アレン・カーの禁煙セラピーを読んでもタバコを吸い続けた僕が禁煙を成功させたあとに思ったこと。

全世界の愛煙家の皆さんこんにちは。

“元”愛煙家の旅人美容師JUNこと桑原淳です。

僕は今年の2月13日まで約13年間タバコを吸い続けました。

え、年齢?

まあまあまあ。

もう時効ですし、身長は180センチあります。

それがある日を境にパタッとやめれてしまったんですね。

それが今年の2月13日で、もうかれこれ8ヶ月もタバコを吸っていません。

もちろん欲してもいないし、むしろ吸いたくないウゲゲとさえ思ってしまいます。

僕は過去に二度禁煙を試みたことがあります。

1度目は東京に上京してきたとき。

お金がとにかくない貧乏学生だった僕は、節約のためっていうのと、知人に辞めたほうがいいと言われたのをきっかけに禁煙をすることにしました。

気力で3ヶ月はやめることができたのです。

だけど、実際にお金が貯まっていく感じはありませんでした。

なぜかというと、収入支出を細かくチェックしていたわけでもないのでタバコに使うはずだったお金がどこに行ったのかがよくわからなかったのです。

日本人はなぜか3という数字が好きです。

石の上にも三年、仏の顔も三度まで、日本三景…

僕も禁煙3ヶ月という数字になんかある種の達成感を覚え、ご褒美にタバコを一本吸ったのです。

今思うと馬鹿野郎ですが、その時は「3ヶ月やめれたから1本くらい平気だろ」という謎の思いから禁煙失敗してしまったわけです。

数年後、読むだけで絶対やめられる禁煙セラピーという本をある人に手渡されました。

「タバコやめてほしいから」と。

禁煙セラピーは、イギリスかどこかのアレン・カーというオジサンが書いた本で、世界中で多くの人を禁煙させたという禁煙チャレンジャーの中ではちと有名な本です。

「 世界15ヵ国で翻訳され、イギリス、ドイツ、オランダで毎年ベストセラー!!成功率90%。本書であなたはタバコへの心理的依存から完全に解放される。」

このうたい文句を見ただけで何かやめれそうでした。

だってこれを読んだ90%がやめれるのなら僕もやめれるだろうし、その10%のいわゆる”それでも吸うだめなやつ”になりたくないと思ってました。

だってそうですよね?

絶対やめれる本を読んでやめれないなんて、人間失格くらい言われてるような気もしますよね。

僕は5日ほどで本を読み終えました。

その間タバコは吸いませんでした。

読み終わってみて、やっぱり本のとおり吸いたいという気持ちはなくなり、晴れて禁煙成功したような気がしていました。

1ヶ月ほどたったある日、僕に本を勧めてくれた人とちょっとしたいざこざが起こりました。

「何だこいつムカつく」とイライラした気持ちを抑えるために、またタバコを吸ってしまったのです。

イライラ解消はタバコでどうにかなると本を読んでなお思っていたわけではないのですが、その解消法が全然わからなかったからだと思います。

もう一つはその本を勧めてくれた人の”ために”やめようと思ったある種の他力本願的なところがあったのですが、それが「何だこいつムカつく」との思いで「もういいや」となってしまったためだと思います。

2度目の禁煙も派手に失敗しました。

「別に誰かに迷惑かけてるわけじゃないし…肺癌になっても別にいいや」

そう思いタバコを吸いまくる日々がまた始まりました。

2度目の禁煙を試みた頃、僕は世界一周の旅の途中でした。

世界には日本よりもっともっとタバコが安い国もありますし高い国もあります。

目にした中で一番安かったのがパラグアイの1箱30円。

一番高かったのがニューヨークのマンハッタンのコンビニで見たマルボロ15ドルでした。

当時1ドル123円とかだったので、1箱1845円という恐ろしい額なわけです。

「誰が買うかボケ」と思いながらもきっとその時タバコがなかったら買っていたと思います。(免税店で買いだめしてた)

タバコが高い国でも吸い続け、僕は2015年末に日本に帰国しました。

約1年半ぶりのTOKYOはとても新鮮な感じがしました。

コンビニ、電車、スーパー、自動販売機…何をとってもキレイだし便利だし。

日本の凄さに改めて気がついた瞬間でした。

ところが、タバコに関しては「あれ?」と思ったんですよね。

吸う場所がなくなっている…!

吉祥寺駅北口にあった喫煙所はどこかに消え去り、コンビニの前にあった灰皿は行方不明。

もちろん路上でも吸ってはいけないと書いてある。

「ど、どこで吸えばいいんだってばよ…」

アンパンマンがもし喫煙者だったらそう言うでしょう。

おそらく田舎はそんなことありませんが、都市部では路上喫煙がより厳しくなっていて、肩身が狭いどころかまじで吸う場所ないぜって感じだったわけです。

副流煙が…ということなのでしょうが、僕は「日本ってやっぱり変だわ」とその時に思いました。

日本では室内での喫煙はオッケー、外での喫煙はダメだからです。

「いやいや逆じゃね?wマジウケるんですけど」

もしバタコさんがギャルだったらそう言うでしょう。

数多くの先進国では室内での喫煙は全面禁止になっています。

それはホテルでもそうですし、バーなどお酒を飲むところでもそうです。

イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジル、シンガポール…どこもそうです。

理由は副流煙による健康被害というところでしょう。

そのかわり外ではオッケーなわけです。

一方日本では【歩きタバコ】【路上喫煙】については同じ理由でものすごく厳しい反面、室内の喫煙に関しては寛大です。

居酒屋で禁煙のところなんか見たことないですよね?

