美容師が転職を考える前に絶対に知るべき大手美容室の現状とお金の話とは? 働き方別の特徴と時給はコチラ。

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突然ですが、求人サイトを見たことってありますか?

つまり、転職を考えたことありますか?

僕は美容師を辞めて違う仕事をしようと思ったことはありませんが、店を辞めて違う美容室で働こうと悩んでたことは昔ありました。

そういうのも転職というのでしょうかね?

わかりませんが、この記事で言うところの”転職”は美容師は辞めないけど美容室は辞めたい人…のことだと思って読んでもらえたらと思います。

どういうわけかわからないんですが、最近転職の相談をしたくてカットしに来てくれたり、個別セミナーで予約される方がすごく多いんですよね。

え、ハローワーク?笑くらいな感じです。

しかもアシスタントとかではなくて、中堅スタイリスト、店長などからも相談が来たりします。

ブログに美容室事情をアレコレ書いたり、自由な働き方を目指しアレコレしてるからなのかも知れませんが…。

そんな人たちに決まって言うことが2つあります。

「辞めたかったら辞めたらいいと思います」

「お金の事を考えてみるといいと思います」

僕は青山のブランド志向サロン→転職→街のブランド志向サロン→フリーランス→独立と一通りやってみて、それぞれ経験し、なおかつ今は勉強をしまくってるのでいろいろとお金の事はわかっているつもりではあります。

独立して自分のサロンを持ったからには嫌でもお金の事とか考えないといけませんし。

ある時ふと気がついたんですけど、相談に来る人ってみんなお金の事全然考えてないんですよね。

なんかそこは触れてはいけないと思ってる人が多いというか…。

しかもそれが良いことだと思ってるっていう。

バイトだって時給で仕事選ぶのに、正社員でそういうの知らないって正直意味わかんなくないですか?

以前にも美容師の年収について記事を書きましたが、僕はそういう事は知っとかないといけないことだと思ってます。

勝手に来年の2017年は美容師業界が大きく変わる年なような気がしてます。

いや美容師の人の流れと、店舗の閉店出店の傾向を見るとすでに変わっていってます。

お金云々じゃなく、働き方が。

これからその流れはもっと加速するはずです。

転職を考える人も増えてくるでしょう。

なので今日はひとつその転職の目安として『働き方別の時給』と大手美容室の裏事情とこれからの働き方について書いてみようかと思います。

あと、僕がこういうの真面目に書くとたまに炎上したりするんですが、これは特定の美容師や従業員や経営者をディスって書いてるわけではなくあくまでJun Kuwabara的な美容業界についての考察なので参考程度に読んでくださいね。

的はずれな抗議メッセージとかはお辞めください。

【目次を作ってみた】

  1. なぜ辞めたい人が多いのか考えてみた
  2. 働き方パターン別の特徴と時給計算
  3. 某大手美容室の実態
  4. これからの新しい働き方とは?




なぜ転職したい美容師が増えたのか。

 

そもそもなぜ辞めたい人が増えたのか?を考えてみました。
美容師の3年以内の離職率は80%と言われています。

ある調査によると1人の美容師が1つのサロンにとどまる期間は平均なんと2年。

1年目が50%、3年目で80%、10年目で92%だそうです。

一般企業からみたら驚異的数字です。

その理由は何かというとまあ言わなくてもわかると思うんですけど時間とお金が圧倒的にないからですよね。

こないだ相談に来た方は月3日休みで、毎日8時〜夜遅くまで働いていたそうです。

それで社会保障なしです。

20代前半の頃はよくてもさすがに歳とっていくとキツい…って感じで辞めてく方が多いんですよね。

過労死とかって結構うるさく言われてる現代で、どうしてそういった労働環境が美容業界では改善されないのでしょうか?

