すべての旅人へ伝えたいこと・・・。「最後の路上ヘアカット」

 
こんにちは。

なんか、思ったんです。

今の僕って1日1日どんどん変化しているなーって。

顔がとかじゃなくて、思いが。

今日は旅をしてる人、する人、それからワーホリをしている、そしてする人に向けて書こうかと思います。
 
 
 
最近出会った旅人によく言われることがある。
 

「帰ってすぐ仕事始めるなんてすごいね!!」

 
僕は帰国後、翌日引っ越しをし、2日後から仕事関係の人と会い、準備を始め、4日後から本格的にスタートする。

初日から予約がありがたいことにたくさん入った。

12月はもう休みなどないだろうと思う。

それがすごいことなのかどうかはわからない。

ただ、たしかに周りの長期の旅人を見てると、みんな日本に帰ってとりあえず実家でゆっくりしたり、旅の感覚から抜け出せないのか日本を旅したり、島などのリゾートでバイトしたり、また海外に出たりする人ばかり。

 
以前は僕もそれでもいいのかなって思っていた。
 

でも、それって必要あるのかな?ってあるとき急に思って。

というのも、その時間が怖いと思った。
 

自分はまだ旅人・・・。

でも、前とは確実に見方が変わっていってるように思う。

 

*現実を見るということ。

旅とは非現実の世界だとばかりずっと思ってた。

ストレスであふれた日本をとびだし、見たこともないものを見に行く。

バックパックを背負い、風の吹くまま、気の向くまま、ときには人に巻き込まれ、人を巻き込み自由に旅をする。

国境を越えて今まで見たことも聞いたこともない世界へ足を踏み入れる。

そこで見るもの聞くもの出会う人すべてが真新しく、興味深く、楽しく、悲しく、苦しく・・・

日本で住むことが現実の世界というのであれば、それはたしかに非現実の世界であった。

だけど、長らく旅をしているとだんだんと感動が薄れる感覚になることがある。

何を見ても感動しない、何を食べても感動しない。

全くというわけではないし、もちろん感動することだってあるが、その頻度は前に比べてずっとずっと少なかった。

旅の感度というものが薄れたような感覚。

 
そんなとき、ふとこんなことを思った。

「なんか旅が現実の世界になっている」

それはふとした瞬間。

何のきっかけもないかもしれない。
 

その新しい現実の世界は、いつもと変わらない朝から始まる。

時にはホテルのベッドで目覚め、時には夜行バスの中で目覚め、時には友達の家のソファで目覚め、時には空港の硬い椅子の上で。

 
非現実だったはずのそんな朝から始まる1日が、もう非現実ではなくなっていた。

慣れというのとはまた違う。

いつまでたっても外国人の気持ちにだって文化にだって100%は慣れることができない。

ただ、旅をするという毎日が普通のことになった。

 
いつまで旅したらそういう感覚になるのかは人それぞれだと思う。

1ヶ月かもしれないし、1年かもしれない。

ただひとつ言えることは、そうなった時に日本を「非現実の世界と思うようになってしまうだろう」という事。

 

あのストレスの渦に帰るのが怖い。

あのきっちりした日本が怖い。

仕事をするのが怖い。

 
旅人ならきっとこの意味はわかると思う。

言葉にはできなくとも、心の何処かでそれは感じているはず。

その気持ちのまま日本に帰ったらきっと馴染めないって心の何処かで思ってるからだ。

 
でも本当に馴染めないんだろうか?
 
そんなことはないと思う。
 

僕は今、現実に戻ろうと努力をしている。

日本に降り立つ前に、住む家を決め、職場を決め、いろんな契約をし、いろんな人と話してきた。

それは、旅してる中で変わった自分の感覚を日本に帰る前に取り戻すため。

日本をもう一度現実の世界に戻すため。

僕がなぜ仕事をすぐに始めるかというと、そういう理由だったりする。

  

*決して特別な人間じゃない

「世界一周の旅をして、いろんな国々をまわってきました。」

それは旅をしてない日本人からすると、ものすごくカッコいい言葉に聞こえる。

僕もかつてはそうだった。

世界一周にでることを決めてからずっとずっと憧れていた言葉だった。

そんな旅人はすごくかっこいいし、特別な人間だと思っていた。

旅に出る誰もがそう思うだろう。

みんな憧れを持って出てきている。

かっこいい自分になりたくて出てきている。

 
でも、実際は違う。

いくら旅をしたって、その人のバックグラウンドとアイデンティティは紛れもない日本、日本人であって、日本に帰ってきたら旅人からただの日本人に戻る。

どんなに有名な旅ブロガーだって日本に帰ってくればただの日本人に戻る。

アクセスがあったブログだって、もう誰も見てくれなくなるかもしれない。
 
 
帰った瞬間、そこらへんにいる旅をしていない日本人と何ら変わらなくなってしまう。

 
日本に馴染めない・・・。

社会から飛び出していったそんな”元”旅人を社会にい続けた人間はどう思うのだろうか。

 
日本は強烈に横のつながりを意識する社会だ。

出る杭は打たれると言われるように、人と違うことをすればすぐに目の敵にされてしまう。

誰が悪いわけでもない。

そういう国と社会っていうだけ。
 

その社会に復帰できない人を助けてくれる人なんて一人もいない。

社会復帰できない旅人を受け入れてくれる人なんていない。

自分が変わるしかない。

自分で馴染むように努力するしかない。

厳しいけど、日本はそういう国だと旅をしたからこそ僕は知ったような気がする。

 
「もう日本に帰ろう」

ふと、そう思ったことがある。

僕の場合はロスからマレーシア行きのトランジットで成田に降り立ってまた飛び立つ瞬間だった。

もうその時点で自分の旅に満足してた。

一度日本の地を踏んだのに、また出ていくのか・・・。

それがなんだかすごく辛く、めんどくさく思えてきた。

そんな時に「自分はもう帰りたいと思ってる」と気がついた。
 
 

