とある国で出会った、とある病の女性のお話


昨日僕は言いました。
『今日からトルコ編だよ』 と。
でも、もう一日だけ先延ばしすることにしました。
やべーしかも7時7分に更新するつもりが寝てたらめっちゃ遅れてしまった(笑)
ダメですね。
というのも実は、ずーーーっと書こうか書くまいか悩んでいたことがあって、今日いろいろありそれを書くことに決めたので、この気持ちが冷めないうちにここに書き記すことにしました。
なのでトルコはまた後回しにしちゃった。
ごめんねトルコ。明日まで待ってね。

(お詫びのトルコ猫)
いつもチュイ!とかふざけたことばっか書いてますが、今日は真面目に書きます。
長くなるかもだけど(いつも通り)頑張って読んでね。
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・とある国で出会った、とある女性のお話。
その方を万が一特定されるようなことがあると嫌なので、半年くらい前にとある小さな町で出会った人とだけ言っておこう。
過去にブログにも一切書いたりしてないので、これを書いても僕と当の本人しかわからないと思う。
まあでも読んでみてね。
その国にいた時、ある女性から髪を切って欲しいと連絡をもらったんだ。
普通に連絡を取り合い、日程を決めお宅に向かうことになった。
そのお宅に向かう途中、迎えに来てくれたその女性の身内の方がこんなことを話してくれた。
『彼女は2日後からガンの治療のために病院にいくことになっているんだ。そしたら薬で髪の毛がなくなってしまうからこれがしばらくの間は最後のカットになると思う。でもすごく楽しみにしてるからよろしくね。』
その女性はガンになったことを、まわりに迷惑がかかると思い1年近く内緒にしてたそうなんだ。
だけど、だんだん悪くなってしまい、ちょうど僕が呼ばれた2日後から本格的に治療を始めることになったとのことだった。
お宅につき、椅子を借り、早速カットの準備を始める。
身内の方からガンについての話を聞いたということは本人には言わないでねと言われていたから、そのことには触れずに髪型のカウンセリングをした。
その時に本人から『実は明後日から病院でガンの治療をうけるから髪がなくなってしまうの』 と、こう言われたんだ。
思ったより明るい感じでそう言ったもんだから少しびっくりした。
抗ガン剤を飲めば髪がぬけるというのはもちろん僕だって知っていた。
もしかしたら映画やドラマの影響で、子供だってその事実を知ってるような気がする。
それを見ず知らずの僕に言うのは・・・と思うと逆にそれが僕の中で少し辛くも感じた。
女性の命とも言われる髪がぬけるということは、やっぱりショックだと思う。
そうでないわけがない。
男の僕だってそうなったらかなり凹むと思う。
・・・美容師という仕事をしていて、この様な場面は初めてのことだった。
なりたいスタイルが決まり、カットを始める。
少し長かった髪の毛を、思いっきりとまでは言わないけど見た目が変わるくらいにカットして・・・
仕上がりはスッキリと。
終わって喜んでくれていたのでよかったなぁと一安心した。
その後はお茶をしたりご飯なんかをいただいて、お宅を後に。
帰り道、一人になっていろんな事を考えた。
そしてホテルに戻ってから気になって抗がん剤についていろいろと調べてみたんだ。
抗がん剤という薬を投与すると、2 ~ 3 週間後に髪の毛が抜け始め、髪の毛だけでなく、全身の毛に影響がでるという。
抗ガン剤が血液と一緒に全身をめぐり、髪の毛を作る細胞にも影響してしまうため、脱毛が起こるらしい。
脱毛の対策はなく、帽子やカツラで何とかするのが一般的。
治療が終了してしばらく経過すると髪が生え始め、半年ほどたつとかなり回復するとのことだった。
ガン治療による副作用はたくさんあるみたいなんだけど、特に目に見えてわかる脱毛は精神的にとてもつらい副作用であるにもかかわらず、周りからはあまり辛さをわかってもらえないそう。
そうか、2週間後には髪がなくなってしまうのか・・・
ちょっと質問です。
もし、あなたがその女性と同じ立場だったらどうしますか?
髪、切りますか?
僕自身だったらたぶん切らない。
どうせ抜けるんだからって思ってしまうかもしれない。
それは僕が男だからなのかもしれない。
じゃあ、あなたがそういう人を切る立場だったらどう思いますか?
どうせ抜けるんだからって思いますか?
たぶん美容師だったらそうは絶対思わないはず。
最後だからこそ・・・ってきっと思うよね。
もちろんその女性は2週間後に抜けるってことはわかってたはず。
それでも最後に・・・と髪を切りたいと思った。
そして、その大仕事に僕を選んでくれた。
僕はというと嬉しくもあり、でも素直によろこべなくて、そしてなんだか悲しくもあり・・・すごく複雑な気持ちになってしまった。
例えば、もし自分が明日死ぬとしたら、僕は一体何を望むんだろう?
って考えてみても
誰かと過ごす時間なのか?美味しいもんでも食べるのか?服でも買うのか?
さっぱりわからない。
じゃあ、もし親が明日死ぬとしたら、僕は一体何ができるんだろう?
ただただ一緒に過ごすのか、美味しいもんでも食べるのか、髪でも切るのか・・・。
僕はすごい資格もなく、頭も良くない。
お金もない。
髪を切ることしかできない。
だからきっと親が望むなら最後に髪を切ってあげたいと思う。
本当に情けないことにそれしかないんだけど、たけど今回のことがあり、それでもいいかってやっぱり思えるようになった。
世界を旅し、何かしたいなって思って髪を切り始めたのも、他に何もできないから。
だけど、これでいいんだきっと。
これができるんだからいいんだ。
旅を続けていくうちにそう思えるようになってきたんだ。
 