美容師以外の方は疑問に思う方も多いと思います。

改善されないその理由については最後に書くことにします。

 

働き方は大きく分けると5パターン

 

現在の美容師の働き方は大きく分けて5つになっています。


①1000円カット(雇用)
②ブランドサロン(雇用)
③派遣美容師(雇用)
④業務委託サロン(個人事業主)
⑤面貸し、個人サロンオーナー(個人事業主)


美容室なんてハタから見ればどれも同じに見えてしまうんですが、実は内部事情は結構違ったりします。

まず大きく分けてこの5つは何が違うかというと、それは雇用か雇用じゃないかなります。

メリットとデメリットはそれぞれあります。

雇用されている人は社会保障は会社が負担し、安定した給料が月々支払われますが、会社が来いといえば行かなければいけないし、たくさん給料をくれといってももらえません。

個人事業主は保障はなく、給料も不安定、税金の申告なども自分でやりますが、縛られず休みは自分で決めたり、給料も自分の能力や頑張り次第で増えたりもします。

★1000円カットの特徴と時給

QBハウス離職率

1000円カットは特徴としては福利厚生と教育がしっかりしていて離職率が低いというのがあげられます。

代表的なQBハウスは海外にもすでに100店舗だしていて、今後も業績を伸ばしていくであろう企業として間違いなく業界トップと言えます。

正社員雇用で月給25万円~45万円。

福利厚生は社会保険または各種保険、各種レクリエーション、産休・育休制度そして交通費全額支給・皆勤手当。

さらに今まで業界になかった有給の教育システムを導入していて、未経験者でもキャリアアップが早く入社3年〜5年で役職がつき、その間すごい数の実務経験をつみ、店長としての経験もつめます。

なぜそこまで福利厚生がちゃんとできるか?

その理由としてはまずは需要が多く広告がいらないことと、資本金が10億あることです。

それでいて人が辞めないので会社が育っていくのは当然といえば当然ですね。

1000円カットで働く美容師の人は月々600〜800人を担当しているといいます。

1人あたりの売上は1000円だとしても1時間で6000円くらいになり、しかも原価ほぼゼロなので青山表参道の高級サロンと大差ない売上がある計算になりますね。

・固定給30万円
・月25日労働
・1日8時間労働

QBハウスのデータをもとに計算してみます。

30万÷25日÷8時間≒1500円

【1000円カットの時給は1500円】

役職手当が付けば更に上がるのでしょう。

それだけ福利厚生や給料が安定していれば美容室を辞めていった美容師達はどんどんそっちに流れていくでしょう。

歳とっても長く働くことができますから1000円カットが無くなることは今後あり得ないし、むしろ増えて行くと予想してます。

 

★ブランド志向サロンの特徴と時給

ブランドサロンと聞くと青山表参道あたりを思い浮かべるかもしれませんが、都心じゃなくてもその土地その土地に必ずあります。

その街では知らない人がいないあのサロンのことです。

現在の日本では1番多い形態になります。

ブランド志向サロンの特徴としては、自社ブランドの名をあげていきたいという傾向があります。

ブランド力が上がれば基本的には黙っててもお客さんと美容師が集まってくるので集客にも困らないし、単価も高くなるし、社員も増えるし、会社も大きくなっていくのですが、めちゃめちゃ大変な側面もあります。

常に先を走るプレッシャーはもとより、なによりも教育とブランドの維持が大変なのです。

ブランドサロンはオーナーのワンマンでは絶対に成り立たないので、そのブランドを守れる人材をどんどん増やす必要があります。

なので規制が多く、下積みはキツい傾向にあり、離職率も高めです。

ですが、そこでふるいにかけられるからこそ残った人によりブランドが守られるわけですね。

とにかく維持が大変なわけです。

ですが、世の中の全部のサロンが高級ブランドになる事は絶対にありえません。

一部の高級志向な人が髪をやりに行くからこそ高級ブランドはいいのであって、世の中のすべての人がその価値観にはなれません。

だからブランド志向サロンの中でもまた激しい競争が生まれてきます。

なのでブランディングに失敗した場合(つまりパットしなかった場合)と人が育たなかった場合は大変なことになってしまいます。

10年前は誰もが知ってたサロンも、人が辞めに辞めて今では名前を聞かなくなってしまった…なんて事もよくある話です。

美容室数推移

2015年11月に『衛生行政報告例』が厚生労働省統計から公表されたデータにより全国の美容室軒数、美容師数が明らかになりました。

2014年3月末の時点では美容室の数は23万7525件で前年より3436件も増えているそうです。
その裏では年間1万件近くの美容室が閉店していっているといいます。

