美容師の年収と給料の話。この生きづらい現実から目を背けるのは、そろそろやめませんか?

今日は美容師の給料について書いていこうと思います。

美容師の人も、そうでない人も、ぜひ下までお読みください。

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僕はずっと前から思っていたことがありました。

「なんで美容師って給料が低いんだろう?」

って。

正直数年間は「こんなもんだろう」と思ってたし、学生の時から安いと言われていたので、美容師をはじめてもいろんな意味で“予想通り”でありました。

それが当たり前だと思っていました。

でも、海外に出ていろんな国の美容師、またはいろんな国で働いてる日本人美容師と会い、そして帰国して独立開業してみたらそれを疑問に思うようになりました。

保育士だとかもそうだけど、国家資格をわざわざ取得してやっと働ける仕事なのになぜ?と疑問に思ったことありませんか?

はっきり言って他の業界のことはよくわかりません。

僕は美容師なので。

だから美容師の事しか書けませんが「なぜ給料が低いのか?」そのカラクリと改善方法を僕なりに考えました。

こういう業界に対するネガティブな事をわざわざ書いて広めるのも良くないことかも知れません。

中には例外的に稼いでる人もいますからね。

だけどあくまでこれはアベレージということで読んでもらえたらと思います。

そして多くの人に現実を知ってもらい、動きだしてもらいたいし、業界が変わればいいと思ってます。

だから何か感じるものがあったり発見があったら拡散してほしいです。

昨日のこと。

ふと思い立ってツイッターのアンケート機能を駆使してこんな事を質問してみました。

固定給+歩合の給与体系の美容師の皆様に質問です。
歩合率は何%ですか?

“50万円〜100万円売上で何%”か教えてください。よろしくお願いします。

[10%以下] [11%〜15%] [16%〜20%] [21%以上]

 

現代の日本の雇用されてる美容師の給与体系のおそらく8割9割は「固定給+歩合○○%」だと思います。(僕の感覚ですが…)

他には完全歩合、完全固定、時給があると思いますが、完全歩合は個人事業主や個人店オーナーなどが該当し、完全固定はおそらくほぼ存在せず、時給はバイトや派遣という形態になるので雇用ということになるとほぼ「固定給+歩合」で間違いないと思われます。

正直パーセンテージは固定の額にもよりますが、固定給は15万と想定しています。

僕の経験上、結構妥当な数字だと思います。

(ちなみに前働いてた会社は135000円)

つまり固定給15万+歩合(売上の何%?)をもらっていますか?という質問です。

あなたはどれだと思いますか?

僕は10%以下と予想して投稿しました。

投稿してすぐにいろんな方からの反応が。

airの木村さん

なんと3%の方も

こちらは5%

稀に見る完全固定と完全歩合を選べる会社も

海外で働く美容師からの反応も

と、みなさんいろいろと思うところがあるようですが、結果を見れば黙ってしまうとおもいます。

これが残念な現実です。

なんと10%以下が過半数。

20%以下でみると79% という驚異的な数字が。
つまり美容師の5分の4は売上の9割近くがどっかいっちゃってるにもかかわらず黙々と働いているのです。

どう考えてもおかしいパーセンテージにもかかわらず、なぜ黙々と働くのか。

冷静に考えてみてください。

そのお金はどこに行ってるんですか?

答えられますか?

答えられないのであれば、それはヤバイです。

超ヤバイ状態です。

お金と時間をかけて習得した技術で、大切なお客様から頂いたお金の行方がわからないなんておかしくないですか?

以前の僕は超ヤバイ状態でした。

僕はそれを知らなかったし、疑問にも思いませんでしたからね(笑)




日本の美容師のカット平均価格は約3500円です。

もちろんそれよりも高い店も安い店もいろいろだと思います。

仮に4500円だとしても20パーOFFしたら3600円なのでまあそのくらいですよね。

それで歩合が10%しかつかないということは1時間1人のお客様を担当して報酬は350円です。

高いお金払って学校行って、国家資格とって、たくさん練習して、金払ってセミナー行って、高いハサミ買って、時間を使って、気も使って、お茶も出して、高いシャンプー買って、シャンプー気持ちよくして、カットも可愛くして、ドライヤーも良いやつ使って、肩もマッサージして、コテで巻くスタイリングも頑張って、オマケにアメまであげちゃって、さらにDMまで送って、ブログまで書いて、インスタにもヘアアレンジの写真アップして・・・。

