世界を旅した美容師が、『旅する美容室』として全国出張を始める理由…。死ぬまで美容師でいるために僕は人と会い続ける。

僕には夢がある。

めちゃくちゃわくわくする夢。

それは旅する美容室を作ること。

 

キャンピングカーに椅子と鏡をのせて・・・なんて話じゃありません。

『バカだなぁコイツ』と思いながら読んでみてください。

 

一昨日のこと。

アメリカの3人の女の子が髪をやりに来てくれた。

聞けばまだ20歳の学生で、学校のプロジェクトで神奈川の厚木(綾瀬?)に来ているところだそうだ。

約2ヶ月間滞在する中で、土日なんかは観光に出かけているらしい。
そして、今回僕の美容室に来てくれた。

『もう2年くらい前からずっとインスタグラムみてて、シカゴに来たときに近いから会いに行きたかったけど学校があって行けなかったの』

そう言ってくれたのはMadison

バッサリと長い髪をショートに。

しかもドネーションしたいからよろしく〜という事で・・・

ショートもめっちゃかわいい。

そして順番に・・・。
Sarahはバレイヤージュでブロント美女に。

Mollyはカット。

(クソブレブレ)

 

なんだかんだ4時間くらい店にいたんだけど、とても楽しかった。

どうもありがとう〜!また日本に来たら遊びに来てね。

 

この子達以外に、日本に住んでないけど外国から観光ついでに店に来てくれた人はまあまあいる。

フランス、モロッコ、アメリカ、カナダ、台湾、韓国、マレーシア、シンガポール、ポルトガル、チリ、ボリビア、トルコ・・・

(来てくれたら大体居酒屋に連れてくというw)

 

ざっと数えてもこれだけの国の人が来てくれた。

なんか、やっぱめちゃくちゃ嬉しいんですよね。

外国の方が海を越えて来てくれたのもそうだけど、日本の人だって、全国各地からも飛行機とか新幹線とか乗って会いに来てくれる方がたくさんいる。

 

昨日なんか群馬と富山から来てくれた方もいたし。

シンガポールからも昨日は来てくれたな…。

 

それが本当に嬉しい。

感謝、マジで感謝しかない。

 

僕は考えてみた。

「なぜ人が会いに来てくれるのだろう?」

それは僕が旅したからなのか。

それとも違う何かがあるのか。

 

世界を旅して1000人の髪を切った美容師っていう、なんかポケモンのピカチュウみたいなレアキャラに会ってみたい・・・っていうだけなのか。

答えはわからないが、少なくともそこに価値を見出してくれてることは理解できた。

その価値って一体なんだろう・・・?

そう考えたときに、やっぱり旅だったのかなって思う。

旅というか、自分のスタイル。生き方。

Madisonが言ってくれた『ずっとあなたの旅を見ていた』という言葉。

インスタグラムにのった写真から一体何を感じてくれていたんだろう。

何を感じて、わざわざ神奈川から慣れない日本の電車に2時間電車も乗って高円寺という場所まで足を運んでくれたんだろう。

 

なぜ、あなたはUp to Youに来てくれるのですか?

なぜ、あなたは桑原淳に髪を任せてくれるのですか?

 

今までそうして高円寺に足を運んでくれた数百人にできることなら聞いてみたい。

 

ところで、僕には美容師としての理想が1つある。

それは命が終わる最後の時まで美容師でいること。

「美容師は40歳で定年だ」なんて言われてるが、僕にはそんなつもりはサラサラない。

「クソ喰らえ」

そう思ってる。

 

例えば、ヨボヨボのジイサンになったとして、もうサロンに立つわけでもなく、隠居生活を送っているとする。

その時に嫁が、もしくは子供が「髪切ってよ」と言ってきたら、僕は間違いなく髪を切るだろう。

それは立派な美容師と言えるんじゃないか?と僕は思ってる。

友達だって「髪やってくれよ」と言ってくれるかもしれない。

そういう人がいる限りそれは紛れもなく美容師であり、一生美容師でい続けられると言うことになる。

 

定年だとか、ハサミを置くとか置かないとか、サロンで売上がどうとか、指名数がどうとか、先輩が憎いとか、そんなことは長い人生を考えるとすごくすごくどうでもいいことのように思う。

人生が終わるその瞬間に、一体何人が「髪切って」と言ってくれるのか。

何人が美容師桑原淳という一人の人間に対して価値を見出してくれるか。

そこがいっっちばん大事なことじゃないかな。

 

会社をやめたらお客さんとの関係も基本的には終わる。

だけどついてきてくれる人もいる。

その人たちを魅了する何かがあったから、ついてきてくれる。

そういう人としての魅力がなくなって、誰も髪を切ってくれと言ってくれなくなったら、そこに100円ほどの価値も見出してもらえないなら、美容師を辞めるときだと思う。

 

 だけど、大切な人が周りにいて、自分に魅力を感じてくれてればやってける。

親でもいいし、子供でもいいし、友達でも、なんでも。

だから生きてるうちに「大切だと思える人」「大切だと思ってくれる人」をたくさん作ろうと僕は思う。

そうすれば一生美容師でいられると思う。

 

そうなるためには自分の価値を高めていかなければならない。

そのために若い今一生懸命働き、一生懸命お金を使い、一生懸命遊び、一生懸命時間を使い、一生懸命たくさんの人に出会い、魅力的に人にならなければ・・・。

今の時点で自分自身が思う僕の価値というのは、やっぱり『旅してる自分』だった。

と言うよりは『自分らしい行き方をしてる自分』なのかと思う。

 

