昨日は7月に始めた新しい面貸しコミュニティ 【サロカリ】の新年会でした。
半年たって美容師軍団も増えに増えもうすぐ100人の大所帯になりそうです。
アシスタント1年目から40代のサロンオーナーまで様々な人がいますが、みんなどこか似たりよったりで、初めましてだとしても初めまして感がなくてすぐ仲良くなるので不思議な集団だなぁと思います。
東海、関西、九州、北海道にもメンバーが散らばっているため全員集合はたぶんありえませんが、もしみんな一同に集まってもすぐに仲良くなれる気がしてます。
自分の大切なサロンをメンバーとは言え不特定多数に貸すとか、所属してるサロンがあるにも関わらず他のサロンでカットしてみるとか、何やってんの?って美容師の人は思うと思います。
でも僕はその「?」がきっと大切で、その「?」に向き合ってみる事で新しい自分や美容師としての新しい生き方を見つけられるのではないかと思っています。
僕みたいな異質な奴が考えることだから異質な事なのかもしれないけど、辞めてく人が減らないこの美容師界隈の労働事情なんかがせめて周りの親しい人だけでもサロカリを利用して変わってほしいななんて思っています。
世界なんか変えられない。
SNSだけの繋がりの人なんて変えられない。
だけどリアルに付き合う人には何か協力出来ることがあるのかもしれないし、それができれば僕は幸せです。
昨日一人のアシスタント一年目の男の子がこんなことを言いました。
「早く美容師になりたいっす」
僕は「いや美容師でしょ?今」と言ったのですが、その子曰くカットもできない自分は美容師なのかどうかわからないとのことでした。
かつて同じようなことを思ってたので、その気持ちはめちゃくちゃわかります。
だけど今僕は美容師免許を持っていて、ハサミを持ってればみんな美容師だと思っています。
例えば、所属している美容室を辞めてしまったら美容師を辞めることになると思っている人って多いですよね。
サロン辞める=美容師辞める
確かに所属している美容室を辞めたことをきっかけにハサミを置く人もいると思います。
だけど専門学校を卒業して、美容師免許をとって…そして自分のハサミをもっている人というのはやっぱり美容師なのではないでしょうか。
例えアシスタントでやめても、例え違う仕事についたとしても、例え二度とサロンワークをする事がなくても、もし家でお母さんの髪をカットしてあげることが出来てお母さんが喜んでくれたとしたらその人は立派な美容師なのではないかと。
それでも「そんな技術じゃ〜」「家でなんて〜」って言いたい人がいるのはわかっています。
だけど僕はそれでいいんじゃないかと思うんです。
サロンに所属する事や、キツくても頑張って働く事がまだまだ当たり前とされている現代ですが、そこから脱却したからといって美容師を辞めるなんて思う必要は全くないと僕は思います。
必ずしもそこに合わせる必要はない。
そういうのが嫌で辞めてく人が本当多いですけど、それで美容師自体をやめたら本当もったいない。
専門学校で学んだこと、アシスタントで学んだこと、練習して身につけたこと、セミナーで勉強したこと、先輩に教わったこと、後輩に教わったこと、それらは例え何年ブランクがあこうともその人の人生の中で忘れていくことはないはずです。
必ずその経験やスキルは残ります。
1年間ハサミに触らなくてもカットはできます。
人間そこまで馬鹿じゃないから。
努力してきたことは必ず残ります。
だから美容師を辞めるなんてもったいない。
年にたった1回でもいいから、大切な友達をカットするだけでもいいから美容師でいてほしい…。
そういう人が少しでも増えるように、そういう生き方が許容される世の中と環境作りを誰かがしないといけないのかもしれません。
「?」は大切なことです。
新しい環境、新しい物なんか「?」でしかないわけです。
新しいことなど理解するのはとても難しいことだと思います。
でも理解する必要なんか実はなくて、わけわからなくて全然良いんです。
その「?」を自分なりに解釈して生きるための術として活用していく…
理解力よりその応用力の方が大切です。
実はオープン前から決めていたことなんですが…
僕は理想のために今の美容室をいずれやめるつもりでいます。
わざわざ独立して経営難じゃないのに自ら辞めるとか意味不明だというのはわかってます。
でもそれは新しい働き方、美容師のあり方、ライフスタイルを手に入れるための挑戦の第一歩であります。
もちろん店を辞めても美容師を辞めることはありません。
今僕を信じてきてくれてるめちゃくちゃお世話になってるお客さんの担当はし続けますし、新しいお客さんとの出会いも受け入れます。
僕を指名してくれる人がゼロ人になるか右手が無くなるまでは美容師は続けていきます。
ただめちゃくちゃワガママに美容師を続けていきます。
所属なんかしなくても、場所なんかなくても、僕は自分が幸せならそれで良いです。
何百万もの売上もいらないし、有名カリスマ美容師になりたいとも思わないし、有名サロンを作りたいとも思わないし、サロンを大きくしたいとも思わない。
一生の大部分を過ごす仕事時間に自分が幸せを感じ、さらにお客さんや家族や友達の幸せもそこにあればなお良いです。
そうして生きていく事は周りの美容師から見たら頭にくるのかもしれません。
所属してない美容師なんてあり得ないって。
高みを目指さない美容師なんてあり得ないって。
常識と違う、自分がやってきたことと違う美容師なんてあり得ないって。
だけどこの記事を読んでくれてる人にちょっと考えてみてもらいたいことがあります。
そういう「あり得ない」を真面目に考え始めると意外と素敵な未来があると思いませんか?