それを全力でやっても、あなたの報酬はたったの350円なんです。

1人カットしただけじゃ定食も食えません。

固定給をプラスしても居酒屋でバイトしたほうが時給いいんです。

というか都会のコンビニ以下。

もしもこの世が、仕事の価値が、人の価値が、時給で判断されるなんて時代が来たら(まあ来ないけど)国家資格を持ってる僕ら美容師はファミマでファミチキ売ってる高校生のバイト以下って事になります。

悔しいのは僕だけじゃないはずです。

年収のまとめサイトをみてみると・・・

美容師の平均年収は284万円 です。

美容師の平均年齢30歳なので、30歳で月収23万6600円ということになりす。

それより低い人がいるのも、高い人がいるのもわかってます。

あくまで平均の話です。

その23万円から家賃、交通費、食費、携帯代、光熱費、税金、保険、年金・・・一体いくら残るんでしょうか。

ちなみに調べたところ、22歳新入社員の平均年収は266万円+ボーナスでした。

30代前半の平均年収は384万円でした。

30歳までがんばって働いても大卒新入社員とほぼ同じで、同世代とは100万円も差がつくということです。

そして・・・。

国家資格の仕事の年収ランキングを調べてみると美容師はなんと28位

29位は理容師、30位は調理師の見習いなので事実上国家資格をもつ仕事の中でビリです。

これが現実です。

知らない人もいたかもしれません。

でも「平均年収とか知ってるよ」って人は意外といるのかもしれません。

その殆どの人が「美容師はそれが当たり前」と思い込んでる人だと思います。

だけど、真面目に考えてみませんか?

そう思ってこの記事を書いています。

僕は海外を旅して、いろんな国の美容師と話して来ました。

カット50円のところもありましたし、20000円のところもありました。

もちろん物価によって値段は変わります。

物価は違うんだけど、それぞれの国々で美容師がやってる事は同じか?と言われると髪切ってんのは同じだけどちょっと日本とは違いました。

安かろう悪かろうじゃないですが、安いところはそれなりです。

美容師も値段が高ければちゃんとしてるし、安ければちゃんとしてないんです。

だからお客さんはそれをふまえて店を選んでいます。

インドの路上で石の上に座って髪を切ると50円。

ボリビアのおばちゃんが文房具のハサミで切ると170円。

ロンドン郊外にある手作りの小さいけど洒落たサロンは8000円。

ニューヨークのマンハッタンにある一流美容室は20000円。

それぞれがそれぞれのサービス、技術力を、価値を自国の物価に合わせた数字にして提示しているんです。

お客さんはそれを選んでいるんです。

だから安くてカットが下手でもいいんです。

そういうもんだって思えるから。

逆に高いんだったらちゃんとやってないと怒られます。

日本はどうですか?

こういっちゃアレだけど、青山表参道の有名な高級サロンと、そこら中に増えまくってる安売りサロンでやってる事は違いますか?

同じですよ。

高いお金払って学校行って、国家資格とって、たくさん練習して、金払ってセミナー行って、高いハサミ買って、時間を使って、気も使って、お茶も出して、高いシャンプー買って、シャンプー気持ちよくして、カットも可愛くして、ドライヤーも良いやつ使って、肩もマッサージして、コテで巻くスタイリングも頑張って、オマケにアメまであげちゃって、さらにDMまで送って、ブログまで書いて、インスタにもヘアアレンジの写真アップして・・・。

安くても高くても提供しているサービス、技術力、価値は一緒です。

1000円カットだったら来た人をいきなり席に座らせてブーンとバリカンで坊主にするとか、10分でパパッとカットして帰らすとか、そのくらいでいいですよね。

だからそれと同じように2500円とかで安くやるのであればシャンプーとカットだけして、ドライは家でやってくださいコテとかワックスとかありません・・・とかでいいんじゃないかと。

高級店のようにいろいろ提供するんであれば同じくらい値段高くして然るべだと思います。

日本ではカットの料金は提供するサービスやその人の技術力ではなく、主に家賃によって変動します。

場所代が高いから高くするって、よーく考えるとそんな馬鹿げた話ないですよね。

青山表参道でやってる美容師が田舎に行ったらカット料金下がるんですか?っていうことです。

もっと言うと、15年髪切ってるベテランと新人が値段一緒とか意味がわかりません。

家賃では変動するのにキャリアでは変動しないんですか?

