【副社長誕生。会社の資産半分あげることにしました】

丸5年信じてついてきてくれ、働いてくれていた男を副社長に任命しました。

株も、つまり資産も半分近くは渡します。

これまで100%僕が持っていた株ですが、その半分を彼は手にするということは会社の所有者になるということです。

成功すれば増えるし、失敗すれば減ったりはするものの時価総額1億円なら「はいよ」っと5000万もらうようなものだと、そのようにイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

全然1億円もないけど…。

資産だけでなく、決定権ももちます。

言い換えると、これでもう僕が創業した会社は法律上”僕だけのものではなくなった”ということです。

実は株式会社をはじめてもうすぐ7年目になります。

親御さんは小学1年生の我が子が中学生になると思うと大変感慨深いものがあると思いますが、僕からしても全く似たようなものだと思います。

成長したなと思う瞬間が増えました。

無から始まった会社というものを作っていく中で、楽しかったことより大変なことのほうが多かったと思います。

なにかある度に悩み、困り、満身創痍になりながらも歩みを止めることなくなんとかやってこれたのも、お客様のおかげでもありますが従業員のおかげですし、相談に乗ってくれた経営者仲間や助けてくれたビジネスパートナーのおかげです。

そしてなにより身近で支えてくれた副社長のおかげです。

彼がいなければ潰れてたかもしれないし、潰れてなくてももっとショボいアウトローな会社になっていたかもしれません。

名前からして訳の分からない会社に息子を就職させるご両親も不安しかなかったと思いますが、本当にこれだけは言わせていただきたいのですが彼が頑張ってくれたお陰でここまでこれました。

本当にありがとうございました。

先日も書いたように最近大きなトラブルがありました。

会社というものはお金が絡むので、訳の分からないトラブルに巻き込まれたりすることもあります。

出会ったときから嘘をつき続けていた人物の嘘に気が付かず信用して重要な仕事を任せてしまっていたため、嘘に振り回されて従業員みんなにもビジネスパートナーにも迷惑がかかり会社として損失も出してしまいました。

うちの会社には妊婦もいれば主婦もいれば70歳のおばあちゃんもいます。

その人たちにも子供がいて、介護している家族がいて。

従業員とその家族の生活がかかっているし、従業員だけでなくビジネスパートナーやクライアントも多数います。

お店を利用してくれるお客様は毎月何百人といるし、フランチャイズや他の店舗も合わせると月間の来店数は1000人は超えていると思います。

規模がとてつもなくデカイわけでは無いですが、それでも僕がゼロから始めたことでそれだけの人のつながりが生まれるまでこれました。

それが無慈悲に壊されようとしたとき僕はとにかく守る立場にあるし、抵抗はします。

これまでもそうしてきました。

小学生の子供になんかあったら親は守ろうとするようなものだと思います。

しかしいい加減にもうそういうことにも疲れたというか、信じていた人に裏切られたことに対してもそうですが簡単に人を信じる自分自身に対しても不信感があるというか、簡単に言うとなんかもう僕は経営者には向いてないなと。

僕は発明家のような類で、何かを作ることはできても人をまとめるようなことだったり数字を意識して伸ばしていくことがとても苦手です。

思い思いのまま壁に絵でも描いている方が楽しくて、ビジネス的にそれがある程度売れるようなものにするまでは得意なのですが、その先が本当に無理。

人を見る目もなければ管理するなんてこともできない。

なぜなら他者を管理できるほど自分がちゃんとしていないからです。

今回のことにしても過去のことにしてもその自分のルーズさや、信用するがあまり甘い対応してしまっていたことが原因でもあるし、そこは大いに反省しています。

けど今の状況的に僕が一人で会社の全責任を負い全決定を行っているのでこのままではまた間違えるなという危機感をいよいよ持ちました。

それは前々から思っていたことだったけど、もうこのタイミングしかないかなと思って創業当初から長年付き添ってくれた従業員を取締役副社長にすることにしたのです。

それにより冒頭書いたようにこれまで作ってきた会社の資産、そして決定権を渡します。

いきなり大金をドーンとあげたと思うと驚くかもしれませんが、それはあくまで会社のお金。

増やすも減らすも経営者次第で、つまり今後の彼の一挙手一投足に影響されます。

一般的には株の保有者と社長と経営者はごっちゃになっていると思いますが、実際はそれぞれ別です。

株の保有者が会社の保有者。

社長は雇われオーナー。

経営者は経営を実行する人。

小さけければ株主=社長=経営者と兼任していることがほとんどですが、それを小さいながらもセパレートしていくことにしたのです。

僕は主には社長という立場であり、単なる最終責任者でありいろいろと決定をする人物です。

ただそれだけっちゃそれだけです。

経営の能力としては高くはないので、今後会社をよりよくしていくために僕にできない部分を副社長に補ってもらいたい。

それが従業員のためにもなるし、トラブルを防ぐことにもなるし、業績を伸ばしていくことになると確信しています。

彼に話したのは「何をしてもいい、最後は俺がなんとかする」ということでした。

僕はいわゆる保険のようなものです。

全部失敗しても最後に責任を取るのは僕です。

そこで頑張りきれなければ会社が潰れて、会社の借金の保証人になっている僕が借金を背負うというだけ。

そうならないようにしたいけど、まんがいそうなっても仕方がないと諦められるくらい信用しているので僕にはなんの不安もありません。

これまで経営者として至らぬところがありながらも6年会社を続けてきて、必死に作ってきた資産の半分を渡して、結果的に失敗してもいいと思えるほど信用して頼れる人物と関係を作ってこれたことは数々の失敗を帳消しにしてもいいくらい大きい僕自身の功績だと思っています。

