2018年最後のブログです。
突然ではありますが僕、桑原淳は2018年12月26日をもって美容師を引退し、12月31日で美容室Up to Youを閉店することに決めました。
今日ここで、その事と今後のことをお話させていただこうと思いますのでぜひ最後まで読んでいってもらえればと思います。
美容師を辞めることについて
思いつきではなく、ずっと前から考えていたことでした。
今年の正月に沖縄に行って、その後タイに行って帰国して初めてハサミを持った1月10日ごろのこと。
直感的に思ったことがありました。
ハサミを持つ自分、髪を切ることに急に違和感を感じてしまい、お客さんに対してやってる事と気持ちがすごくズレててすごく気持ち悪かったのを覚えています。
その感覚は言葉では言い表せないセンサーのようなもので、心の中がザワっとする感覚。
自分の中の何かが「違う」と発信してるような感覚でした。
その感覚は今まで生きてきた中で大切にしてきたものでした。
だからといって仕事は仕事であり、自分の気持ちがどうであれお客さんには一切関係がないこと。
だからすぐに辞めたいとかそういうつもりは無かったけど、タイミングを考え始めました。
その日から半年後、僕は四国で誕生日を迎えて30歳になり、その日の朝に「10年やった美容師はもう今年いっぱいで辞めよう」と決意しました。
そして26日に年内最後のお客さんが終わり、東京から山梨へ。
90歳になるばーちゃんの髪を切って自分の美容師人生に終止符をうちました。
ただハサミを置くとかそういうことではなく、仕事としての美容師はやめるけど、僕は髪が切れるという事実は変わらないのだから、それは今後も1つの武器として持ち続けていきます。
だから友達や家族の髪は切るし、もしかしたら海外に移住したりしてまた始めるかもしれません。
美容室Up to Youの閉店について
そして、冒頭でも書きましたが、実は東京高円寺の美容室Up to Youも閉店することとなりました。
実は、世界一周の旅から帰ってきて今ちょうど3年が経ちました。
2015年12月15日、1年8ヶ月の世界一周1000人ヘアカットの旅を終えて帰国。
12月20日〜今の美容室Up to Youのある場所で一席のフリーランスとして働き始めました。
1月半ばにはフロア全体借りて開業することが正式に決まり、2月3月と働きながらDIYしたり準備をすすめ、4月1日にオープンしました。
そのため、正式なオープン日は4月でも自分の中の感覚的には3年の月日が流れていてます。
その時から決めていたことが3年後には店を閉めるということでした。
なぜ?と思われると思ったから特に人に言ったことはないですが、最初からそのつもりでした。
そう決めていた理由としては“次のステップへ行くため”です。
3年という数字にこだわっていたわけではないけど、自分の過去を振り返ると2〜3年周期でライフスタイルに大きな変化があり、必ず変化を求める時が3年以内に来るなと思っていたから。
だから逆に決められた年数で全力を出して結果を出そうと思いました。
人生で初めての独立、そして開業。
本当にいろんなことがありましたし、いろんな方が来てくれました。
オープンパーティ
お客さんは47都道府県から来てくれただけでなく、カナダ、アメリカ、チリ、ボリビア、フランス、トルコ、マレーシア、タイなど世界各国からも来てくれました。
ビールを出したり、ゲームや漫画をおいたり、交流会を行ったり、パーティーをしたり、お金をプレゼントしてみたり…
美容室らしからぬ美容室でしたが、おかげさまで様々なテレビ、雑誌、新聞、WEBメディアに取り上げて頂いたりもし、そういうこともあって名前は伏せますが様々な芸能人にも来店してもらいました。
1年半前からは全国的にも先駆けてシェアサロンの仕組みを作り、様々なフリーランス美容師と共に働くようになりました。
プレイヤーとしての自分のための場所からみんなの場所になり、自分自身も他の仕事を始めて全国あちこち飛び回るようにやり、その頃からサロンに立つ回数が大きく減っていきました。
2015年12月に世界一周から帰ってきた”美容師”としての自分とはまた違う道を歩み始めていました。
なので、美容師をやめようと決めた今年の正月には2018年中に閉店することを決意し、こっそり動いていました。