美容師業界なんてちょっと外から見てみるとホント意味わかんないことばっかです。

なんかうるさいことゴチャゴチャ書いてしまいましたが、この現状の改善方法を考えたやつをまとめます。




 

《美容師の給料をあげるにはどうしたらいいか?》

答えは2つです。

たった2つ変えれば、給料上がります。

 

・ひとつ目 “完全歩合制にすること”

・ふたつ目 “値下げを辞めること”

 

です。

まず《ひとつ目の完全歩合制にすること》について説明します。

ツイッターのアンケートの統計を見ると歩合21%(売上の21%以上返ってくる)が約20%。

なかには歩合30%をこえる美容室もあるそうです。

たぶん20%以上なら普通にシステムとして成り立ってるし「頑張った分だけ年収が上がる」と十分言えると思います。

そういう恵まれた環境がある会社で雇用されてる人がなんと5人に1人なんです。

たったそれだけです。

15万くらいの固定給+10%くらいの歩合なんてのは「いくらがんばっても年収がちっとも増えない」クソみたいなシステムです。

言い方悪いですけど、10%以下とかだとはっきり言ってクソッタレです。

100万円売り上げてたった10万円、200万も売り上げてたった20万しか報酬がないなんてジャイアンでもそんなひどい事しないですよ。

あと90万円は?あと180万円は?

どこにいったんですか?

その行き先も知らない。

1人カットして350円しかもらえない。

だからどんどんお客さんは増やさなきゃいけない。

だから昼飯食う時間も与えられない。

そんなわけわからないシステムやめちゃえと思いませんか?

終わりにしちゃえばいいんですよ。

利益というものは売上−経費のイコールです。

売上3500円−経費3150円(売上−90%)なんて絶対にあり得ません。

経費なんて家賃も光熱費も全部ひっくるめてせいぜい半分の50%くらいです。

うまくやれば経費なんかもっと下がるし、売上が上がればもっとバック率は良くなります。

半分だとしてもカット3500円なら時給1750円です。

高校生のコンビニバイトが時給1750円稼げますか?、

無理です。

これが美容師のホントの価値です。

国家資格もってる僕らの力です。

あなたの能力に対するお客様からの報酬です。

月に100万売り上げたら給料50万です。

毎月15万くらい貯金したら1年でも180万貯まります。

それだけあったら贅沢もできる、親孝行もできる、見栄もはれる。

だけどそうじゃない。

それだけあったら時間ができます。

今まで通り23万の給料でいいやって人は1日あたり5時間半働けばオッケーです。

もしくは1日8時間みっちり働いて、16日間でオッケーです。

時給1750円×5.5時間×24日=23万

時給1750×8時間×16日=23万

正直美容師は計算ではないし、お客さん商売なのでこうもうまく行くことはありませんが、完全歩合で働くのであればこれが現実になります。

昼飯だって食えるし、日曜のサザエさんだって見れるんです。

今書いた例は日本のカット平均価格を元に計算してます。

じゃあカットが5000円だったら?

6000円だったら?

・・・ということです。

もちろんお客さん来なければ売上はあがらず、経費ばっかりかかって給料5万円なんて事もありえますけどね(笑)

だけど、完全歩合制ならば給料はあがる可能性が大いにあるというのはわかってもらえたと思います。

だから固定+少額の歩合なんてやるべきじゃないんです。

アメリカ、イギリス、シンガポール・・・先進国でもカットが安いインドでもどこでも成果報酬です。

やればやっただけ報酬がもらえます。

サボればもらえません。

やるだけやってもらえないのは世界で日本だけでしょう。

だったらいっその事サボってある程度もらったほうがよくね?と僕は思います。

ただひとつだけ・・・僕も美容室経営をしてるから、そうするオーナーさんの気持ちはすごくすごくわかりますし、決してオーナーさんが悪いわけじゃないんです。

昔はその給料システムでまだ良かったと思います。

だって美容室が今より少なかったから。

1店あたりの客数が違ったと思います。

だから売上は今よりあったはずですし、全体の物価も今より安かったはずなので、それでも良かったはず。

でももう時代が違う。

美容室ありすぎますもん。

時代とともに変えてかないと。

集客したってお客さんはこない、だけど家賃とかの固定費は払わないといけない・・・。

売上があがらないのなら経費を下げて利益を出すしかない。

削れるのは人件費しかありません。

だから昼飯も食えずにトイレも行けずにぶっ倒れるまで働かされて給料10万とかわけわかんないアシスタントの子がたくさんいるんです。

それで人が辞めていくから求人に困る。

不のループが完成してしまってます。

だからそんな時代錯誤の給料システムなんて今すぐにでもやめるべきだと僕は思います。

《ふたつ目の値下げをやめることについて》

売上の90%はどこに行ってるか?

