こんなにロングテールでバズってるのは初めてです。
8/5に書いたこちらの記事がはてブに載ったりNEWSPICSに載ったりで、8/12現在もまだシェアされ続けています。
過去最大級にバズった時は1日のPV数が13倍とかになったけど、今回はそこまで多くないもののゆるく長く…という感じで。
フェイスブックなどでもシェアされてますが、付けられたコメントを見てる限り多くの方が共感してくれたようです。
その中でとても気になることがあったので、追記のような感じで書いてみようと思います。
長いけどまずはこちらお読みください。
日本が貧しくて萎える 。先進国から「安い国」と言われるこの国の未来は…。ミスド大行列に思うこと。
タダ飯乞食wwwと人をあざ笑うあなたへ
ディスってる人だけじゃなくても同じこと思った人には是非読んでもらいたい。
まずね…
「あんなのに並ぶならバイトしたほうがマシww」
「時給300円のドーナツとかww」
「乞食w」
「あんな奴らがいるから日本が貧しいんだ…」
って言うコメントがまあまああったんですよね。
フェイスブックの検索ボタン押して「日本が貧しくて萎える」と入れるといろんな人のシェアしてくれたものが見れます。
誰かがシェアしてくれた記事に付けられたコメントなんで、僕の友達とかではないんでよくわかりませんが、ミスド無料配布とか吉野家無料配布とかに並んでる人を批判するってのが的ハズレすぎてて泣けてきます。
違うんですよ。
そうじゃないんですよまじで。
そんな事が言いたかったんじゃない。
あの記事を世に送り出した張本人だから言わせてもらいますけど、あの記事読んで「乞食やべえwwあんなのに並ぶとかマジびんぼーww」とか言ってる人がたぶん一番ヤバイ。
もう着眼点というか、論点というか、そういうのがズレ過ぎててビックリします。
文章で伝えるのは確かに難しいことです。
間違って伝わったものもあるかもしれません。
でも労働に対して「それはないでしょ」「このまま安売り続けると日本やばくね?」って書いたのにその意味がわかってなくて、並んでる人をディスってるわけですから。
並んでる人が悪いの?
違うでしょ?
並んで何貰おうがその人の勝手です。
何時間だろうがその人の勝手です。
「暇だったから」で十分な理由になります。
家でゴロゴロして1時間過ごすより、行列に1時間並んでドーナツ2個もらったほうがむしろ良くない!?っていう。
いや、僕ももらえるなら並びますよ。
1時間だったら並ばないけど、5分なら並ぶ。
むしろディスってる人は待ち時間なくても貰いにいかないの?
行くでしょ!?
1時間並ぶことが嫌だとしても今1番興味があるモノが1時間並べば無料で貰えるとしたら行くでしょ!?
なんかスーパーの試食や特売と一緒ですよ。
美容室の新規割引と一緒ですよ。
そういう特典あったら受けませんか?
受けるでしょ絶対に。
だから「無料配布にあんな行列作ってクズだww」とか言ってる人は、それ自分に対して言ってるようなものですからね。
【日本貧しい=無料配布に並んでる人が多い】
じゃないですよ完全に。
下げたものは上げられない
あの記事で言いたかったことを要約するとこんな感じです。
- 企業がサービスを無料提供してた。短期間といえどそこで働いてる人が過酷
- 値段が安くても(無料でも)消費者はサービスの質の高さをもとめる
- 日本の最低賃金は先進国最低。労働者は質のいいサービスを安い賃金で提供しなくてはならない。
- AIが発達して仕事をとられる人が増える。
- 少子高齢化社会で人口が減り労働者が減る。なので高齢でも働かなければならない。
- このまま安売りを続けてたら価値も生産性もあがらず、当然給料もあがらないからそんな時代になった時にやばい。
- 貧しくなる日本を回避するためには一人ひとりが気づき行動を今から起こさなければならない。
ざっくりですが…。
並んでる人が悪いと言いたいわけではなくて、サービスを提供する人が安売りを続けていると価値も上がっていかないし、生産性もどんどん悪くなるし、収入は上がっていかないし、過労で人は疲れていくし、まさに消耗するだけになって未来的にヤバすぎると言いたいわけです。
なぜ安売りがダメで、安売りすることで価値がどんどん下がっていくかというと、人々の心の中にあるお金のモノサシの目盛りがどんどん下がっていくからです。
お金のモノサシとは、サービスやモノに対しての価格が高いか安いかの判断基準のことです。
僕は美容師なので、美容室で例えます。
お客さん一人一人が払う美容室一回の金額は平均すると5000〜10000が1番多いそうですが、近年どんどん一回の平均金額5000円以下のサロンが増えてきてます。
単価の安いサロンが高いサロンと同じように良い(普通の)サービスをしていたら、消費者は間違いなくそちらに流れます。
そういう安くて良いサービスがこの世の中に増えれば増えるだけ相場がバラバラになってしまい、人々のお金のモノサシもバラバラになっていき、かつては当たり前に払っていた5000円〜10000円を払うことを「高い」と感じる人が増えてくるということです。
高いと感じるものにお金は払いたくないわけで、そうすると安いサロンはもっと増えます。
安いサロンがもっと増えたらもっと多くの消費者がそれを当たり前だと思うようになります。
いつか労働者が減り、時間に対しての生産と効率を上げる必要が出てきた時に「単価上げないとやばい…ツライ…」って業界全体で下がったものを上げようとしてももう手遅れかもしれません。
一度下がった金額に対して、少しの値上げでも人は去っていきます。
同じような例はいくらでもあり、過去の牛丼安売り戦争なんかはいい例だと思います。
生き残るのは単価5000円以下のサロンか、高くて特別な価値があるサロン(または個人)が主になってきて、「高いけど特別な価値がない状態」であれば必然的に収入は減り、生産性も落ちます。
これはすべてのサービスに対して同じことがいえます。
マッサージ、飲食なんでもそうです。
その状態で収入をあげようとすると必然的に働きまくるしかなく、そんなのツライだろ…と。
そして貧しくなれば買い物もしなくなり、サービスにお金も払わなくなり、ものが流通しなくなり、どんどん全体的に貧しくなる循環が出来上がってしまいます。
逆にサービスの価値がどんどん上がっていけば逆の循環がうまれます。
一度下がったものは上げられない。
サービス向上!とかよく言われてますが、サービスがよくなって価格が比例しないというのはもうなんか働いてる人からしたら罰ゲームレベルです。
安くするならサービスの質も下げるべきです。
サービスの質を上げるなら高くするべきです。
過剰サービスでいい事なんか1つもなく、その結果がブラック企業とか過労とかってものなのだと思います。
結局この国を良くするにはまずサービス提供側の意識の変化が1番。
安さは優しさではない。
安かろう悪かろうでも別にいいのに…と僕は思います。
ほんと労働者がもっと働きやすい環境になればいいなと思います。
なんか「共感した」との反響がすごかったのと、「あいつら乞食すぎてやべえw」とか言ってる人も結構いたので追記を書いてみました。