 
*旅人が自分の意志で旅を終えるとき。

それは突然やってくるそんな気持ちからかもしれない。

満足した。という言葉で片付けられるかはわからない。

まだまだ行きたい国も見たいものもある。

でも、帰りたいという気持ちが生まれた。

 
そうして旅人はまたかつての住処に帰っていく。

それは自分で決めたこと。
 
 
でも、帰ったけどまるで浦島太郎のように馴染むことができない。

それは日本の社会のせいだ。

日本が厳しいからだ。

朝の満員電車なんか乗りたくない。

働きたくなんかない。

 
それは違う。

馴染めないのではなくて、馴染もうとしないから。

 
本当に馴染めないのであれば、帰る必要なんてない。

そもそも帰ろうと思うわけない。

どんな手段を使ってでも海外に居座ればいい。

 
帰ると決めた以上、ただの日本人に戻ると自分で決めた以上馴染む努力をしなければ絶対日本の社会からはじき出されてしまうと僕は思う。

 
僕は正直そっちのほうが怖かった。

 
何もせずに帰ったところで待っててくれるのなんて親と友達くらい。

仕事も、家も、保証も、これからの夢も金も何にもない。

しばらく何もせずに日本で過ごしても、そんな現実がすぐにやってくる事がわかっていたから怖かった。

だから、僕の場合は帰国する前から動き出すしかなかった。

 
世界一周をして得たもの。

それは人それぞれ違うと思う。

本当に本当にたくさんの事を得たに決まってる。

 
僕は世界一周をしてよかった。

マジでまじで良かったと思ってる。

きっとすべての旅人が、そう思ってる。

 
そう思ってるならそれを活かす努力をしようぜ、って僕は言いたい。
 

「旅を仕事に」

こんな言葉をよく聞くが、別に仕事にする必要なんてない。

 
ただ、その世界をまわってきた経験を、これからの人生でどう活かせるのかを死ぬほど考えて、実行したらいい。

世界で数年ふらふらしてきた”だけ”のやつ。

そんな事、僕は絶対に言われたくない。

旅して得たものを無駄にしたくない。
 

正直に言うと、かなり矛盾してるようだけど、馴染めないなら馴染まなくていいと思う。

実は僕も馴染むつもりは全くない。

だから、自分の場所、仕事、生活、そして人生を自分自身で作っていくことに決めた。

死ぬほど考えて、そうすることにした。

日本の社会、現実の世界には戻る。

だけど、そこで自分だけの“新しい非現実な世界”をつくろうと決めた時、旅をするよりもなんだか楽しそうだと本気で思った。

そしたら日本に帰ることも別に怖くなくなった。

 
「なにか楽しいことしたい!」

そうやって日本を飛び出した好奇心の塊の旅人はみんな本当に良い奴だった。

一年半の旅で、何百人もの旅人に会い、200人くらいの旅人の髪を切って、たくさん話してきた。

たくさんの旅友達ができて、たくさん一緒に時間を過ごしてきた。

そして一人ひとりの旅人からたくさんのことを教えてもらった。

生き方、巻きたばこの巻き方、旅の仕方、怪しい情報・・・何でもかんでも。

たくさんの事をみんなとシェアしてきた。

本当に出会って仲良くしてくれた全ての旅人が大好きだで、感謝してるからこそ、今日はあえてこんな事を書いてみようかと思った。
 

いま旅をしてる人も、これからする人も、そんな素敵な旅人が日本に帰っても悩まないように・・・。

決してこれが答えではないが、“ひとつの参考として”僕の考えをシェアしてみました。

 

僕の旅はあと3日で終わります。

僕も日本人に戻ります。

でも不思議と旅に出る時と同じようにわくわくしてます。

あのキラキラしてみえた世界一周の旅に出る直前のように。

 
メリハリじゃないけど、最後の日は何かしようってずっと考えてました。

じゃないと旅が終われない。

それをずっと悩んでたけど、決めました。
 
 
この長かったヘアカットの旅に決着をつけるため、帰国日の15日にバンコク(多分カオサン)で最後に路上でヘアカットをしようと思います。

1000人カットが終わってからはほとんど頼まれた人以外はやってませんでした。

でも、今までの僕のスタイルを最後にかましてやって、日本に帰国しようと決めました。

今、書きながら(笑)

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泣きたくなるくらい、楽しかった!ってキラキラした思い出はいつだって過去のこと。

だからどこでなにやってても、たとえ旅を終えて日本に帰っても、“今”を楽しむことが一番大切なんだと思う。
 

 

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カッコいい人に・・・。
 

 

 
 
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