例えば…
もし手あれがひどくて毎日寝れなかったら…
その人にとっては辛いことこの上ないと思うのですが、そういう事があったとしても頼ってくれてるお客さんが来てくれてるから、売上があがるから、スタッフがいるから…幸せだし続けているっていう人は多いと思います。
でもその辛い事実は耐え続けていれば改善するのでしょうか。
1年後には良くなる見込みがあるのでしょうか。
環境を変えないと、事実は事実であり続けます。
そうやって働いている人にとってそれらの解決は「あり得ない」事なのかもしれません。
美容師してる限り手あれは治らないかもしれません。
でもそれは本当にあり得ない事なのか?
僕は違うと思います。
自分の考えや常識を壊せばその「あり得ない」は「あり得る」に必ずなります。
たくさんのお客様がいて、売上も上がって、スタッフもいて、それでいて手荒れしてなかったら本当の幸せが手に入る…。
今、嫁のキャンベルはUp to Youで美容師をしています。
手は荒れてません。
彼女にはかつて某有名サロンでくしゃくしゃに手が荒れてぶっ倒れるまで働いていたという時代があったそうです。
今は肉食い過ぎか酒飲みすぎでぶっ倒れる事はあっても働きすぎで手が荒れてぶっ倒れることはありません。
彼女が手荒れをしない代わりに捨てたものは、美容師の常識と名声です。
その代わり得たものがキレイな手と時間です。
有名サロンでバリバリ働いて上を目指していた輝かしい自分と、ちっさいサロンで1日数時間だけのんびり働く今とどちらが幸せか?って聞いたことがありました。
答えはたぶん話の流れでわかると思います。
僕はそれで良いのではないかと思うんです。
有名サロンや従来のサロンで働く人はやってける人や、やりたい人だけで良い。
毎日シャンプーしなくていいから、夜中まで残らなくていいから、朝8時に出勤しなくていいから、自分のできる範囲で好きな美容師を好きな形で続けたらいい。
所属しなくても、自分の居場所にこだわらなくても、スタイルが人と違っても、客数が人と違っても、価格が人と違っても、売上が人と違ってもそれでもいい。
なぜなら美容師は美容師だからです。
長くなっちゃいましたが最後に…サロカリ代表として思うこと。
こんな「?」なコミュニティに入ってくれるメンバーの皆さんは、会ってみると本当幸せそうです。
そういう自分の幸せや生き方を掴み取るのがうまい人なんだと思います。
僕もSNSでいろいろ発信していますが、美容師はネットやSNSだけ信じちゃいけない。
ネット上だけでフォローしあい仲良くなって…っていう付き合いってよくあると思いますし、会ったこと無いからこそ良い関係を保つのは簡単だけど、人ってリアルな付き合いをするからこそ見えてくることってあると思います。
僕が思うに、美容師として大切なことは”他の人の美容師人生”をもっと知ること。
世の中SNSが得意な人ばかりではないです。
だからネット上だけでは得意な人の声ばかりで、そういう人の声はなかなか見えてこない。
でも世の中にはいろんなリアルと美容師人生があります。
現実の付き合いの中で人の振り見て我がふり直せじゃないですが、そういう刺激を与えあうことこそ「あり得ない」を「あり得る」にするきっかけになるもので、サロカリはそういう場であると思っています。
「あり得い」が「あり得る」になれば美容師としての人生は変わります。
「?」を馬鹿にせず、真面目に向かい合えば常識は変わります。
それで幸せになるのであれば僕はいいと思います。
日本にはいろいろなサロンと美容師がいますので一概に「美容師は〜」とは言えないのですが、少なくとも僕にはこれは言えます。
美容師は絶対幸せになれます。
あなたの理想とする美容師はどんな美容師ですか?
やり方を変えることは容易なことじゃない。
環境はすぐには変わらない。
だけど、それを変えるのは誰かじゃない…。
結局自分で自分のことを見極めて、本当に楽しく働ける美容師になるかどうかは自分次第なのかなと思います。