3年以内の閉店はなんと90%…

どういうサロンが閉店しているかまではわかりませんが、個人的な予想ではこのブランド志向サロンが爆発的に減っていっていると読んでいます。

恐らく50〜60代のオーナーが1人いて、その下の30〜40代がすっぽりいなくて次が20〜30代メイン…みたいなところです。

減っていっている理由は後ほど書こうと思います。

以前調べたところブランド志向サロンの給与体系と働き方のアベレージはこのような感じですのでそれを元に考えます。

・固定給15万円+歩合10%
・平均カット価格が約3500円
・月25日労働
・1日10時間労働

15万÷25日÷10時間≒600円

それに平均価格3500円の10%である350円を足すと950円。

【時給は950円】

歩合が10%以上の設定に増えれば上がりますし、有名スタイリストになれば単価も高いでしょうしパーセンテージも高いと思われるのでもっと高いはずです。

手取り15万くらいのアシスタントの場合だと時給600円ということになり最近上がった東京都の最低賃金932円をめちゃくちゃ下回ることになり地獄的に安くなってしまいます。

 

★派遣美容師の特徴と時給

工場やスーパーや家電量販店などでは派遣社員という仕事は定着してますが美容師はまだそんなに多くないイメージです。

ただ最近は人手不足の美容室が多いので派遣美容師という働き方も増えていってるようです。

特徴としては自由な働き方ができるのと、時給制なので柔軟でかつ安定して稼ぐことができるます。

例えば、子持ちの方でしたら平日朝9時に出勤して夕方お迎えの時間に帰るとか、独身の人でしたら12時に出勤して夜まで働いて8時に帰るとか、自分の予定に合わせて働くことができます。

給料は登録している派遣会社から支払われます。

時給は、派遣先や派遣会社によりけりですが、相場としてアシスタントは1000円〜1200円で、スタイリストだと1000円〜1400円くらいだそうですので平均すると

【時給は約1200円】

くらいになるのかなと思います。

交通費や保険などはあったりなかったりするそうです。

 

★業務委託サロンの特徴と時給

業務委託サロンは今最も勢いがある形態のサロンといえます。

爆速で市場に広がっています。

業務委託サロンの特徴としては、主要駅チカでキレイなサロンなのに信じられないほど激安だというところがあげられます。

単価はカット1500円、カットカラー3500円とかそのくらいですがサロンにより差はあります。

お店のほうがその安さと莫大な広告費を武器にホットペッパーでガンガンお客さんを集客し、美容師は来た方を施術します。

ほとんどのところが売上の40%、指名だと50%が給料となります。

回転重視なので、カットですとだいたい1時間で1.5人くらい施術すると想定して時給を計算します。

1500円✕1.5人=2250円

2250円の40%で900円、50%で1125円となりますので、平均すると

【時給は約1000円】

ということになります。

オーナーさんはその売上の50%なり60%なりの中から家賃とか広告費を払うわけです。

業務委託サロンで働く美容師はいわゆるフリーランスと呼ばれる人たちで、個人事業主としてやっていますので、保険や税金は自分で払うことになります。

雇用ではないので出勤自由だし、やればやっただけ稼ぐことができますので働く側からも人気があるようです。

ちなみになんですが「渋谷 美容室」とか「新宿 美容室」とかで調べるとホットペッパーが出てきます。

クリックして見てみると異様に安くてキレイなサロンが1番目とか2番目とか上の方に出てきますよね。

そこのサロンの名前を覚えてもらって、その後ろに「求人」と一言入れてグーグルで調べてみると、そのサロンの求人情報が出てきたりするのですが、完全歩合制とかいてるのに最低保証ありますとか週休2日制とかなんだかわけわからないことが書いてあったりします。