それだけでも会社をやってきてよかったと思えるのです。

資産を増やすことや保持することに固執し、視野と可能性を狭めるくらいなら渡すべき人に渡して新しい道を切り開いていったほうがいい。

そこに僕も乗っかりたいと思っています。

きっかけは色々とありましたが、1番は「100万円自由に使っていいとしたらどうする?」という質問に対して「スタッフの給料を増やす」という答えを聞いたときこの人に任せたほうが上手くいくと確信しました。

僕なら新しいものを作るために投資してしまっていつか売れたら給料を増やそうと考えてしまうし、今までも大体そうしてきていましたが、彼はまず人に投資すると。

もちろん人への投資は僕もやってきた過去はあるけど、一発目にそれが出るのはすごいなと。

店舗の責任者として従業員のことをよく見てきたんだなと感じたのです。

社長になると【お客様】と【従業員】が見えずらくなってきます。

美容師現役の時は目の前でヘアカットをするなり話をするなりしている人がお客様であり、そしてお金を払ってくれてそれが売上だと認識できる。

でも社長になって現場に出なくなればお客様の顔は見えません。

数字として売上なりを見るだけで、お客様一人ひとりの存在を実感することは直接関わっていたときに比べて薄くなっていきます。

けどそのぶん従業員がそれを感じてくれている。

自分ひとりでやってるときはお客様の対応の中で困ったことがあっても自分のさじ加減でやってこれました。

会社の従業員として対応した場合、会社の方針にも従わなければならないので必ずしも自分の正解だとおもう言葉を出せなかったり、それゆえに悩んでしまうこともあると思います。

そう思うと現場で働くって大変なことなのです。

最初の数年こそ現場に出て一緒に働いていた従業員も、今はほとんど僕が店に行かないので話す機会もほとんどありません。

最近採用した二人のアルバイトに関してはほぼ話したこともなく僕のこともよく知らないはずです。

従業員と距離を近くする社長も世の中にはたくさんいますが、僕はそれでやってみてうまくいかないことに数年たって気が付きました。

僕自身のキャラによるものなのか熱苦しいのか、もし僕がサラリーマンの叩き上げで社長になっていたらまた違ったと思いますが、僕は従業員とは距離を取ったほうがうまくいくようなタイプなのです。

その代わり副社長が従業員とうまくコミュニケーションを取ってくれている。

社長としてお客様と従業員が見えない中でも、それでも一番にその存在は考えています。

考えることが社長の仕事だと思っていて、方向性を決め、秀逸なアイデアを出し、困ったときには責任者として頑張る。

そこまではこれまでも意識してやってきたけど、これからは任せることは任せられるようになったのでより注力していくとともに社長としてもう少し成長しなければならないなとも思っています。

一番の広報担当でなければならないし、たまに顔を出してお小遣いをくれる親戚のおっさんのように頑張ってくれている従業員にありがとうを伝えることをちゃんとしていかないとなと思っています。

そして、いずれは会社から僕はいなくなってもいいと思っています。

むしろそうしたい。

僕が作ったサービスと店舗が誰かの仕事と居場所にすでになっているし、その運営を僕が続けなくても続いていくことが理想です。

ワンマンで代替りがうまくいかずに終わってしまうお店や会社は世の中にたくさんあります。

僕だっていつ何があるかわからない。

明日プールで溺れて死ぬかもしれない。

“それでも存続していくように”人に任せ、歴史をつなげていきます。

そうすることで僕はまた新しいアイデアを形にすることができる。

寝ずに人の3倍くらい働いて作った会社とその資産を人にあげちゃうことはもったいないと思う人もいるかもしれませんが、資産なんかあってもなくても同じです。

資産も持つべき人が持てば2倍にも3倍にもなるかもしれませんが、僕が持ってても宝の持ち腐れ。

もしまた欲しければ作ればいい。

僕には経験という資産だけは残ります。

それは従業員には得られないもの。

苦労して創業したり、裏切られたり嫌なことも悲しいことも受け入れて継続してきたことは力になります。

その力は人を守る力となります。

力がなければ人は優しくもなれないのかもしれません。

不安や不満ばかりでは人を気づかう余裕もなくなるし、人ばかりではなく猫や自然を大切にすることもできなくなる。

副社長と話していることは、猫の保護活動は企業としてどうしてもやりたいねということで、近々それは形にしていきたいと思います。

それもこれも運営してた美容室の横で捨てられていた卑弥呼様と出会い、宮崎からやってきた高菜先生と暮らし、彼らもまた会社の一員としていてくれるからです。

持ちつ持たれつ、人はひとりで生きていけないからこそ猫にも頼るし頼られる。

人も自然も大切にできる企業として、7年目8年目と歴史を繋げていきたいと思います。

高菜大先生が顔になっている唐辛子もふるさと納税の返礼品にもなりました。

山梨県富士河口湖町の返礼品でぜひチョイスしてみてください。

そして高菜先生のツイッターも最近やってるので、ぜひフォローよろしくお願いします。

https://twitter.com/takanasensei?t=vIg-_FgcThubg5nGebWsJQ&s=09

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