大部分は人件費です。

そして広告費です。

広告費にかけるお金が多すぎなんです。

今、多くの美容室は高いお金を払って

[新規20%OFF!][次回予約で20%OFF!][友達紹介で20%OFF!][キャンペーンで20%OFF!]

と言っています。

もう新規じゃない顧客までも割引するようになりました。

世の中そんな広告だらけになりました。

20%OFFだったら100万売り上げたら20万消えてくことになりますよね。

それで広告費20万円払ったら毎月40万の損失です。

40万あったらもっと給料もらえます。

40万あったらもっと高いお茶をお客様に出せます。

簡単な話です。

「お客さん来ないなら値下げしよう・・・」これがすべての始まりです。

1回値下げをしたら次に通常価格に戻すことは実質的な値上げを意味します。

そしたらもう来てくれないじゃないですか。

お客さんは去っていき、40万も消えていくってよく考えたら超損してませんか?

去っていくからまた集客のために金を使う。

無限ループです。

美容師はリクルートのために働いてるんですか?

チラシやさんのために働いてるんですか?

いろんな大人に怒られてもいいから声を大にして言いたい。

大人の事情なんか関係ない。


もう値下げなんかやめましょう。

日々トレーニングをつみ、新しい物を取り入れ成長してる僕らはむしろ値上げしていくべきなんです。

だってやり続けてれば不器用だって上手くなるはずです。

安かろう悪かろうでも最初はいいですよ。

でもいいサービス、技術力、価値を提供しているのであれば値上げしてくべきなんです。

って言っても「はいそーですか」とはなかなかならないし、値上げは心苦しい。

だから値上げは無理でも、まずは値下げをやめましょうよ。

そして多くの美容室は、莫大な広告費をわざわざ払って一般人の脳に「美容室は安い」「常に新規でいれば割引を受けられる」とすり込んでいるんです。

お客さんを洗脳してるんです。

そんなもん単価があがる訳ありません。

「誰がカットに10000円なんか払うかボケ」と言われて終わりです。

だから、みんなで安売りをやめて、ちょっとずつちょっとずつその思い込みをやめさせたらいいんじゃないかなと思います。

「美容室が増えすぎてるからしかたない」

確かにそうです。

でも増えまくった美容室のなかで1000円カットがどれほどカウントされていますか?

美容業界が犯した最大のミスは1000円カットに対抗したことです。

10分しかかけず、シャンプーもしない、飲み物もない1000円カットになぜ対抗して安売りしてしまったのか?

1000円カットは安いだけあってそれなりのサービスしか受けれない。 (1000円カットを悪く言ってるわけじゃないですよ…)

だけどお客さんはそれを選んでいるんだからバランスがとれてる。

美容室は別です。

60分かけていいサービスを提供しているんだから1000円カットを意識すること自体間違ってる。

ラーメン屋さんがカップラーメンに対抗して値下げをしますか?っていう話です。

だから値下げをやめるべきです。




・・・言いたいこと一方的に書き捲りました。

なんかムカついたらすいません。

でも間違ってるとは僕は思ってないから、こうして自分のブログに思いを書いてます。

もし僕が今総理大臣にでもなったら、全国一斉に1000円くらいカット料金あげてやります。

小麦粉だってタバコだって税金だって上がったらみんなブーブー言うけどいつしかそれが当たり前になるじゃないですか。

美容室だってそうすればいい。

物価の割にカット料金が安いのは世界で日本のだけです。

同じような経済大国はみんなもっと高いです。

なぜそれが日本ではできないのか・・・

その理由は美容師がそれを知らないからです。

知ってても変わろうとしないからです。

給料システムと値下げを変えれば業界は変わります。

今って生きづらくないですか?

まず僕らが幸せになりましょうよ。

僕らは貧乏なんかでいちゃいけないんですよ。

そんだけみんな必死にやって、努力して、勉強して、いい技術とサービスを提供してるんだから。

とても長くなりましたが、これで終わります。

読んでくれてありがとうございました。

この長ったらしい記事を書くのに4時間かかりました。

それくらい、考えて書きました。

だけど読みづらかったり、不備があったらすいません。

この記事で一人でも幸せといえる美容師が増えますように。

誰かの背中を押せますように。

目を背けるのは、もうやめましょう。

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※追記 こういった現状を打破するために美容師コミュニティを作り、現在300名をこえる美容師が働き方を変えるため、生活をより良くするために活動しています。コミュニティの中では値下げや安売りをしなくても収入を大幅に増やすことに成功した例が多数できました。やり方を少し変えれば状況は変えられます。

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