今後美容室Up to Youは別のオーナーに譲渡し、新しいタイプのシェアサロンとして来年よりスタートを切ります。
僕はそこのフリーランス美容師の集客サポーターとして、少し関わっていきます。
そして、今までいろんな方から頂いたモノは全て捨てずに山梨の遊べる居酒屋に移動させました。
代わりに今後やっていくこと
正直なところ、今様々な仕事を掛け持ちすぎて”何か辞めたい”と思っていた部分も強くあります。
プレイヤーとしての美容師、東京でのサロンの経営、コミュニティの運営、オンラインサロンの運営、スクールの運営、講演会の講師、会社直営のゲストハウス、マツエクサロン、美容室、居酒屋の運営、経営コンサルタント、ライター業、広告の仕事、HP作成、集客代行
会社勤めが嫌で辞めて、海外に出て、自分のためだけに働き始めた3年前と比べると、だいぶ変わったと思います。
自分のため、自分の利益のためではなく、段々と”他人のため”を意識するようになった事や、何百人もの美容師が悩みを相談しに来てくれたことがその背景にあります。
思ってるよりも辛い思いをしてる美容師はたくさんいて、思ってるよりも自由を求めてる美容師がたくさんいました。
かつての自分みたいに病んでた人もいたし、かつての自分みたいに「自分のやりたいことを突き通すのは後ろめたいこと」だと思ってる人もいました。
そういう方々と話してて「じゃあ自分に何ができるのだろうか?」そう思うようになりました。
僕はやっぱり好きなことを一生懸命やって、なりたい自分を本気で目指したから幸せになれたと思うし、まずはそういった事を伝えようと思って講演会の仕事を始めたり、自分の成功体験を伝えようと思ってオンラインサロンやスクールを始めました。
美容師として目の前のお客さんに力を注いでたときの自分より、もう少し視野を広げてみました。
そうこうしてるうちに、僕の役目ってお客さんの髪をきれいにすることよりも、お客さんの髪をきれいにしたい人のサポートをすることなんじゃないか…と思うようになりました。
劣悪な雇用環境や、長時間労働は未だに美容業界では当たり前。
確かに技術も大切だけど、そういったことから目を背け続けるのはよくないから、できる範囲でなんとかしたい…
そう思って会社を作ったし、今山梨で店舗運営をしているのも、あんなに嫌だった”人を雇用する”ということをしてるのも、全部そのためです。
苦労はするけど、まずそういう体験を僕がして、なんとか成功させて、伝えていきたい。
ネットを勉強したのも、経営に興味を持ってやってみたのも、全部そうです。
この業界には決定的に足りないものがあって、それを自分たちで補うことができないから、搾取される構図ができてしまっています。
僕は美容師だから、美容師の事はわかる。
美容師じゃない人は美容師の事は絶対にわからない。
どんなに頭が良くても、どんなにノウハウがあっても、それはそのまま美容師業界には当てはまらないと思うんです。
集客サービスだって、HP制作だって、コンサルタントだって、みんな言ってることややってることは超まともです。
だけどそれで結果が出にくかったり、不信感があるのは結局のところ“その人たちが美容師のキモチ” がわからないからだと僕は思います。
だから、美容師のキモチがわかる美容師自身が今の不況の中、web集客や経営をサポートしていく必要があると思っています。
でも僕みたいにフラフラいろんなことに手を出してきた人は少ないだろうし、技術や知識はプロでも経営や集客は苦手って美容師が多いはず。
僕はフラフラしたから、そういう部分ができるようになりました。
なので来年からはそういう事に注力していきます。
僕は美容師ももっと自由に、人生をもっとワガママにをテーマに今後も活動をしていきます。
その1つとして、今まで勉強して実践してきた、経営やマーケティングや集客や売上UPをもとに徹底的に美容師目線にたった集客代行サービス【チョキチョキプロデュース】を始めます。(もうやってるけど来年から正式に。この機に名前覚えてください)
フリーランスや個人店の集客を全力でバックアップします。
今あるようなサービスとは違い、法外な値段はとらないし、LTV(たくさん通ってくれてたくさんお支払いしてくれる方の指標)が高いお客さん集客し、リピート率は技術レベルが低めの新人でも最低50%、割引なしの高単価を保証します。
