夢は簡単に諦められるからこそ諦めない

中学生の時初めてギターに触った。

友達の兄がギターを弾いていて、めちゃめちゃかっこよくて、どういったかわからないけどアコースティックギターと19というバンドの楽譜を借りて帰った。

その日から始まったギターだらけの日々。

毎日毎日触って、めちゃめちゃ下手で腹が立って、動かない指にマジギレしたりしながらようやく弾けたのがテツandトモのなんでだろ~というあれだった。

AmとEを行ったり来たりするあれは初心者には超ハードルが高くて、あのジャッジャッジャッジャッジャジャというリズムとスピードで弾けたときは感動した。

それからエレキを始め、バンドを組み、とにかく毎日ギターを練習し続けた。

数年は弦で擦れて常に指紋がなくなっていたくらい。

美容師より練習してたかもしれない笑

高校2年生のときの僕の夢は【美容師】or【バンドマン】だった。

進路の紙みたいなのに記入したときに第一希望、第二希望、第三希望とあって、第一希望をどちらにするか悩んだ。

理由はわからないけどそこに美容師と記入し、二番目にはバンドマン、三番目は空欄。

他になりたいものはなかった。

僕は高校を卒業し、東京へ行った。

その時相棒の赤とオレンジのレスポールギターを持って行きたかったけど、やめた。

家と家の感覚が狭い東京で弾いたら怒られるだろうし、アンプにも繋がず弾いていても楽しくはないと思った。

なによりバンド仲間どころか誰も知らない町でやっていける気がしなかった。

というのは建前で、本音は美容師を選んだからギターをやめたというのがある。

2つの選択肢しかないと思っていた。

美容師かギターか。

第三の選択肢として両立っていうのは考えられなかった。

中途半端になると思ったんだろう。

東京へいって、美容師の勉強をする日々はそれはそれで新しい発見ばかりだったたし充実していた。

指の指紋がキレイに復活した頃、初めてクラブみたいなとこのイベントへ行った。

当時DJとしてcapsuleの中田ヤスタカという人が来ていた。

クラブで流れる音楽にしびれた。

田舎には無かった音楽。

なぜならそんな場所がないからね。

クラブミュージック、ダンスミュージック、ハウス、R&Bなどこれまで聞かなかったジャンルにハマった。

それまではロック。

特に僕世代はメロコアバンドというのが流行った。

Hi-STANDARDに始まり、SNAIL RAMP、locofrank、BRAHMAN、ACIDMANなどなどなど。

洋楽だとSum 41、Green Dayなどは好きだった。

というか思い返せばメジャーインディーズとわずなんかいろいろ聞いていた気がする。

それを演奏したくて、耳でコピーして毎日毎日弾いて。

そんな日々を忘れるくらい新しいジャンルの音楽との出会いは強烈だった気がする。

それからというもの音楽はやるものではなく聞くものになった。

それから7年後、25歳のときに会社をやめて世界一周の旅に出た。

3ヶ月後にベトナムのホーチミンで小さめのギターを買った。

というか、当時付き合っていたイギリス人の彼女のケイティがベトナムに遊びに来てくれてて、音楽の話をしてたら買ってくれた。

40ドルだったと思う。

そのギターは世界をぐるっと旅して、ボコボコのボロボロになっているけど今でも宝物として部屋の片隅に眠っている。

その一年半の間はちょこちょことギターを弾いていた。

暇だったし、公園や海なんかであれば別に気にせず弾くことができたし。

ウユニ塩湖でも弾いたな。

カッコつけてる写真。

そんな日々の中で気がついたあること。

【音楽は国境を越える】ということ。

言葉も、世代も、文化も、何一つ関係がない。

全世界のどこの誰でも、音楽は聞く。

好きな人は好き。

共通言語なんだと気がついた。

ベトナムのおじーちゃんに「日本の伝統の曲を弾いてくれ!」と言われたから、「これがジャパニーズや!」とELLEGARDENのジターバグを弾いても喜んでもらえたし。笑

そういう経験がたくさんできた。

南米でも、ヨーロッパでも。

楽しくて、楽しくて。

日本に帰ってきて、今度は美容室をつくった。

そこからつい最近までは仕事づくしの日々。

世界をまわって美容室を作るっていうのが1つの夢だったから、僕はそっちを取った。

また音楽とは離れてしまった。

30歳になったときに僕は髪を切ることをやめた。

18歳のときに夢見た仕事はもうやりきったと思ったから。

自分のやりたいことや旅をしようと思っても美容師をやっている以上時間が作れないというのもあった。

だから会社経営という道を選んだけど、それはそれで大変な事で起業して2年くらいは時間なんか1ミリもなかった。

“やりたかった夢”をやめたとき、自分の中でどこかポッカリとあいてしまった何かがあった。

忙殺される日々、夢は正直いって無い。

とにかく今のこと今のことって一生懸命やってきたつもりだったけど、それで会社や仕事はなんとなくうまいことやれているけど自分自身がどうなんだってずっとモヤッとしていて。

【お前は何がしたいんだ?】

流木を見つけては流木アートだ!とかヘナを見つけてはヘナタトゥーだ!とかいろいろやっては挫折。

挫折というほどやれもしなかった。

目の付け所は良かったと思うけどやっぱり仕事との両立はきつかった。

優先事項としてはどうしても一番になれない。

朝起きて、夜寝るまでずっと没頭できる環境ではなかった。

それこそ仕事をやめないと無理だったと思う。

やっぱり美容師やりながらバンドやらなくて正解だったのかもしれないと、30過ぎてから気づくという。

最近は仕事のバランスも取れ、時間がめっちゃできた。

だから旅に出てみた。

ブログもまた書いてみた。

正直なんかしっくりこない部分があった。

やっぱり「やりたいこと」がなかった。

旅は方法、ブログはツール。

【結局お前は何がしたいんだ?】

俺という人間の中身は?本質は?

