失いました。
僕の大切なMASTERカード。
そうです、ATMに吸い込まれた…
いや!食べられました。
バクバクと。
只でさえ嫁が大食いなのに、ATMまで!
只でさえ!!
大食いなのに!!!
はい、というわけで今日はそんなチクショー!な話をしようと思います。
聞いてください。
本当にあった怖い話。
夜ATMにお金をおろしに行った
一昨日の話です。
微笑みの国タイの首都バンコクに滞在していた僕は、夜7:30頃にホテルから外へ出かけました。
もうあたりは暗く夕飯時です。
お腹が空いたのですが、手持ちはわずか50バーツ。
日本円にして150円です。
その頃お金を牛耳っている嫁のキャンベルは1人ナイトマーケットに出かけてしまいました。
その為、マジで50バーツしかありませんでした。
たった150円じゃあ日本ではせいぜいオニギリくらいしか食べられませんが、ここはタイ。
バンコクでは屋台のご飯がだいたい30〜50バーツで、ビールの大瓶が50バーツです。
ここで僕は悩みました…
どちらを買うべきか…
結果として答えは「BOTH」
そう、両方だったのです。
50バーツと、世界一周も共にした楽天カード(Master)と携帯をポケットにつっこみ、ホテルから徒歩3分のところにあるセブンイレブンに向かいました。
日本ではなかなか信じがたいのですが、海外では結構平気で路上にATMがあります。
例えば今いるタイではコンビニの横、謎の建物の横、銀行の外などに普通に設置してあります。
なので割りとその辺適当に歩けばATMには出会えるのです。
セブンイレブンにつき、とりあえずATMの前で操作を始めました。
これまた信じがたいかもしれないのですが、タイではコンビニの前のスペースを当たり前かのように屋台が占領しています。
ATMの前に立ち、右斜め後ろを振り向くとオッサンがせっせと調理をしているのです。
僕は気にせず続けました。
海外のATMは日本のものとは少し違います。
なんというか、形はもっと平面的で、全体的に固い感じ。
カード差込口もボタンもなんか固い。
ゴツゴツとしています。
カードを差し込み、暗証番号を入れます。
引き出す金額を打ち込み、確認ボタンを押し、取引完了を待つ。
待つ…。
あれ?
いきなりATMにカードが吸い込まれた!
なんか文字がいろいろ出て、読み終わる前に最初の画面に戻ってしまった。
お金も出てこない。
取引が失敗したのかな?なんて思っていたけど待てども待てどもカードは出てこない。
あ、あぁぁぁ…
これは噂のカード吸い込まれ事件ですね…。
そう、旅人の間ではたぶんみんな知っているこの事件。
まことしやかに囁かれる「ATMにクレジットカードが吸い込まれることがあるから気をつけろ!」という都市伝説のような話は聞いたことがある人も多いかもしれません。
けどそんな人見たことも会ったこともありません。
実際に僕は世界各地のATMでお金をおろしまくってきたし、それで何もなかったので信じろというほうが難しい。
それで「気をつけろ!」ってなんだよ…と。
何をどう気をつければいいんですかって感じで「まあ俺は平気だろ」とたかをくくっていました。
しかしそれは現実に自分の身におこりました。
カードが、食われた…
普段から何事にも冷め気味の僕は焦ることもなく、右斜め後ろで豚肉をトントンと切ってるオッサンに声をかけました。
トントン切ってるオッサン(以下トンサン)
僕「Excuse me. Speak English?」
