友達の死...『人生一度きり。36歳の挑戦状』

知らない人もいるかと思うのでここに書きます。

正直書いてる今、すごく悩んでます。

友達の事を大勢の目にさらしても良いものかと。

でも僕に出来る事ってなんだろうって考えたらやっぱりこれだったので書くことにします。

みんなに知らせます。

テルさんと出会ったみんなの目に止まりますように。

彼のフェイスブックは僕のところから探せますのでコメントしてあげてください。

家族も喜ぶと思います。

それから世界を旅してる人はこれ見て是非親や兄弟、友達に連絡してあげてください。

いつなにがあるかわからないから。

朝起きてフェイスブックをみたら友達がこんな投稿をしてました。

『私は彼の姉です。彼は6 月25日にエジプトのダハブで亡くなりました』

と。

酔っ払ってふざけて投稿してんだろどうせ...とにわかに信じられず、でも不安だったので確認するために当時エジプトのダハブにいた人を探しました。

フェイスブックでシェアしてくれた方、リツイートしてくれた方たちのおかげですぐに3人ほど見つかり、事情を聞くことができました。

僕が確かめた情報は当時同じ宿にいた人からのものなので間違いないはずです。

彼は前日宿でいつものように寝たみたいなんですが、寝てる間に心臓がおかしなことになり、そのまま死んでしまったそうです。

あとは朝発見されて警察がやってきて...ということだそうです。

原因は心不全というもので、体中に十分な血を送り出すことができなくなってしまったということらしい。

その日一緒だったという人からメッセージをもらったのですが、前日旅人達と楽しんで、朝には穏やかな顔をしてました。

ということでした。

僕は彼とはチリのサンティアゴで出会いました。

彼との初対面の印象は正直悪かった。

なんだこの酒癖の悪いオッサンはってちょっとイラッとしたのを覚えてる。

その日から、僕は彼と同じ部屋で1ヶ月一緒にすごした。

たくさん料理も作ってくれた。

たくさん一緒にワインも飲んだ。

人生について二人で語った。

仕事について二人で語った。

酒癖悪すぎてたまにムカついたりもした。

でも...僕はそんなテルさんが大好きだった。

気前のいいテルさん。

若々しいテルさん。

料理大好きなテルさん。

優しいテルさん。

酒癖の悪いテルさん。

関西人なのに話の下手なテルさん。

いろんな人の中にはきっといろんなテルさんがいると思う。

もちろん僕の中にも...。

そんな彼がいなくなったとはなんだかやっぱり信じられない。

『人生一度きり!36歳の挑戦状』と題した全然更新されない彼のブログにあるように、きっと彼にとって世界一周の旅は挑戦だったんだと思う。

日本ではいろいろ大変なことがあったらしい。

それでも彼は世界へ出た。

ものすごく不器用な彼にとって旅をすることさえきっと大変だったと思う。

でも、世界一周が夢だったと僕に語った彼は本当にいい笑顔だった。

きっと楽しかったんだよね。

こんな結末で終わってしまった彼の挑戦。

でもきっと良かったんだと思う。

良かったんだと思いたい。

一度きりの人生。

その中でいろんな喜びや後悔がある。

いいことも嫌なことも。

テルさんも嫌なことも後悔したことも山のようにあっただろう。

でもそれで良かったんだと思いたい。

いろんなものを捨ててでも、どれだけの猶予があるかわからないその一度きりのチャンスにいろんなものを見聞しようとしたテルさんの勇気を僕はリスペクトしたい。

同じ日本人として、同じ旅人として、友達として。

あの日。

テルさんと出会って1ヶ月がたったあの日。

僕が先に宿を出た。

まるで宿の住人のようになってた僕ら二人だったが、テルさんとの別れはべつに悲しくなかった。

また会うはずだったから。

長い時間をともに過ごした彼が最後に見送ってくれた時にがっちり握手して、僕はこう言った。

『テルさん酔っぱらい過ぎて車に轢かれて死なないでよ』

『次も世界のどっかで酒飲みましょう!またね!』

ふざけて言ったそんなセリフに彼は笑ってた。

残念な事に僕が言ったことは現実となり、僕が望んだことは二度と叶うことがなくなってしまった。

彼の言った通り人生は一度きり。

本当にそう。

歩きだしたら人は立ち止まれない。

前に進むしかない。

ゆっくりでも。

いつか止まらなければいけない時がくるまで。

人はいつか死ぬ。

そんなことはわかってる。

でも人の死なんていつも悲しい。

...本当に残念だテルさん。

明日には灰になっちゃうのか。

テルさんの分まで生きますなんて、ありきたりなセリフは俺は言わない。

日本に帰ったら白ワインもって京都に遊びに行くよ。

出会ってくれてありがとう。

またね。

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...またね。

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