いてくれるフリーランス美容師の仲間ができ、僕自身はよく仕事や遊びで日本全国、そして東南アジアを飛び回るようになりました。
ブログやセミナーの仕事も順調に増えていき、サロカリのメンバーも増えていき、いろんなところで働く事が現実となりました。
今では会社もはじめてしまったり、さらにいろんな楽しいと思う仕事を掛け持つようになり、美容室には予約時以外はほとんどいなくなってしまいました。
でも、変わらないのが【どこに行ってもハサミを持ち歩いて、どこに行っても誰かと出会って一緒に過ごしている】という点。
おかしな話ですが、僕がやりたかった美容師はちゃんと出来ていて、お店に立ち続けた時より充実しているし満足しています。
自分が嫌になることならやめたほうがいいと思った
ここまで読んでくれた方は僕がただの飽き性だとか思ったのではないか…と心配もしているのですが、まあそれは正解です。笑
でも帰国して休まず、ほとんど寝ず、毎日がむしゃらにやって作った美容室に思い入れがないわけありませんし、賭けていたものもたくさんありました。
でも店を作ったのに自ら出ていく。
矛盾といえると思います。
それにはもう1つ理由がありました。
さっき書いたような”違和感”の正体がもう1つ…。
こんな事書くべきじゃないと思いますが、本当の事を伝えたいので書きます。
それがうまく言えないんですが【友達】でした。
なんか友達もお客さんに見えてきてしまうというか、わかりやすく露骨な言い方するとお金と思ってしまった事がありました。
それはオープン当初、美容師として働くことしかできず、支払いに追われプレッシャーをすごく感じていたときでした。
自分で仕事をするということは本当に大変です。
とくに美容室の経営をしながらプレイヤーで居続けるのは本当に大変だと知りました。
自分に会いに来てくれる友達がいる。
そのための場所を作った。
遊びに来てくれる人がいる。
そのためにUp to Youを作った。
でもそこは職場でもある。
髪を切らないと、食っていけない。
美容師はどんなに頑張っても5分とかで髪は切れません。
1人に1時間。
それでも数千円。
とにかくやらなきゃ食っていけません。
生命線は美容室オーナーとして、美容室に立って髪を切ることのみ。
だからお店に遊びに来てくれた友達が髪切らないのは別にいいとしても、飲みに誘ってくれるのがツラかったりしました。
正直。
『なら髪切ってってよ…』って思ったことも何回かありました。
付き合いだと思って行って、翌朝後悔する。
そんな毎日。
遊びに来た人と話しただけで終わる1日。
泣きたくなったこともありました。
だけど僕は【人が集まれる場所】が作りたくて、【美容師】がやりたかった。
その理想と現実のギャップに苦しみました。
友達は誰一人悪くないです。
誘ってくれたことはむしろありがたい事です。
そして遊びに来てくれと言い続けたのは自分です。
それを作ったのも自分。
だけど現実は常につきまといました。
こんな事書くべきではないけど本当にそんな事を思ってしまってて、辛い思いをしました。
いつしか自分から友達を誘えなくなりました。
そんな自分が本当に本当に嫌になりました。
いろんな葛藤がありました。
だから現場をすこし離れ、もっと違う収入を作り、本当にやりたかった美容師、本当にやりたかった事をやりはじめました。
結果2016年にUp to Youがオープンしてから1年以上休みらしい休みはありませんでしたが、そうして積み重ねてきたことで焦りから解放され、今は友達とも気兼ねなく会えるようになりました。
それもこれもこんな僕でも理解してくれて予定合わせて髪を切りに来てくれる常連さんがいるから、セミナーなど聞きに来てくれる方がいるから。
そしてこのブログを読んでくれてる方がいるから、コミュニティを支えてくれる人がいるから。
その方々には本当に頭が上がりません。
Up to Youの2周年を祝ってくれたお客さん、友達、美容師仲間にも本当に頭が上がりません。
僕はいろんな人に支えてもらい、やってこれています。
みんなは僕にとっても大切な人たちですが、お店にとっても大切な人たちです。
その想いは今後どうなろうと変わることはありません。
今後のことについて
僕の価値って一体なんだろう・・・?
そう考えたときに、やっぱり旅かなって思います。
旅をするように生きる、自分のスタイル。
だからそれをこれからも貫こうと思います。
僕はどこまで行っても旅人です。
社長になろうとも、パパになろうとも、ジジイになろうとも。
そしてどこまで行っても美容師であると思います。
僕にとっては『髪を切る』という事は出会いのきっかけ。
定年だとか、ハサミを置くとか置かないとか、サロンで売上がどうとか、指名数がどうとか、そんなことは僕にとってはどうでもいい事だと感じます。
人生が終わろうとした頃、もしかしたらロボットが髪を切れるようになってるかも知れないその頃、まだ「髪切ってよ」って言ってくれる人がいるかどうか。
そこが1番大事なことじゃないかなと思っています。
南米に行き、Up to Youに立つことをやめたらお客さんとの関係も基本的には終わってしまうと思います。
だけど、人と人との関係は終わりじゃない。
そう思っています。
帰ってきたときに「また会いに行ってやろうかな」って思ってもらえるよう、僕は本気で生きたいと思います。
自分に嘘はつきません。
だから美容室を飛び出して、日本を飛び出してウユニ塩湖に住むとか言ってるこの頭のイカれた男をどうか引き続き見守ってもらえたらと思います。
そして…
美容室Up to Youは僕が南米に行ってもできる限り残そうと思っています。
帰ってこれる場所はほしいし、何よりフリーランスの子たちがそこで働いているからです。
でもいつかはフリーランスの子たちもそれぞれの道を歩むと思います。
それがいつかはわかりませんが、必ずそういうときは来ます。
そのときに僕はきっと日本にいないので、やむなく閉店という事になると思います。
致し方ない事かもしれませんが、みんなとの思い出の詰まったこの美容室がどうゆう形であれ存続してくれたら嬉しいなと正直思います。
なので、僕の代わりにこの場所を守ってくれる方を探しています。
設備、道具、など全て無料で譲渡し、フリーランスの子たちからの家賃なども含め全てお渡ししますし、初期費用はほとんどゼロで独立できると思います。
もちろん店の名前も何もかも変えてもらって構いませんが、たまに遊びに来たり、たまにお客さんとの再会の場として髪を切らせてもらいたいだけです。
僕が独立した時にめちゃくちゃ大変な思いをしたので、これから独立したいって方を応援したい気持ちもあります。
もし引き受けてくれる美容師さんいましたら是非連絡をください。
秋までフリーランスとして働いてみて決めてもらっても構わないです。
よろしくお願いします。
最後になりますが、秋までは日本にいるので、会える人は会いましょう。
セミナーなどの依頼も受け付けていますし、美容室での予約も今まで通りです。
移住後もちゃんとちょこちょこ帰ってくるので、紛らわしいですが、よろしくお願いします。