トンサン「Yes. little.」
とりあえずカードが吸い込まれたというのを英語と身振り手振りで説明すると、オーケーオーケーと言ってセブンイレブンの店員さんを呼んでくれました。
ありがとうトンサン。
その時の心境は「別にカードが吸い込まれたことはどっちでもいいから早く返してくれ」くらいの感じでした。
なぜなら普通にパカッとかやってATMを開けて戻ってくるものだと思ってたから。
ところがセブンイレブンの店員は僕にこう言った。
「あいどんのー」
88年生まれ世代のアイドル、モー娘のあいぽんではありません。
あいどんのーです。
わからねーからテメーでやれやという意味だったようです。
ATMに書かれた番号を指差し「かけて」と。
偶然にもその日にタイのSIMカードを契約していたので、電話。
プルルル。
日本と同じような音声案内に従って番号を2とか0とか押して銀行のオペレーターに繋いでもらった。
オペ「どうしましたか?」
僕「カードがATMに吸い込まれました」
〜中略〜
オペ「ATMの場所はどこですか?」
僕「え、場所?どこここ。住所とか知らん」
そこでまた右後ろでご飯を盛ってたトンサンの友達らしきオッサンに助けを求めました。
友達らしきオッサン(以下トモサン)が何やらタイ語で説明してくれて、3分ほど話してました。
会話の内容は1ミリもわかりませんでした。
トモサンからはいよっと渡された携帯を変わるとオペレーターはこう言いました。
「I can not get you back」
「ファッ!?」
なんかわからないけど返せないと。
なんでや!と思って聞いたけど、なんだか難しくて、とにかく返せないとのこと。
帰れま10どころの騒ぎではありません。
返せま10です。
もしかしたらオペレーターも【クレジットカード10枚集めるまで帰れま10!】なんてやってるんでしょうか。
オペレーターは続けてこう言いました。
「マスターカードに電話してください」
そう、これぞタライ回し。
言われた番号をメモリ、トンサンとトモサンと近くにいて見守ってくれてたタイ人のお姉さんに「コップンカーップ」とお礼をいい、とりあえずその場から少し離れて言われた番号にかけました。
マスターカードのお姉さんに翻弄される
プルルルルル。
また音声案内で始まり、いろいろ番号をおしてオペレーターに繋がりました。
出てくれたのはアンジェラみたいな名前の女性。
たぶん34歳独身、背は高めで髪はブリーチで明るくしていて、バリバリのキャリアウーマンなのでしょう。
そんな感じがひしひしと伝わってきました。
アンジェラ「どうしました?」
僕はまた同じ説明を繰り返します。
この短時間でトンサン、セブンの店員、オペレーター、アンジェラと4回目です。
いろいろとやり取りをして、カードの履歴を調べるのに時間が少しかかるからかけ直すと言われました。
わかりました…と僕は一旦その場をあとにしました。
なんとなくATMを離れたくなかったけど携帯の電池が無くなりそうだったのです。
部屋に戻るとすぐアンジェラから折り返しが。
アンジェラから「カード番号はわかりますか?」といわれ、わからないと答えました。
厳密に言うと写メで保存してあったのですが、結構探すのが大変なので時間がかかりそうでわからないと言ってしまいました。
次の質問は「取引先の銀行は?」でした。
僕は「ゆー、えふ、じぇー」と答えました。
アン「そのあとは?」
僕「え、そのあと?」
UFJ銀行にその後とかあるのでしょうか?