今回のことにしても、僕が旅をしてたからこそ、僕のことを知ってくれてカットをお願いしてくれた。
そしてガンという病気の治療を前にし、最後に髪を切りたいと思った女性の手助けができた。
それもこれも、美容師という仕事をしてたからなんだ。
本当によかった。
そう思った。
少しだけ話がずれるけど、以前ネパールにいた時に
美容師を始めサービスや技術を提供するような仕事の人に対して無料でお願いをすることは良くないという内容の『友達にこんなこと言ってませんか?プロの美容師として思うこと。』 という記事を書きました。
※リンクは下に。
その記事の本質というか、本当に1番言いたかったことは金くれってことじゃなくて、僕らの様な仕事の人たちの価値が世間になかなかわかってもらえない事が辛いってことです。
八百屋さんなどのモノを売る人はその対価としてお金をもらうのがわかりやすいのに対して、技術を提供するようなことを仕事としてる僕らみたいな人たちはその対価をわかってもらいにくい。
さらに外国に比べて特に、日本はプロフェッショナルに対するリスペクトの意識が少ない。
だから技術職は給料も安いんだと思うし、やめてく人も多いんだと思う。
それは結構間違いないと思う。
日本ほどプロを信用してない国はなさそう。
でも。
でもですよ。
例えば誰かが最後に(最後じゃなくても)何か望むことがあるとすれば、僕らみたいな仕事の人ほど手助けができるんじゃないか?とも思うんだ。
政治家でも、警察官でも、サラリーマンでもなく
料理人や、整体師など・・・技術を持ってる人なんじゃないかな。
僕らは自分の手を使い、人の為に何かをする、何かを作る。
そうして自分の手でお金を稼ぐし、自分の手で生きていく。
だけど、必ず相手が必要。
自分の手で、人に触れること。  
それが相手の幸せだったり感謝の気持ちを作ることになる。
僕が美容師なんで美容師のことを言わせてもらうと   
カラーが何色似合いますねだとか、壁際にシャンプーをたくさん飾ろうだとか、そんなことじゃなくて
人に関わり、自分の手で、その人の幸せを作ることが1番なんじゃないかなぁと、思う。
きっと物事はずっとずっとシンプルなはず。
僕ら技術職の仕事は愛でしょ?
その女性との出会いで僕もいろんな事を気付かされた。
その方はそんなに深く考えてなかったかもしれない。
きっとまたどこかで会ったらあの日のことを聞いてみようと思う。
だから出会いって素晴らしくて、だから旅って素晴らしいよね。
いろんな事を、気付かされる。
今日このストーリーを書きたいと思った理由は、その女性から久々に連絡が来たからです・・・。
ありがとうございました。
また逢う日まで!
技術職や職人の人、これから目指す学生さん、辞めようとしてる人に是非読んでもらいたい。
僕らのやってること、やろうとしてることって超素晴らしいよ。
たまにはそういうことを忘れちゃうこともあるかもしれない。
でもきっとまた人に気付かされる。
ま、楽しく行きましょう・・・^^
これを読んでくれた誰かに、もし”なにか”が少しでも伝わったら、それでいいかなと思ってます。
読んでくれてありがとう。


★カットした人★
479人
☆カットした人 国別☆
40ヶ国
日本、韓国、中国、台湾、香港、フィリピン、マレーシア、インドネシア、シンガポール、タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオス、パキスタン、インド、ネパール、イギリス、スコットランド、オランダ、ドイツ、スイス、デンマーク、フランス、ポルトガル、スペイン、スロバキア、チェコ、キプロス、ギリシャ、トルコ、イスラエル、チュニジア、南アフリカ、アメリカ、カナダ、エクアドル、ベネズエラ、アルゼンチン、ペルー
★世界一周★
236日目
日本→韓国→フィリピン→日本→マレーシア→タイ→カンボジア→ベトナム→ラオス→タイ→ネパール→インド→日本→台湾→シンガポール→マレーシア→タイ→イギリス→オランダ→ドイツ→ルクセンブルク→フランス→イタリア→ギリシャ→トルコ→?
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