他に全く何もないわけじゃない。

だけど、僕にはそれが合ってるんだと日本に帰ってきてから思ってる。

好きなことを全力でやってる人ってやっぱりカッコイイ。

美容師も好きだけど旅も好き。

それは心の底から好きと言えることだけど、どちらか一つは選べない。

「どっちも本気でやりたい。」

その気持ちはこれからもきっと変わらない。

だからかつて僕は旅をしながら髪を切った。

それが自分の好きなことだったから。

好きなことを全力でやってたら友達がたくさんできた。

 

たくさんの人が「ジュン!」と声をかけてくれるようになった。

たくさんの人が「髪を任せるよ」と言ってくれるようになった。

たくさんの人が「話を聞きたい」と言ってくれるようになった。

 

僕はそのために旅をしたわけじゃないし、髪を切っていたわけでもない。

だけど結果としてそうなったんだ。

そう言ってくれる人が今は日本中にいて、世界中にいて。

 

だから僕にはバカバカしい夢ができた。

それは旅する美容室をやる事。

旅する美容師桑原淳と、旅する美容室Up to You

2つのブランドはどこでも移動する。

かつて僕は旅しながら外で髪を切っていたが、やっぱりそれだとパフォーマンスは落ちるし、カラーもできないし、シャンプーもできないし。

もちろんお金はちゃんともらえなかった。

つまりそれはもう仕事ではないということ。

 

かつて僕は美容室で働いていたが、1つの美容室で働いていれば、休みももらえないしどこにも行くことができなかった。

単純な話、仕事をやめて旅をするか、旅をやめて仕事をするか。

そのどちらかしか選択肢はないと思ってた。

でも、ないなら新しい選択肢を作ればいいと思った。

意味わからないと思うし、アホだと思われるだろうけど、旅する美容室はとてもシンプルな発想だった。

なければ作る。

前例がないなら、自分が第一人者になればいいかなって。

理由は、自分が旅しながら働きたいし、会いたい人に会いたいから・・・

旅の別れは一生じゃないって思ってる。

あの時あの場所で一緒に泣いたり笑ったりしたあなたにまた会いたいよ。

マジでそう思う。

 

そう思ってくれてるからみんなも高円寺まで来てくれるんだよね。

これからも来れる人は来てくれるだろう。

でもこれない人のもとには自分が行けばいい。

そうすればもっと多くの人にまた会える。

それが嬉しいし、楽しい。

ただそれだけ。

 

旅は貧乏じゃないし、仕事は不自由じゃない。

どっちもすごく自由で、楽しいもの。

 

昔の人だって海を渡ったり国を越えたりしてるのに、なんで場所に縛られて、そして勝手に辛くなって…。

って、よく考えたらそれって変だよね。

動物なんだからどこでも生きていけると僕は思っているし、行きたいところに行けばいい。

足があるんだから。

“動”物なんだから。

場所に縛られるのは植物だけ。

いや、植物だってタネを飛ばして旅をするんだ…。

 

 

僕の将来的な理想を勝手にざっと言わせてもらうと、どこかの国にビザをとって拠点を構え、2〜3ヶ月に1度帰国し、東京やら大阪やらをまわろうと思ってる。

たまには違う国もまわるつもり。

もちろん会社とかには頼らずに、全部自分でやるつもり。

そんな事不可能だ!と思うかもしれないが、それはやってみなきゃあわからない。

勝算は実は結構あったりする。

3年後にはそうなりたいな。

もちろん大好きになった高円寺も1つの拠点にしたいなーなんて思ってる。

僕にはたぶんこのスタイルが1番だ。

 

実はUp to Youをオープンさせるよりも前には具体的にそんな事をキャンベルと話し合っていた。

普通の嫁ならブチ切れるだろうが、キャンベルは「むしろそうしてほしい」というくらいなので、もはや行かない理由はない。

 

ちなみに初めて『旅する美容室』のことが頭に浮かんだのは一年前の8月、メキシコで長距離バスに揺られているときだった。

窓にもたれてウトウトしてるときに「ハッ」て。

 

その「ハッ」から1年後、Up to Youがオープンして4ヶ月後。

いよいよそれの第一歩を踏み出すときが来た。

『え?もう?』ってびっくりしました?(笑)

まあ、そりゃあやりますよ。

やりたいんだから。

まずは日本を攻めていこうと思ってる。

年内に5大都市は確実に行く予定。

言ってたって始まらないから、まずは行動に移す事から・・・。

 

今後のスケジュールを書いておきます。

 

≪8月7日(日曜日)、8月8日(月曜日)の2日間大阪にタビヨウシツ≫

場所:7日日曜日はサロカリメンバー、大人の秘密基地のようなサロン igluさん

※8日は満員御礼

 

≪8月14日(日曜日)、8月15日(月曜日)の2日間山梨にタビヨウシツ≫

場所:両日とも上吉田のガスト近くの美容室mooiさん

 

≪9月2日(金曜日)タイ、バンコクにタビヨウシツ≫

場所:日系サロンDEAR Hair Designさん

 

≪10月23日、24日北海道札幌市にタビヨウシツ≫

サロカリメンバーのサロン学園前の隠れ家サロンhowdyさん

 
こんな感じでやっていくつもりです。

連絡まってますね。

あ、タビヨウシツてのはいま作りました笑
とりあえず。

 

その他にもまだ詳細は未定ですが9月10月11月12月で名古屋、仙台、福岡に1〜2回ずつ行きます。

大阪、山梨には2、3ヶ月に1度行く予定ですので10月11月頃にまた行きます。

あとは全部高円寺です!

店やめるわけじゃないですよ笑

高円寺にも髪やりに来てね笑

 

単純に、美容師としても、人としても、この一度きりの人生を楽しめたらな〜という感じです。

まあ何とかなるさ。

みんないつも会いに来てくれてありがとうございます!!!!!!!!

次は大阪で会いましょう^^

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