仕事をすることではないだろうということだけはわかった。

何だ何だ何だ、いろいろと数年悩み続け、最後に行き着いたのはやっぱ音楽なのかなと。

素直にそう思った。

場所に縛られず、正解がなく、世界のどこでも誰とでも共有できる。

これだと思った。

自分の音楽的なアイデンティティはロックとギターだろうと思っていた。

でも美容学生時代に出会ったノリノリのエレクトロ系クラブ系の音楽、美容師時代にハマったピコピコサウンド、そして世界各地で聞いた音楽。

とくにラテンミュージックには影響を受けて、めっちゃハマって聞いていた。

今でもドン・オマールは大好きだ。

いろんな音楽を聞いてきている。

いろんな音楽で作られている。

それが今なんだ。

その中でいいと思ったものを表現できたとしたら。

もしくは日本人として、琴、太鼓、三味線などを使った音楽を世界の人に届けられたら。

あのベトナムのGちゃんにELLEGARDENではなくて「これがジャパニーズの楽器だ!」と聞かすことができたら。

そう考えていた「ギターじゃない」ということになった。

ドラムもベースもまともにやったことないし、和楽器なんて触ったこともない。

けどやってみたい。

そう思ってデジタルで音楽を作ることを思いついた。

いろいろと楽器を演奏(というか打ち込む)できるじゃん!と。

それで無料のツールが何かをググり、iPadやiPhoneに入っているガレージバンドというツールの存在を知る。

とりあえずこれだ!と思いソッコーiPadを買いに行った。

Androidユーザーの僕からしたらiPadは全く触ったことがないレベルなので操作方法がさっぱりだったが、とりあえずなんでも良いからやってみようと思っていじってみた。

ゲキムズ、吐くかと思った。

それでも2日ほどあれでもないこれでもないといじりまくり、ユーチューブなどで使い方動画を見て勉強して演奏してみても下手くそ以前の問題過ぎて終わってた。

楽曲のセンスねぇ…とヘコみつつ、とりあえずまずは下手でも完成させてみなければいけないと、1個作ることにした。

なんか童謡とか合唱曲とか後奏曲とか、そういうメジャーな曲をかっこよくアレンジするくらいならパクリでも完全オリジナルでもない中間くらいな感じでいいのでは?と思い、カノンにすることにした。

ところがカノンってどんな曲だっけと思ってユーチューブで調べたらなんか1時間くらいあるやん。

もういいやと聞くこともせず、頭の中にあった「たしかカノンてこんな感じ?」という記憶を頼りにギターとピアノとバイオリンを打ち込んでみる。

打ち込むと言ってもキーボードで自分でひくから、音もイチから探して。

なんとなくできた。

いいのか悪いのかわからん。

わからんが、できた。

たぶんこれが大事。

音楽の勉強なんてしてないからルールもわからないし、技術もないし、iPad買って三日目に完璧なものを作れたらバケモンなので、とりあえずできただけで良しとする。

この感覚は美容師やってて身についたことでもある。

丁寧にやろうとしてノロノロ時間をかけても出来上がった仕上がりは急いだときと結局そんな変わらなかったりする。

力そのものがないのだから、丁寧にやっても下手なものは下手だということ。

なら数をこなすしかないし、だとしたら1つ1つ時間を決めてやったほうがいい。

PERFECTなんか無理なんだ最初から。

それで昨日引きこもって作った二作目。

下手でもなんでも作ったもんは作ったもんだからと、名前をつけた。

Lofi hiphop的なイメージで作ったけど、聞いてて違和感はある。

あるけど何を直したらいいかわからないとうのはまさに素人だなと自分でも思ったり。

まあ仕方ない。

そして会話をイメージして作ったからtalk withにしたけど、あんま深い意味はない。

今後もとりあえず毎日できるだけ作り、ブログも書こうと思う。

とにかくやるだけなんだけど、やってて思うのが【めちゃめちゃ楽しい!】ということ。

時間も忘れて、飯も食わず没頭。

気がついたら夕方だったり。

そんなことは今までなかったぞ、と。

指紋がなくなってたあの頃を除いては。

やはり音楽が好きなんだと思う。

純粋に。

ビッグになりたいとか、仕事にしたいとかそんなことは思ってない。

だけどいつか世界をまた旅して、音楽でなんかができたらいいなと思う。

お暇だったらこちらもぜひ。

インスタもはじめよ…

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