魔都上野で目が覚めた。
魔都は本当に不思議な場所で、下手したら数日居座りかねない街なので油断していると大変なことになる。
バイクは新宿の24時間300円という異次元格安パーキングにとめっぱなしだったため、取りに行くため電車に。
東京にかれこれ10年ちょっと住んでいたけど本当に電車は辛い。
満員電車が辛いのは当たり前だけど満員じゃなくても辛い。
何が辛いのかはよくわからない。
できることなら乗りたくないといつも思ってしまうが乗らないことには移動ができないというのが東京の辛いところである。
新宿についてバイクにまたがりまた上野方面へと向かう。
今日は茨城県利根町のお友達の家に遊びに行く予定。
大昔の旅ブログに度々登場していたやっちゃん
なんかいろいろハンパねえ…若…細…
新宿から利根町は距離にして60キロないくらいなのでめちゃくちゃ遠いわけじゃないんだけど、なんだかんだと道に迷ったりしてついたのは夕方だった。
道中なんかバイクの調子がおかしくて、いろいろと調べてみたりしたけど原因は不明。
https://twitter.com/Junkuwabara/status/1429678418371616774?s=19
なんというかアクセルがおかしい。
スピードが出ない。
柏市で休憩しているときにバイク屋に電話してみたけど忙しいのか断られてしまった。
なんとかそのまま乗って目的地までついたときに近所にバイク屋さんがあるということを聞いて電話してみると「今から持ってきていいよ」と言ってくれたのでバイク屋へ行ってみることにした。
予定では次の日のフェリーで北海道にいってあちこちまわるつもりだったから、僻地みたいなところで止まってしまったらヤベーなという焦りもあった。
かといって「修理に一週間かかります」みたいになったらそれはそれで困るので、最悪旅を断念して1回山梨帰るか…ということも頭をよぎった。
出発3日目で帰るとか修学旅行かよ。


友達の家は茨城なんだけど橋を渡ると千葉県我孫子市らしい。
我孫子のバイク屋Auto Supplyさんに到着すると、店員のお兄さんが対応してくれた。
山梨から来たというとちょっとビックリしていた。
富士山ナンバーも珍しいのかもしれない。
「これから北海道いくんす」と言うと「このバイクじゃ無理じゃ…笑」と。
「ですよね…笑」と。
見てもらうとやはりなんかおかしかったらしい。
細かいことは省くが、中古車ゆえに大事なところにゴミが詰まっていてそれでアクセルがおかしなことになっていたという話だった。
「3万くらいかかるけど…すぐにやってみる」と言ってくれて、特に他に問題がなければ翌日には乗れるとのことだった。
数日覚悟していたのでホッとした。
この時期バイク屋は忙しいらしくて、やはり断られたり時間がかかったりしてしまうらしいが即対応してもらえたのは本当にラッキーだったということもあるが、お店の方が親切丁寧だったということも大いにあるのだろう。
しかし引きめっちゃ強いな。
https://twitter.com/Junkuwabara/status/1429711862984179713?s=19
やむなく友達の家まで歩いて戻ることにした。

途中しまむらで短パンを購入。
まじで手さげかばん1つで出てきてしまったのでパジャマを忘れた。
550円の短パンをゲットして、次はスーパーを探すことに。
友達んちに泊めてもらうのに手ぶらってのもアレだなと思って酒でも買っていこうと考えていたもののバイクがそれどころじゃなかったので買えなかった。
なんで、どこかよってビールでも買うか!と探してみるとスーパーがない。
コンビニもない。


見渡す限りの白い雲と青い空。
と川。
自然。
ネイチャー。
困ったなと地図を見ていると、橋を渡るとどうやら酒屋があるらしかった。
そこに行ってみよう。
入るとヒゲモジャのおっちゃんのお手本みたいなおっちゃんが声をかけてくれた。
「なんか飲む?」である。
「なにかお探しですか?」とかではなく「飲む?」と。
お友達がビールが好きだと言ってたので「ビールなんかありますか?」というと「スーパードライしかない」と。
「えっと、じゃあウイスキーは…」と聞くと「そこの冷蔵庫に入ってるやつだけしかない」と。
じゃあなにがあるんや…などと思っているとおっちゃんがグラスを手渡してきた。

銘柄は不明だが日本酒が入っていた。
飲んでみるとうまい。
僕は日本酒の味の違いがわかる男ではないけど、なんというかあれだ、山の山頂で食べるカップラーメンみたいなものだ。食べたこと無いけど。
おっちゃんに「他にもなんか飲めるんですか?」と聞くと、ビールとかいろいろとあるらしい。
では…とビールを1杯注文。
飲むつもりもなかったしお土産だけ買って帰るつもりが居座る感じになってしまった。
なにこれ楽しすぎる。