そもそも業務委託とは、経営者が美容師を労働者として雇用契約を結ぶのではなく、請負契約を結び、個人事業主として外注扱いすることで、平たく言えば「雇わないけど仕事(カット等)を代わりにやってくんない?」というものなんです。

経営者のメリットとしては、業務を委託するだけでは雇用した事にならないので、労働法は適用にならないし、責任もないし、お金もかかりません。

そのかわり「何日出勤して」「時給いくらでやって」「掃除して」など経営者は美容師を拘束することができないし、命令することもできません

それなのに、もし業務委託サロンで働いている美容師で【時給○○○円】とか【最低週2日出勤】とか【シフト9時〜18時】とか決められてやってる人がいるとしたらそれは騙されているというわけです。

雇用の場合、会社は最低いくらかは給料を支払う義務があるので完全歩合はありえないんです。

完全歩合だとゼロがありえますからね。

拘束はされるけど、保証はないなんていうサロンは…

ということになります。

 

★面貸し美容師、個人サロンオーナー

つまり会社に所属せず、 施術、集客、経営を一人でやっている人のことを言います。

働き方としては、どこかのサロンの一角を借りるか、自分のサロン持つかのどちらかになります。

何処かから給料を支払われるわけではないので、売上から経費(家賃とか)を引いたお金が利益になり、そこから保険やら税金やらを払うわけです。

時給は人それぞれカット価格が違ったりするためサッパリわからないのですが、例えばカット価格4000円の人だと、経費がだいたい1時間1500円〜2000円くらいじゃないかと思うので

4000円-経費2000円で

【時給2000円】

という事になるのかなと。

単純に数字だけ見たら時給2000円でいいじゃん!と思うかもしれませんが、集客がうまく行ってお客さんがたくさん来ないと意味がありません。

それに全部一人でやるのは本当に大変です。

集客からお金の計算からタオルの洗濯から発注まで本当に全部ですからね。

さらに予約が入らなかったり、休みまくったりすると売上が減るので自由なぶん不安定でもあります。

これが嫌でなかなか踏み出さない人もいますが、逆に言うと稼げるチャンスも大いにあるということです。

僕は個人店オーナーだからか何故かお金持ちだと勘違いされることがあるんですけど、全然ないです。

お金のこと書いてるけど、お金はあちこちに投資したりしてるので、全くありません。(笑)

ざっくりと書きましたが、これらが今主にある働き方になります。

もちろん例外的にやってる方もいるでしょうが、ざっとこんな所だと思ってください。

5つを見比べてみるとどれもメリットとデメリットがあるのがわかってもらえると思います。

ただ、転職や離職を考えてる人の多くは2番のブランド志向サロンで働いている美容師なのです。

それが意味するものは一体…



某大手美容室の実態と業界の未来は。

検索したら出てきますが名前はここでは伏せます。関東の美容師ならたぶん知らない人はいない某大手美容室の代表取締役会長が赤字をあるサイトで公表しました。

株主の方たちにこのようなコメントをしていますので一部抜粋。

美容業界におきましては、節約志向の高まりに伴う消費マインドの停滞や、店舗間競争の激化、また労働需給逼迫による美容師確保難など、依然として厳しい経営環境が続いております。

このような状況の下、当社といたしましては「失客をなくし増客を図る」 「新しい収益力を作る」 「社員の明るい未来を創る」を三本柱とし、『お客様が毎日どこでも綺麗でいていただける』ために当社の持つ「お客様に対する特典」をすべてのお客様にお伝えしご利用を促すことで、お客様に喜んでいただけるよう、全社員の技術・サービスの向上に取り組んでおります。

