こんにちは。
一昨日のことなんですが・・・。
なんかイキナリ巨大な箱が届いた。
「なんだ?」
と思い開けてみるとそこには。
ピンクの綺麗な花が・・・!
なんか枝とかキラキラしてるし・・・!!!
そりゃあもうダイナミックに飾らせてもらいました。
そして手紙も添えられていた・・・。
そのお花は、静岡市にすむユーキ君という旅人からの贈り物だった。
遡ること1年と5ヶ月ほど前のこと。
冬のトルコ、イスタンブールのある晴れた日のこと。
ガラタ橋の前のでっかいモスクがある広場で、僕のようにカットして旅をしていたニュージーランド人美容師のジェロームと一緒に青空美容室をやっていた。
そこでとある旅人と再会した。
それがユーキ君だった。
8月中旬にマレーシアの宿で出会った彼もまた、世界一周をしているところだった。
だからトルコで再会できたのもそんなに不思議なことでもなかったが、僕らは久しぶりの再会を喜んだ。
その時に彼の髪をカットしたんだ。
そしてこんな記事を書いた。
実は彼は花屋の息子。
子供の時からずっと店を手伝っているらしい。
だから彼はその技術でカット代を返したいと言ってくれた。
もちろん僕はオッケーした。
なぜならそういった価値の交換というものを、今後美容師としていろんな人と共にやっていきたいという思いがあったからだ。
きっと本来人間はそうあるべきだと思うから。
農家は魚を食べれない。
漁師は野菜を食べれない。
じゃあどうするか?ってなった時に、自分が作った大根を差し出すしかない。
その中で必ず生まれるコミュニケーションや人付き合いって言うものが現代社会ではすごくすごく薄くなっていると思う。
お金があれば何でも買えるが、人の気持ちは買えない。
それは髪を切れる僕らだって同じこと。
ただ髪が切れるだけの存在なのかもしれない。
髪が切れても、人の気持ちは変えられないかもしれない。
そんな現代社会が正直嫌だ。
嫌というか、自分の性にあってない気がする。
損得や金ではなくて、僕は人との繋がりの上で生きていきたい。
社会は変えることはできないが、周りの人や自分のライフスタイル、働き方は変えることができる。
もちろん生きるためにお金は必要だ。
だから髪を切ったら対価を頂いているが、彼のように技術で返してくれるというのであれば僕はそれでいいと思っている。
だってそこには一生切れないような信頼関係と絆ができるであろうから。
貯蓄よりも、その絆をたくさん作っていくほうが最終的には幸せな人生になるんだと僕は思う。
1年半前もそうだが、今もそう思ってる。
でも、1年半前は僕は世界一周の旅人だった。
家もなければ金もなかった。
だけど夢だけはあった。
そんな人の繋がりの上に成り立つような美容室を作ること。
そしてそんな人の繋がりをたくさん作ること。
本当に価値の交換を実現させること。
・・・だから僕は快くオッケーして、彼がくれた紙を大切にしまったんだ。
さいわい、盗難にも合うことなくその貴重品入れにいれた1枚の紙を持ち帰ることができた。
花が届いたその瞬間まで、ずっと財布に入れていた。
四角く折りたたんで、角とか折れ曲がって若干シワシワしてるそのただの紙が、花になった。
めちゃめちゃ綺麗な花になった。
すごく価値がある物をもらったと僕は思う。
1年半前に肌寒いイスタンブールでカットした事にどれほどの価値があったのか僕にはわからない。
だけど、僕が語った美容師としての夢を、彼は汲んでくれた。
そして叶えてくれた。
一体どんな思いで花を作ってくれたんだろう。
あの時自分の思いを話してよかった。
残ったのはただの口約束と、ただの紙切れだった。
でもそれが現実になった。
お互いブレずに自分の道を信じて進んだから。
健康で生きてることができたから。
花をもらって嬉しかったが、泣いた。
これからもこうやって多くの人と信頼関係と絆をつくっていきたい。
そのために、僕がそれだけの価値がある人間だと思ってもらわないといけない。
今日の自分の姿と行いが、いくらでも未来を変える。
今日会う人に、数年後泣かされるかもしれない。
だから今日も1日頑張ろうと思う。
ユーキ君に心からありがとう。
静岡県静岡市葵区瀬名中央4丁目1-14
フローリスト花便
こちらの花屋に行きたいがなかなか行けない・・・
静岡市にお住まいの人は僕の代わりにぜひ遊びに行ってみてください。
きっと素敵な花屋のはず。
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