UFJはUFJだろ…え、なんかあるの?といろいろ考えたのですが、やっぱり全然わかりません。
ならばこれしかあるまい。
僕「日本語で言っていいんですか?」
MITSUBISHI TOKYO UFJ GINKOと日本語で言えばいいのか?と思ったのですが、このアンジェラさんは三菱とか銀行とかって言葉を理解できるのかという疑問がわき、僕は続けてこう言いました。
僕「日本語は話せますか?」
するとアンジェラさん「でしたら日本語を話せるオペレーターから折り返し電話をさせます」と言いました。
僕もそれなら話が早いな…とホッとして電話を切り、折り返し電話を待ちました。
待ちました…。
30分。
「来ねえじゃねえか!コラ!アンジェラ!」
そう、僕の携帯がなることは二度とありませんでした。
八方塞がりかと思いきや突破口が
セブンの店員✗
オペレーター✗
アンジェラ ✗
ATMのあった店舗の人も、銀行のオペレーターも、マスターカードのオペレーターもだめでした。
この時点で僕も焦り始めました。
カードはかえってこなくていいから、とりあえず止めないと…使われたらやばい。
まずマスターカードと楽天カードについてグーグルで検索し、海外で紛失した際の手続きみたいなのを探しました。
すぐ見つかり、まずは楽天カードの電話番号にかけてみました。
「おかけになった電話はこの国からはかけられません」
繋がらないのではなく、なぜかかけれない。
マジカーと思い、今度はマスターカードの日本語直通の番号に。
それも同じくかけられませんでした。
「おいおいどうするよこれ…」
とりあえずカードが戻ってないか見るためにATMがあるセブンイレブンに戻り、残りの50バーツを払っておビールを買いました。
残り7バーツ、21円くらい。
てやんでい!って感じでつい買ってしまいました。
セブンイレブンからホテルへの帰り道、ボヤーっといろいろ考えました。
「はうあっ!!」
そのときにふと浮かんだのが家族。
「そうだ!日本にいる人から代理人としてカード利用停止を頼めばいいんだ!」
もう天才かと思いました。
妹と母に事情を説明し、楽天カードに電話してもらい、結果的にはカードの利用は停止させることができました。
予防と紛失したあとの対策
さて、今回こんなトラブルに見舞われてしまったわけです。
世界一周したり海外一人旅歴も長いにもかかわらず、やっぱりこんな事が起こるとすごく困ります。
もし初海外!みたいなウキウキな人がこんな経験したら焦りすぎてウンコ漏らすかもしれません。
そこで最後に予防と対策を書いておこうと思います。
*対策方法
吸い込まれたら取り出すことができるのであればそうしたほうがいいのかもしれませんが、まずは不正利用されないよう止めるべきかと思います。
インターネットが使えない状況にいる可能性もあるので、例えばこのような緊急連絡先はやっぱりメモっておいたほうがいいと思います。
それと、今回僕が使用した最終手段がよく考えたら1番早いかも知れません。
ラインで今は無料通話ができますので、こういう事ができるのですが、一昔前はそもそも親に電話できねぇみたいな感じだったので、便利な世の中だなと思いました。
対策じゃなくて感想になってしまった。
感想ついでにいろいろとしていた中で今回強く思ったのが、少しでも英語話せないとキツイということでした。
電話して状況を説明しないといけないですからね。
*予防方法
まず今回1番悪かったのは”夜おろしてしまった”というところでしょう。
昼間であれば誰かしら銀行の人からなんかが駆けつけてくれたかもしれません。
夜はだめです。
それと、ATMは使うならコンビニに併設してあるやつではなく、銀行に併設してあるものがいいと思います。
理由は同じで、銀行の人がなんとかしてくれそうだからです。
なので夜のコンビニのATMを使ったのは完全に僕が悪かったということです。
逆に予防していて助かったこともありました。
2014年のことですが、世界一周前に自分のクレジットカードを写メってフェイスブックの非公開写真としてアップロードしていたのです。
このおかげで親経由で楽天カードを止めてもらうときもスムーズにいきました。
なにもフェイスブックである必要はないですが、デバイスではなくどこかインターネット上に非公開で保存しておくことをオススメします。
こればかりはグッジョブ俺って感じでした。
それと、焦らなかった理由の1つに”複数カード持ってるから平気”みたいなのもあります。
短期旅行でも必ず2枚以上持つことをオススメします。
まとめ
盗難や紛失と同じように、海外旅行では何かあるとやっぱり嫌な思い出になってしまいます。
楽しかった旅行が嫌な思い出になるとやっぱり辛いので、防犯や緊急連絡先のメモなどはしっかりとしておくべきかと思います。
何も起こらないのがベストですが、起こったことも反省し、教訓として活かして前向きにとらえられたらいいですね。
以上本当にあった怖い話でした。