2015年6月21日
目が覚めるとまだバスは走っている。
時計はもう9時をまわっていた。
『あれ、あのおっさん7時に着くようなこと言ってたよな…』
昨夜サンタクルスのバスターミナルを出たのは20:00だった。
オヤジ『12時間で着くよ』
たしかそう言っていた。
だけどもう13時間乗っていることになる。
日本であればブチ切れるかもしれないが、南米ではバスが遅れることはよくあるので怒る気にもならない。
だけど1つ気がかりなことがあった。
4ヶ月前にラパスに来たときにできた友達がバスターミナルに迎えに来てくれることになっていたんだ。
『めっちゃ待ってたらどうしよ〜』
そんなことを考えながら窓の外を見ていたらそのうち街が見えてきた。
4ヶ月ぶりともなると流石に新鮮な感じになる。
この標高3800メートルに存在する”すり鉢状”の街こそボリビアの実質的な首都La paz ラパスだ。
ラパスにある空港は世界一高い場所にある空港と言われるほど、この街の標高は高い。
富士山より高いところに街があるわけで、そう考えると日本人からしたら想像もつかない感じなのかもしれない。
人気観光地のウユニ塩湖の入り口にもなるので、年間多くの日本人がこの街にやってくるのだろう。
その高さゆえ、高山病にかかる旅人もたくさんいる。
なので参考までにこちらも→ボリビアなどの高地での高山病対策
バスを降り立つと、やっぱり空気が薄い感じがする。
それに空がとにかく近い。
バスターミナルでは友達数人が待っててくれた。
ほんとありがとう。
4ヶ月前によく一緒に遊んでたマイラ。
彼女は上手な英語が話せ、日本語もまだまだ初心者だけど勉強中。
なぜか僕の事を『ねこちゃ〜ん』といい子いい子してくれる。
この時もまた。
なんかめっちゃ帰ってきた感がした。
ラパスで行きつけのホテルオーストリアへ向かい、チェックイン。
オーストリアは1泊35ボリビアーノで、日本円にすると650円くらいだった。
ここはなんかわからないけど居心地がいい。
wifiも結構通じるし。
その日はとりあえずそこでゆっくりした。
翌日、懐かしのサンフランシスコ教会前広場へ。
そこはかつてヘアカットしまくって人だかりが出来まくってた場所だった。
2015年3月ラパスでの記事→サンフランシスコ教会の前で連続カット20日達成!
この日はまた別の人だかり。
お祭りでもやってるみたいだった。
実はこの日、カットをお願いしてくれてた姉妹がいた。
それがカルラとヒメナの姉妹。
2人も3ヶ月前にラパスで出会った友達だった。
カルラと一緒にヒメナの通う大学へ向かう。
ちょうど学園祭みたいなことをやっていて、その一角を借りてヒメナの前髪ヘアカット。
990人目。
大学でカットするのは台湾の中原大学ぶりかもしれないな…
そして姉カルラ。
991人目。
カルラも英語が話せ、日本語も勉強中。
ボリビアでは女優をやっているらしい。
しかし美人姉妹。
その後、ラパス在住日本人のしゅんぺー君と合流しご飯を食べに。
ボリビアのご飯は何故かほんと肉肉しい。
めっちゃ肉。
だけどそれがまたいい。
食後は美容室へ。
『ボリビアの安い美容室は行ったことあるみたいだけど、僕の友達がやってる”中級”の美容室を案内します。そこで髪切ってください。』
しゅんぺー君がそう言ってくれて、一緒にそこへ向かった。
街の中心部から少しだけ離れた路地にあるその美容室は入り口が狭く、小さい感じだった。
その日は休みだったようで、わざわざお店を開けてくれたみたい。
店内はなんとなく薄暗い。
これもボリビアの美容室の特徴なのだろうか?
店内にはいろんなとこに棚があって、いろんなものが売られていた。
お菓子とか(笑)
他にもネイルとかシャンプーとかいろいろと売っていた。
そしてどうやら南米でよく見かける子供の顔ペイントもやっているらしい。
これなんかホントよく見かける。
いつどのタイミングでやるのだろうか…
まあまあ怖い。
そしてしゅんぺーくんのヘアカット。
992人目。
髪の量が重いので軽めに。
出来上がり。
こちらの美容室のお母さんにいろいろボリビアン美容室事情を聞いてみた。
こちらのお店ではヘアカットがだいたい1000円くらいなのだそう。
安い店だと10ボリビアーノ、200円弱くらいでカットすることもできるそうだ。
逆に高いところだと日本のように3000円以上もするのもあり、超高級店だと5000円もするとか。
ボリビアで5000円のカットってどんな感じなんだろう?
日本の価値観に変えるとカット20000円くらいなイメージかもしれない。
すごいなぁ。
日本人がボリビアに行くと何故かパーマをするのが流行りみたいな風潮あるのですが、カラーリングの方がおすすめかもしれない。
安いし、カラーリングならザックリ変にカットされるより安全だと思われる。
髪質も日本人と近いから上手いことやってくれそうだ。
パーマについては…知らない。
いや、知ってる。(笑)
気になる人はこの記事をどうぞ→恐怖のボリパー
なんだか充実した1日だった。
そのまま宿に荷物を取りに戻って、バスターミナルへ。
この日はもう22日。
24日にはクスコに行かなければならないため、また移動。
ラパスで出会ったみんなが最後送ってくれた。
マイラ、アンドレア、カルラ、ヒメナ、しゅんぺー君。
ホントにありがとう。
ラパスはホントに好きな街。
治安が悪いとか言って嫌う人もいるが、僕にとってはなんか故郷のような気もしてしまう。
オッサンになったとしても、いつかまた必ず行くから…。
そのときはまた会おう。
いつまでも手を振ってくれてたみんなの顔が見えなくなり、すり鉢状の街を背にバスはどんどん走っていく。
いくらなんでも夕方だ。
まだ眠くない。
たまにガタガタ揺れる車内で僕は決めた。
1000人カットをインカ帝国が栄えたクスコの地で、インティライミと同じタイミングで終えることに。
1000人まであと8人。
長かった旅もついにゴールが見えた。
世界一周1000人ヘアカットの旅
切った人→992人・62ヶ国籍
世界一周→32ヵ国・433日目