当社の第1四半期累計期間の業績は、売上高2,822百万円(前年同期比1.8%減)となり、営業損失136百万円(前年同期は営業損失187百万円)、経常損失139百万円(前年同期は経常損失190百万円)となり、四半期純損失は159百万円(前年同期は四半期純損失203百万円)となりました。

そのウェブサイトを見ますと様々な施策で経営改善に取り組んでいることがわかります。

他にも似たようなサロンはあります。

同じように美容師なら誰もが知ってるであろう各駅停車くらいである某大手美容室なんですが、そちらは直営店が赤字になっているようです。

その公表している某大手美容室は、数年前と比べて年間数億ほど売上高が減少しています。

そのコストの多くは見てみると人件費や広告費にあるようです。

美容師の平均年収約280万円にバッチリハマる給与形態なので、従業員一人あたりの給料は低くいにも関わらず人件費がかかっているということは売上や固定費に対してのスタッフ数がバランスとれていないということになりますよね。

実際データを見てみると売上高は減少しているがスタッフ数は増えていっています。

なぜ売上が下がってもスタッフを増やしてるか?と考えたときに『大型サロンだからこそ』だと思うんです。

大きい店舗を持つのには固定費もかなりかかるわけです。

しかし、せっかく作った席に対してスタッフが足りておらず、お客様が来たとしても対応できない。

仮に土日でも席が余っている状態だとしたら、それをカバーするために多くのスタッフを雇う必要があり、莫大な人件費を払うことになるようです。

スタッフも多いし固定費も高いので、必然的に売上をあげていくか最低でも維持をしないといけないので、かの有名なホットペッパー様に莫大な広告費を支払って多くのお客様を呼び込んでいるわけですね。

しかし、業務委託サロンが爆安価格でホットペッパー上位を占拠しているため、新規客呼び込みが難しく半額とかのクーポンを打ち出します。

当然単価が下がり今度は客数を上げる必要がるので、必然的に1人あたりの労働時間は長くなるわけですが歩合率がそもそも超少ないので給料はあがりません。

そういった労働環境に病んだ美容師は転職の道を選び、また新らしい人材を探すことになりますが、ご存知のように店舗数が増えすぎたのと、カリスマ美容師ブームも終わり美容学生も少なく求人が難しいと言われている状態です。

なので求人広告会社が今度は儲かってしまうわけです。

「いわゆるヤバイやつなのではないか…?」

という状態なのは読んでもらったらわかると思います。

しかし…これが果たして“大手美容室だけ”がそうなのでしょうか?

カリスマ美容師ブームにより日本には大型サロンとブランドサロンがたくさんできました。

誰もがそこを目指したし、そうやって育って来た人もまた同じようなサロンを作っていきます。

つまりそれがビジネスモデルになったわけです。

ということは、各地域にあるほんの一握りの有名サロン、有名美容師を除くとどこのブランド志向サロンでも同じことが起こり得る(または起こってる)状態だと思われます。

その確信を得たのは、僕のところに転職相談に来る方は全員“同じようなブランド志向の美容室”に勤めている方だったからです。

今から15年前のカリスマブームの時代と今とはもう全然状況が違いますよね。

リーマンショックで不景気になり消費者の動向が変わったと言われ、美容室が増えまくり需要と供給のバランスが崩れ、そころに様々なIT企業が参入して価格競争が起こっている…

さらにはツールも常識も社会も何もかも違っているわけです。

にも関わらずやり方や美容師のあり方が全く変わらない業界。

労働環境改善が社会でこれだけ叫ばれている中、未だに労働環境よりブランディングが大切にされていることがすべての原因のようにおもえてなりません。

もはや日本の美容室のビジネスモデルは15年の時を経て崩壊しつつあるのではないでしょうか。

有名なサロンに成長したり、有名美容師として名を挙げることが生き残る絶対条件となりまさに群雄割拠の戦国時代。

そんな時代だからこそ環境を変えるために業務委託サロンに転職する美容師が増えてるし、人件費と保険を払うリスクがないので業務委託サロンは増えていく。

激安サロンが増え、そこで働く美容師が増えるなると美容師の平均カット価格はドンドン下がっていくでしょう。

さらに日本社会はこれから様々なものを値上げ、増税していくはずなので、消費者も安い方へと流れていきます。

いろいろと大変な時代になっていきますね…。

何かを変えないと他の先進国にはもう勝てないかもしれません。



これから増える働き方は?