つまみでお菓子もでてきた。
奥にあるレジがあるカウンターに座っていたお兄さんが話しかけてくれた。
僕も山梨から来たこと、旅をしてること、バイクが壊れたことなど話していろいろと雑談をしていたら気がつくと目の前のビールが消えてなくなっていた。
「も、もう一杯…」

これはまずい。
楽しすぎてすべての予定をキャンセルしても居座ってしまうパターンである。
誘われるとつい。
世界各地でそんな事やってた思い出が蘇ってきた。
ベトナムのそこらへんのアニキと飲んだときや

カンボジアのコンポントムの路上飲みしてるオヤジたちや
フィリピンセブの治安悪いと名高いエリアで昼からクソまずいココナッツワインを飲んだり
そんなことばっかやっていたけど茨城でもやってしまっている。
楽しい。困った。
お兄さんと話していてると、お兄さんがグラスに氷を入れて酒をつぎ始めた。
「飲みながら働くタイプか。なるほど友達になれそうだ」などと思っていたが、そんなことはなかった。

どうぞ、と僕に出してくれたのである。
薩摩の皇帝らしい。
Emperor of Kagoshima
飲みやすかった。
いろいろと話をしていて閉店まで居座りたい気分だったが、流石にお友達も待たせているしそろそろ帰らなければならないとお会計をしてもらった。
なんかゴーヤくれた。

しかしすごい。
いたれりつくせりとはまさにこのこと。
もしスーパーやコンビニに行っていたらこんな事にはならなかっただろうし、もっと言えばバイクが壊れてくれたおかげでもある。
バイクありがとう。
帰り際に昨日から始めた出会った人に100円をプレゼントというものを軽く説明し、プレゼントさせてもらった。
100円プレゼント2人目はエンペラー鹿児島をくださったアニキ。

使い道はベイビーのおむつ代に当てるとのこと。
そして3人目はおっちゃんのお手本のようなおっちゃん。

酒屋なんで酒を持って写ってくれた。
おっちゃんは誰か知らん人に次に会ったときにその人に100円を渡すと言っていた。
どこかの誰かがこの100円を手に取るのか。
おもしろ。
“ただの酒屋”だと思って入った店は人情味あふれる素敵なお店でした。

コロナで休業しているけど隣では明治20年の蔵を改造した居酒屋をやっているということだったので、今度はそこへ行ってみたい。
またいつか必ずきます。
その後お友達の家につく頃に思った。
「結局お土産買ってねえ…」
ビールがなかったから自分で飲むウイスキーだけしか買ってないという…。
北海道から魚でも送ろう…。

夕飯の支度をしてもらっている間に子どもたちと遊ぶ。
しかしすげー喋る。全力。
子供って謎に全力疾走したりするけどアレなんで疲れないの?アイアンマンなの?すごくね?

夕飯を食べながら僕はウイスキーを飲みながら、食後は旦那さんと将棋。
この前山梨にきてくれた時も指して、その時は1勝1敗。
今回は…1勝2敗。

ウイスキー全部吐くくらい悔しかったけどやはり実際にやるとかなり勉強になる。
もっと強くなろう…。

旦那さんは仕事に戻り(在宅)子どもたちは就寝し、お友達と久しぶりに飲んでいろいろと話した。
言われて気がついたけど2015年にチリのサンティアゴの空港までお見送りにいって、空港飲みしてベロベロに酔っ払ってたとき依頼らしい。
なんだかんだ会ったりはしていたけど確かに周りに結構人がいたりしたからゆっくり話したのは久しぶりだった。
相変わらずなところもあれば変わったところもあるわけで、それを成長といえばそうなのだろうと思う。
人間とはやはりそういうものだと思っていて、子供ができたら親になるわけで考え方だって当然少なからず変わる。
しかしどういう人生を歩もうと、何をしていようと、何をしようとしていようと、いい意味で僕には関係がないことだから。
やるもやらないも本人だし、どう生きていてもそれが正解なのだと思うしかない。
どこかで友達には僕に対してそう思ってほしいみたいに思っているところがあるから人に対してもそう思うようしているのかもしれない。
「昔はこうだった」みたいなことはやっぱりあまり言いたくないし、言われたくもない。
昔も今も、常にベストなのだと思う。
歳をとるにつれいろんなことを経験し、いろんなことを思うようになってそれが無駄に高いプライドになってしまい、自分が全て正しいかのように勘違いしてしまう人もいる。
そうして他人を否定するようになったら終わりだ。
何をやっているか理解できなくても、やっていることを認められる関係性。
それがベストだと思う。
生きていくことを頑張れとは言わないし、ゆるく生きればそれでいいと思う。
そうしてまたすこし成長したときに公園なんかでビールを飲みたいな。
今回お世話になった店、人
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