根拠は過去3年間で積み上げてきた知識と技術とデータ、直営店の実績ですので間違いないですし、自社でも実践して結果が出ています。
多くのサロンは対応できないのですが、本気で悩んでる方、本気で環境変えたい方はガチでサポートしますので気軽に一度連絡ください。
そういう全てが上手く行くカラクリも講演会で伝えていきますが、とはいえ今後はあまり表に出るつもりもありません
講演会も減らしていくつもりですし、ブログもあまり書かないつもりです。
有益な情報公開も限定的にしていくつもりです。
なので、これまでのように多くの人とは広く関われなくなると思いますが、本気で僕のことを信じてくれる人と一緒に成功していきたいと思います。
講演会も3月頃まではとりあえずやっていき、その後は未定です。
知ってることは全部話しますのでもし興味あれば聞きに来てください。
最後に…
早いもので大都会東京の原宿青山で美容師になることを目指して上京して12年、美容師になり10年が経ちました。
キャリアとしてはまだまだかもしれないし、そこそこやったのかもしれません。
本当にいろんなことがありました。
早い時間に家にも帰れず、土日も休めず、彼女にフラレたこともありました。
カットが上手くできなすぎて悔しくて泣いたこともありました。
先輩に怒られて真冬の公園で深夜3時まで考え事をしたこともありました。
店オープンさせて1年半の間1日も休めなかったなんてこともありました。
アシスタントのときもスタイリストのときもオーナーになっても総じて言えばいろいろキツかった。
けど、美容師になって後悔したことは一回もないし、楽しかった。
美容師になったからこそ見れた世界もあるし、出会えた人もいる。
「死ぬ前にちゃんと仕事をしてるお前を見たい」と言ってたばーちゃんの髪を切ることもできた。
美容師だったからこそ世界をまわって髪が切れて、たくさんの人と出会えた。
この職業を選んで、本当に良かった。
いろんなことを教えてくれた先輩後輩、そしてお客さんとして来てくれた方々、美容師仲間。
みんなにめちゃくちゃ感謝しています。
ありがとうございました。
美容師を辞めたり、店を閉めたり、人からはバカだとかもったいないとか思われるかもしれません。
経営者になったり、仕事がうまく行くと仕事一辺倒になったり、大人になるとお金のことばかり考えちゃいますが、僕は仕事そんなに好きじゃないしお金も別になくてもいいと思ってます。
だから、僕の中では辞めることはもったいない事でもないし、一切悔いもありません。
そしてもう1つ、7年前のアシスタントのときにノートに書いた目標がほぼ達成されたからっていうのもあります。
シンガポールに就職→世界一周ヘアカットの旅に変わったし順番や人気度合いなどはさておき、ひとまずは全部叶ったと思います。
ここには書いていない細々した事もだいたい叶いました。
テレビ出るとか本を出すとかそういうのも。
だから20代でやるべき事はもうおわり。
これから僕は30代で新たな人生を築いていきます。
つまり辞めることは幕開けであります。
今後やりたい事もたくさんあります。
美容師の集客や経営のサポートなどもそうですが、仕事だけじゃなく社会貢献も遊びも。
そして僕は旅人だから、また旅をしようと思っています。
日本のルーツ、自分のルーツを探す旅に…
海外移住もタイミングがズレたけど必ずします。
そういうことはまた来年ブログに書いていきます。
僕は夢を追います。
7年前にノートの表紙にさっきの目標を書いて、裏にはこれを書いてました。
年齢は関係ないし、置かれてる環境も関係ない。
“美容師ももっと自由に、もっと人生をワガママに”
僕はそうやって生きてきたし、これからもそうします。
自分の中には1つの言葉がずっとあり続けています。
人生は自分次第=It’s Up to You
自分次第でどうにでもなる。何でもできる。
3年間掲げた看板はおろすけど、心の中にはずっとあります。
さよなら。
アシスタント時代から使い続け、世界一周も共にしたシザーケースも…
僕の美容師人生も…。
さよなら。
ちょっと寂しいけど、来年からまたいろんな人やものに出会っていくことを考えるとワクワクもします。
仕事仕事で走り抜けた3年。
その中で出会ったみなさん。
本当にありがとうございました。
来年もまたよろしくお願いします。