 

インド路上カット(インドはカット20円…)

まず先程書いたように業務委託サロンで働くフリーランスが増えると思います。

それに伴って業務委託サロンオーナーも増えていきます。

それから安定の1000円カットもまだまだ増えていくと思います。

比例して減っていくのが正社員雇用とブランド志向サロン。

個人サロンに関してはあまり変わらないのではないかと予想してます。

じゃあ道は業務委託サロンか1000円カットか独立してオーナーか…しかないように思いますが、僕は間違いなくダブルワーカーが増えてくると思っています。

業務委託サロンは単価が安いため高収入を得るためには長時間働くのがマストになります。

単純な話歳とってきたらツラくないか?と。

30代ならまだしも40とか50とかで1日10時間労働とかなったらどうなるの…?みたいな。

1000円カットはその点安定しているのですが、もともと美容師をやってた人はやはりそのスタイルを受け入れられない人もたくさんいると思うんです。

僕もそのタイプですが、やっぱカラーとかしたいし、お客様とゆっくり話したいんですよね。

個人店をやりたくても店舗を持つというのは今の時代あまりにもリスクがでかすぎます。

かと言って従来の働き方はイヤだし…

って言うことで転職を考えてる方は悩んでいるそうです。

僕は個人的にはダブルワークがベストだと思ってます。

どういうことかと言うと…

今ではお客様の管理も紙→ネットになってきています。

美容師もブログやSNSなどの何らかのツールを持っている人がほとんどで、お客様とはそこから連絡をとったりすることができます。

辞めるにあたりお客様はサロンのものだとか取るとか取らないとか問題はあるのでしょうが、結局のところ選ぶのはお客様自身なので、「あなたについてくわ」と言ってくれる方を無視するのはむしろ失礼だと思うんですよ。

そういう方が何人いるかはわかりませんが、そういった方たちは普通に面貸しサロンで施術して、今まで通り(もしくはプラスに)料金を頂いていいと思うんですよね。

【売上-席使用料=利益】

になるので、1時間使用料を1500円(サロカリ基準)だとすると、カット5000円くらい貰えば利益は3500円になります。

業務委託で働く3時間分、1000円カットで働く2時間半分、ブランドサロンで働く3時間半分に相当します。

「すごいのはわかるんだけど…それほど指名のお客様いないからそれだけでは生活できない」

と思ってる美容師がほとんどだと思います。

多くの人が面貸し美容師をやらない理由はそこです。

ですが自由なフリーランスにはなりたいなーってことで業務委託サロンに転職して指名のお客様を連れて行ったとしたらカット価格は大幅に下がります。

例5000円→1500円

もしいつか業務委託サロンから独立することになったときに5000円にまた戻しますか?

みたいな感じでいずれ困るのかなあと思います。

じゃあダブルワークってなんやねんって言うと…

 


・面貸し美容師✕派遣美容師
・面貸し美容師✕別の仕事

 

これですね。

まず、自分を気に入ってくれるお客様を悲しませることはしちゃいけないと思うんです。

お店がお金を払って広告を出した結果来店して指名客になって…というのは重々承知だけど、お客様が美容師個人を選びたいと思ってくれてる以上、「サロンに来てください。他の人が担当します」と言っても正直限界はあると思うし、人と人とのつながりを大切にする仕事だからこそ美容師もそういう人だけは裏切っちゃいけないと思うんです。