分煙が進んでいるとはいえ、ドアなどなければ臭いはしますよね?

そこら辺は気にしないの?(笑)

と思ってしまいました。

変だなーって。

ですが僕も喫煙者側でしたので、居酒屋とかではやっぱり吸っていました。

ところが日本に来て2ヶ月がたったある日、ある事件が起こりました。

それをきっかけにタバコをきっぱりやめたわけなんですが、それは“ズバリ超強烈な二日酔い”でした。

僕がどのようにやめたかは過去に記事にも上げましたが、このトラウマティック禁煙法を良かったら読んでみてください。

正直無茶苦茶です。

二日酔いの気持ち悪さマックス時にタバコを吸って「う…吐きそう…」となることによりタバコ=悪と決めつけるというかなり強引なやり方です。

「何を馬鹿なことを」と思うでしょうが、これで僕は完全にタバコをやめることができました。

しかも、2カートンもストックがあったにもかかわらずです。

過去に失敗した禁煙と何が違ったかというと2つあります。

1つは自分の意思でやめたいと思ったこと。

もう1つはタバコは体に悪いと本気で思ったこと。

この2つです。

お陰で今日までタバコとは無縁な生活を行っています。

やめることができて良かったと思っていますし、もう吸うことは一生ないでしょう。

やめてみておもったことなんですが、やっぱりお金は貯まる気がしません。

タバコってゲーセンとか、漫画とか、映画とか、コーヒーとか、なんていうか趣味みたいなもんだと思うんですよ。

だから、タバコがなくなればまた何かにきっとお金を使うように人間ってできてるんですよね。

だからタバコ貯金なんてないと思います。

そして健康になったかといわれるとちょっとわかりません。

肺がんのリスクは下がったのかもしれませんが、なるときはなるんだろうし、実際に禁煙セラピーのアレン・カーは肺がんで亡くなっていますからね。

ただ1つ大きく変わったことがあります。

それは非喫煙者の気持ちがわかったことです。

僕は居酒屋が好きなのでしょっちゅう行くのですが、2月にトラウマでタバコが吸えなくなって2〜3ヶ月は居酒屋にいるのもすごい苦痛だったりしました。

隣のテーブルの人が吸うタバコの煙がこっちにやってきて、鼻から入った瞬間にフラッシュバック。

あの超強烈な二日酔いが思い出されて目の前のビールも飲みたくなくなる始末。

最近はやっと慣れましたが本当に大変でした。

喫煙所の前を通るだけで吐き気がするんです。

その時に非喫煙者の気持ちが痛いほどわかりました。

なんか今までごめんなさい。

先日受動喫煙は肺がんのリスクを高めると科学的に証明されたといった発表がされましたが、ご存知でしょうか?

そのなかで受動喫煙を「ほぼ毎日」「1日3時間以上」受けた者の肺がん死亡リスクは男性で5.29倍、女性で1.12倍になるとありました。

リスクが大きいことはわかったんですが、そんなに長時間タバコ吸ってる人のそばにいるかよwwと僕は思ったんですよね。

だってそばにいるだけで辛いですし。

でも気づいちゃったんです。

「あっ」て。

お酒が好きで毎日居酒屋にいたら(例えばバイトしてたら)間違いなくそのくらいは過ごしてしまいますよね。

いやー。

ハンパぱねぇっす、本当に。

ただですね、僕はタバコを吸ってる人が悪いとは1ミリも思わないんですよ。

自分も過去に吸ってたからってのはあります。

でもそれだけじゃなくて、犯罪を犯してるわけではないし自分でお金を出して吸っているのだから。

世の中にはパチンコとかギャンブルやる人もいたり、コーヒー1日に10杯とか飲む人もいるわけで、それと同じなんですよね。

ただ、行政とか、日本のそういうズレた感覚ってのは正直どうなんだろうと思うんですよ。

受動喫煙が肺がんのリスクを1.3倍に〜とか、路上喫煙は罰金2000円〜とか、もうそんなことはどうだって良くて、公共の施設や飲食店内をさっさと禁煙にしたらいいんですよ。

実はこの前サロカリメンバーの方でこんなことを言ってる方がいました。

「喘息持ちでタバコの煙がだめ。死ぬかもしれない。だから居酒屋とかにもいけない」

もうまさにですよね。

その人がかわいそうで終わっちゃってるのが今の日本なのかなって思います。

JTの掲げる「吸う人も吸わない人も心地よい世の中へ」は実現不可能ですね。

今のところは。

先進国を見習って常識を変えていけば可能だとは思いますが。

早いところ日本の行政とか飲食店の経営者がそれに気づくといいなと思います。

吸う人のためにも、吸わない人のためにも。

元喫煙者がやめて気づいたことを書いてみました。

それでは。

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