6/9,6/10の2日間東京で行われた大きい公演trueactにヘアメイクとしてお手伝いに行ってまいりました。
世界的に活躍する様々なパフォーマーが一挙集結し、様々なジャンルのパフォーマンスを見せてくれました。
僕はそのショーの主催者である謳歌さんがお客さんで店に来てくれてるというご縁で舞台裏へ…。
そんな大舞台でヘアメイクさせてもらえるだけでもラッキー!とか最初は思っていましたが、実際に公演もみさせてもらえたし、出演者の方々ともお話できてすんごく為になった2日間でラッキーどころの話ではありませんでした。
まだこの感動がアツいうちに、感じたことを感じたまま書かせてもらおうと思います。
人生初めてのヘアメイク
美容師関係の仕事じゃない人には意外かもしれませんが、美容室で普段働いていると舞台、公演、テレビなどのヘアメイクはすることが基本ありません。
そういう場合はヘアメイクの事務所からヘアメイク専門の方が派遣されたりするので、僕は人生初でした。
内容としてはヘアメイクがメインで、暇だったらスタッフのお手伝い…的な感じの立場で参加させてもらったのですが、スタッフさんはスタッフさんでたくさんいたので会場のお手伝いはほとんどありませんでした。
ヘアメイクも決まった時間に行ってたわけではないので、出演者の方々のタイミングを伺いながらって感じで、結構出演者の方々と話す時間もあったのはビックリでした。
trueactは主催者である謳歌さんが厳選した日本、海外のヤバイパフォーマーを呼び寄せて行う公演と聞いていたのですが、楽屋に行ってみると結構和気あいあいな雰囲気だったので結構気が楽でした。
みんな普通に良い人でしたし、リラックスしてワイワイとしてたので、なんか『どんな感じでショーやるんだろう?』ってその時はあまりイメージが湧きませんでした。
しかし実際に客席からショーを見させてもらって、正直震えました。
楽しくない人生なんて人生じゃない
最初に言いますが…
見てない人に、言葉で伝えるのは無理です。
あれは見ないとわかりません。
でも、がんばって書いてみます。
ショーは謳歌さんのパフォーマンスから始まり、その後1公演で8組のパフォーマーさんが出演していました。
2日に分け、計3公演を行っていました。
とにかく最初っから手に汗握るというか、息をするのも忘れるというか、なんかそういう表現しか思いつかないようなすごい演技の数々でした。
ブレイクダンス、ジャグリング、マジック、ヨーヨー…
どれを見ても瞬きするのがもったいないレベルのクオリティでただ単純に一人ひとりを見ていても本当にすごかったのですが、個人的に良かったなーと思ったのが演出でした。
ショーの後半からは、俳優さんと女優さんも入り、舞台のような感じでショーが進んでいきました。
就職が全く決まらず焦ってしまい、笑うこともなく悲観しているある男性に『もっと笑おう』『楽しくない人生なんて人生じゃない』と面接を受けにいた会社で働く女性が語りかけ、要所要所でショーが始まります。
観客と一体感を生むような演出とショーで、客席も盛り上がったり驚いたり笑ったり泣いたり…
全体を通して今の日本社会に対するメッセージ性がとても強くて『楽しいと思うことをもっとしよう』『なにを焦って生き急いでるの?』『そんなに無理しなくていい』というのをすごく感じましたし、観客の人もみんなそう感じていたと思います。
正直、パフォーマンスをみて『スゴイ』と思ったことは今までもありましたが、その体を通して発するメッセージを感じで泣いたのは初めてでした。
本当に不思議ですが、自然と涙がでました。
夢みることさえしなければあとは絶望しかない!
公演の終盤のこと。
『就職が決まらなくて笑えない状況だってある!』『夢なんか見てる場合じゃない!』
そう絶望してる男性に対して
『夢は確かに叶わないことだってある』『だけど夢をみることさえしなくなったらあとは絶望しかない!』
女性がそう言っていました。
確かにそう。
夢なんて馬鹿馬鹿しいと思うこともあるかもしれないし、頑張ったって叶わないこともあるかもしれない。
だけど、だからといってそもそも夢をみることさえしなくなったら何もない。
何も始まらないし、何も残らない。
それでも楽しければいいけど、もし焦って悩んで笑えなくて楽しくない瞬間だったらそこには絶望しかない。
本当に大切なメッセージだと思いました。
楽屋でしょぎょーむじょーブラザーズというブレイクダンスとかされる方と話していたときのこと…こんなお話を聞きました。
学生のときからダンスにハマって活動していたものの、卒業後普通に就職。
社会人1年目の時に世界大会に出て4位の成績をおさめたそうなのですが、その結果が悔しくて退職して本気でダンスをすることにしたそうです。
その結果リベンジを果たし、現在はプロのパフォーマーとして活躍していると…。
サラッと話していましたが結構とんでもないことです。
でももしそのまま夢を諦めていたらこういった大舞台に立つこともなかったはずです。
決して就職するなとか、会社勤めがダメだとかそんな安っぽい話ではありません。
もし夢があるなら、もしその夢を追うことが楽しいのなら…
もし夢を諦めて社会に馴染むことが辛いのなら…
本気でやったほうがいい。
絶対に。
そんな強いメッセージを突きつけられた1日でした。
たった数分の舞台に全てを、文字通り人生をかける人たちの生き様。
それはたった一言『すごい』で終われるほど簡単なものでもありません。
そのわずかな時間を楽しみに来てくれてる人たちのために日々努力をかさね、研究し、そして本番にすべてぶつける。
想像を絶するプレッシャーの中、それを成功させる。
誰かに強要されて嫌々やってるような人なんて一人もいませんでした。
みんな好きだからやってる。
楽屋という裏側でヘアメイクというものを通してそれをすごく感じました。
美容師とは全く接点もないお仕事ですが、学ぶことが本当に本当にたくさんありました。
どんな仕事でも辛いことってあると思います。
生活のために働かなきゃいけなくて、嫌でも辞めれないこともあると思います。
それで悩むことも死にたくなるくらい思いつめることもあると思います。
でもそんなときに、もしもこんなショーを目にすることができたら…
一体どれほどの人が救われるのだろう。
もっとみんなが純粋に幸せを追い求める生き方をしたら、日本はもっともっと豊かになると思った。
『夢をみることさえしなくなったらあとは絶望しかない』
『楽しくない人生なんて人生じゃない』