サロンが好きでそっちに残ってくれる方は、逆に来てって言っても来てくれないものです。

だから、あなたに切ってもらうことに価値を感じてお金を払ってくれて、信じてついてきてくれるお客様だけは引き続きいい関係を保っていけばいいと思います。

面貸し美容師として。

でも不安定な生活が嫌だったり、面貸し美容師だけだと成り立たなそうであれば安定して稼げる派遣美容師として働いたり、人気の業務委託美容師として稼げはいいのではないかと思います。

そのほうが時間的な無駄がない。

私生活で時間があってゆとりがある生活をしていれば、人は必ず新しく誰かと出会います。

例えば毎日カフェに行って、そこの定員さんと仲良くなればその方が指名で来てくれる事もあると思うんです。

例えば合間に趣味のスポーツを始めて、そこでできた仲間が髪切りに来てくれることもあると思うんです。

そうすれば必然的に面貸し美容師としての仕事は増えていきます。

モデルケースを考えると…

※例なのですべてカットで1時間に1人担当と考えます

★カット5000円、指名客が月に30人の場合

売上5000円-使用料1500円=利益3500円

利益3500円✕30人(時間)=10万5000円

1日5人担当するとして、月に6日面貸し美容師として働けばいいことになります。

時給1200円✕8時間労働の派遣美容師として残り18日働いたとします。

日給9600円✕18日で17万2800円

2つを足すと、月24日労働で月収27万7800円になります。

★カット4500円、指名客が月に50人の場合

売上4500円-使用料1500円=利益3000円

利益3000円✕50人(時間)=15万円

1日5人担当するとして、月に10日面貸し美容師として働けばいいことになります。

時給1200円✕8時間労働の派遣美容師として残り14日働いたとします。

日給9600円✕14日で13万4400円

2つを足すと、月24日労働で月収28万4400円になります。

★カット5500円、指名客が月に50人の場合

売上5500円-使用料1500円=利益4000円

利益4000円✕50人(時間)=20万円

1日5人担当するとして、月に10日面貸し美容師として働けばいいことになります。

時給1200円✕8時間労働の派遣美容師として残り14日働いたとします。

日給9600円✕14日で13万4400円

2つを足すと、月24日労働で月収33万4400円になります。

美容師転職給料

と、まあそこから保険やら税金やら払わないといけなかったりもしますし、単純計算なのでアレですが… 。

ただ1つ注目してもらいたいのは面貸し美容師として働いてる日は1日5時間労働しかしてないという点です。

その空いた時間にさらに働いて稼ぐもいいし、何か練習するでもいいし、本を読んで勉強するもいいし、友達と話すもいいし、いろんな選択肢ができるわけです。

もう1つ注目してもらいたいところが安売りをしていないという点です。

来てくれるお客様は美容師個人に価値を感じてくれてるわけですから値引きとかする必要がないですからね。

だから100人とか200人とかお客様がいないと成り立たない…なんて事はないのかなと。

単純計算だけど、誰にとっても決して不可能な数字じゃないと思うんです。

よく考えたらハサミとお客さんがいれば美容師は成り立つわけだから、これから 力がある人ほどむしろフリーとして独立していくはずです。

そういう時代がデータを見ても確実にきてます。

でもやっぱりなんか複雑ですよね。

某大手美容室にしてもいろいろ策を打ち出して実行してるけど、なかなか業績が悪化していくのはとまらないっていうのも時代だ時代だと言っても、やっぱり夢を諦めるのとかやりたいことがやれないのは辛いことなのかなと思いますし、そもそもオーナーさんだってスタッフのことをすごく考えてると思うし、悪いってわけではないとは思います。

だけど人が去っていく所に未来はあるのか?って考えたらやっぱりないだろうな…って正直思うところですし、状況は変えていかないと行けないところまでキテるのかもしれません。

もう、オーナーがどうすればいいとか、美容師個人がどうすればいいとか言うレベルの話じゃなく、美容師って仕事をしてるのであればいろいろと業界内外の情報を得たりして、さらにその上で次のことを考えていくべきなのかなと思います。

危機感をもたないとやられるというか…。

なんかそんな感じですよね。

ただですねこういうこと書くと必ず噛み付いてくる人もいるんですけど、僕はそれでも書きます。

「美容師が嫌なら転職しろ」

「昔はもっとやった」

「美容師なんてそんなもんだから耐えろ」

「能力が低いからだ、練習しろ」

「できない奴はどこ行ってもダメ」

「好きな仕事してお金貰って最高じゃねえか」

だいたいこういう風に言われたりするんですけど、精神論とか根性論ではどうにもならないことはありますからね…。

ただひたすら厳しくするだけで言動に理由が伴わないオーナーとか、よくわからないけどアツいシャウト系のセンパイ美容師とかがカッコイイと思わないほうがいいと思いますよ。

「フリーランスばっかになったらアシスタントはどうするんだ!」

とかも言われるんですけど、そんなもん自分で考えろよって思ってしまいます。

僕ならアカデミーみたいなのを作って新卒にそこでカットをみっちり教えて、卒業後は自社サロンでフリースタイリストとして働いてもらいます。

お金がないからやれないんですけども…。

僕は理想だけ語ったり文句だけ言ってるくせに実際には何一つとして行動を起こさないって人が実は1番カッコ悪いと思っていて、まずは自分がそうならないために自身で時間を作ってウェブと仕事と社会の勉強をしてます。

僕はもともと何も知らないただの美容師で、自分の置かれた環境が普通だと思ってました。

世界を旅してどうたらとかはどっちでもよくて、単純似美容室を辞めた後にいろんな人と出会ったりいろんな働き方を見てみて、疑問がたくさんわき出てきたから調べたんです。

法的なこととか、お金の話とか、経営の話とか、働き方とか。

井の中の蛙とは本当におそろしい。

何も知らないっていうのは本当に損なことだと痛感したんですね。

最初に書いたように、一年目アシスタントならまだしも何故か自分の給料を知ろうともしない人も多くてびっくりします。

僕も先輩から「悲しくなるから時給計算するな」とか言われてましたけど、今思うと何言ってんだよって感じですね。

計算して悲しくなったから変えたくて、だから時間とお金をかけて様々なことを学んで。

それらを忘れないためにも、アウトプットの意味もこめてなんだかこういうしてブログに書いたりもしています。

だからいろいろな方が転職相談に来てくれるんですかね?

別に僕は転職相談員では全然ないのですが、髪切りに来てくれたり個別セミナーで来てくれればいくらでもこんなような相談は乗らせていただきます。

とりあえず参考までに…と今回書いてみました。

長くなってしまってすいません。

うーん、しかし不思議ですね。

有名サロンでバリバリやってるカリスマを目指して上京してきたはずが、なんか数年たったらこうなっていました(笑)

5年後とか僕は何やってるんでしょう。

33歳かぁ。

自分でもさっぱりわかりません。

とりあえずマルチに生きてますが、それでも僕は「美容師です」と言いたいし、言います。

形は一つじゃないと思うんですよね。

まとめると、1000円カットだろうが業務委託だろうがブランドサロンで名を挙げようが、どれでもいいんですよね結局。

フリーランスがどうとか、オーナーが偉いとかは基本的になく、自分が美容師だと思えば美容師だし、どういう働き方があるのか理解した上で自分の夢、目標に合わせて変えていったらいいのだと思います。

たとえ美容師を辞めたとしてもスキルとハサミは残るわけなので、親の髪でも切ってあげればそれはじゅうぶん美容師なんじゃないのでしょうか?

凝り固まった脳みそをカニ味噌みたいにして生きていけたらきっと人生楽しくなりますよね。

この記事が悩んでる誰かのタメになりますように…。

終わり。

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