お子様連れOKの美容室なのにみんな子供が来ると実はすげーイライラしてた昔話。

この前の土曜日、前の職場の同僚が髪やりに来てくれました。

結婚して子供が生まれて、今は福島で専業主婦をやっている子です。

彼女とは何かと縁があって、まず同い年。

そして最初に働いてた美容室はお互い青山でお店もすぐ隣でした。

それぞれ2年くらいで辞めて、行き着いた場所が同じサロンだったわけです。

その後お互い別々の道へ…って感じなんですが、未だに付き合いがあります。

今回はじめて旦那さんとお子さんと来てくれました。

スマブラしに。

僕はお店にニンテンドー64という今のアラサーが子供のときに指とれるくらいやりこんだゲームを置いてます。

特に人気ソフトのスマブラは今でも大人になりきれない大人たちに絶大な人気を誇っています。

ちなみにUp to Youではスマブラで新年お年玉争奪戦をしたりと、たまにイベントもやってます。

なぜなら僕は自慢じゃないですがスマブラが超絶強いのです。

対戦相手には「あなたは神か」と崇められるレベルです。

モミアゲだけブリーチするという普通の主婦はやらなそうなカラーを施しつつ…

放置中には子供を抱えた旦那さんと元同僚でチームを組んでもらい…

子連れOKな美容室

夫婦対僕というガチバトル。

軽く数回フルボッコにしておきました。

2対1でも余裕です。

土曜日の昼下がりに美容室でスマブラ…。

あまりにも美容室らしからぬ美容室だな…と盛り上がる2人を見てふと我に返って思いました。

楽しんで帰ってくれて良かったです。

福島のお土産ままどーるありがとう。

翌日曜日は僕は普通に仕事をしてたのですが、関西のサロカリメンバーが店を借りに来ました。

二人の子供たちのカットを。

なんか一時的に人口密度がパないことになってました(笑)

僕の店は狭いのです。

そんななか、髪を切り終わってしまい暇過ぎて限界が来た男の子が遊び始めました。

親のスマホを奪って写メ200連射くらいしてて、斬新な遊び方に感心。

床を激写しまくってました。

お母さんが注意してたけど「ケガしなかったら別にいいですよ」と僕が一言いうと「ふぅ…」みたいな感じで見守っていました。

僕はこのような感じで子連れのお客さんが来ると他のお客さんとはかぶせないし、むしろ貸し切って前後30分〜1時間くらいは予約をあけます。

ケガしないのであれば走り回ってもらっても別にいいと思ってます。

もちろんハサミとかあるのでそういうところは気を使うし、お父さんお母さんにも「気をつけて」とちゃんと言いますが…。

それは別に子連れのお客さんに来てもらいたいからサービスでやっているとかではなくて、お客さんがそうしたいっぽいからそれにあわせているだけです。

見ててと言われれば見るし、遊んでてと言われれば遊びます。

おむつ変えたいと言われれば変えてもらいます。

授乳したいと言われて店から出ていって15分散歩してきたこともあります。

僕は基本的には“なんでもいい”と思ってます。

美容室に子供連れでくるお客様について思うこと

子育て中のママになったのだからしばらくは美容室にいくのを我慢しろという意見には基本的には反対です。

子育てからちょびっと離れ、美容院くらい1人でゆっくりしたいと思う人もいるでしょう。

誰かに見てもらえるのであればいいですが、実際はそういうふうに出来ない人も多いのではないかと思います。

誰だってどんな人だって何歳になったって、いつも綺麗でいたいという気持ちは変わらないし、そこの手助けをするのが美容師の仕事なのかなと思います。

なのでそういったお母さん達のためになれば…と「お子様連れOK」とうたっている美容室もありますよね。

過去にはそんな美容室で働いていた経験があるのですが、僕の中にはあるモヤモヤした葛藤がありました。

それは結局子連れのお客様へうまく対応できてなかったということです。

前の会社にいたときのこと。

オープニングスタッフとして働いた店舗ではキッズスペースなるものがありました。

いわゆる個室なのですが、お母さんが施術してる後ろに2畳ほどのスペースがあり、そこにテレビやオモチャがあるというスペースでした。

お母さんは子供が遊んでるのを鏡越しに見ることができて安心ですよ…みたいな。

最初は「いいシステムだなー」と思ったのですが、実際には結構問題ありでした。

カットとカラーなど時間がかかるメニューをされる方が比較的多く(多分せっかく来たから的な)普通に飽きて個室から子供さんが脱出してしまいます。

または長時間の待ちに我慢できず、ぐずって泣いてしまいます。

普通に考えたら「まあそうなりますよね」という感じで、空いてるスタッフが遊んだりあやしたりすればいいのですが、忙しかったり接客してたりするとその時間もとれませんでした。

それで子供が走り回ったり泣きまくったりしてるわけですが、それを笑顔で見守る他のスタッフも目が笑ってないんですよね。

結果的に他のお客さんもソワソワしたり、スタッフもイライラしたりで変な空気がただよってしまい、結局身動きとれないお母さんがオロオロして平謝り…というのが結構ありました。

僕は走り回る子供に対して怒るのも、連れてきたお母さんに対して怒るのも違うと思うんですよね。

ただ「ゆっくりしたいのに」と思ってる他のお客さんにはスタッフとしては謝るしかなく、でも誰が悪いわけでもないからそのストレスを向ける場所がなくなってしまって結局モヤモヤしてしまいます。

そういう方とお子様連れの方を席を離してればいいかという問題ではないと思います。

どんなに広い美容室といえど子供の泣き声とかは聞こえますし、赤ちゃんは大人に気付いてもらえるように絶妙な音の領域で泣くようになってるそうなので気にしないのは無理というものです。

だから解決しない。

お子様連れOKの美容室!なんて言っておいて何も1つもOKじゃないという事実。

「他のスタッフがあいていたら見ます」なんていうのは非常に無責任だし、よく考えたら”席の後ろで勝手に遊んでてくれ”というのもいかがなものかと今になってみれば思います。

たぶんそういうサロンっていっぱいあるのではないかと思います。

キッズスペースがあっても結局無人であればそこには危険がつきまとうものだし、お母さんとしては全く落ち着けない数時間になるのでしょう。

できない事はしない、言わないが接客の基本

あくまで僕の中での話です。

僕は基本的には無理だと思ったら無理だといいます。

設備的にできない、能力的にやれない…というのはどうしてもあることだと思うし、お客さんの要望があるからと言って無理してやっても特に良い事は無いのではないかと思うからです。

やってもらってよかったと言われるかもしれないけど、失敗したら取り返しがつかないことになりかねないからです。

美容室に子連れで行っていいかどうかは、ほとんど美容室側の受け入れ体制によるので、美容室側がハッキリOKなのかダメなのか伝える必要があると思います。

いっその事「お子様同伴お断り」と、貼り紙するなりホームページに書けばわざわざ連れて来ないと思いますし、そういう方は連れて行ける美容室を探します。

お客さんが店を選ぶべきで、こちらはその選ぶ要素をハッキリ提示するのがサービス業としての責任なのかなと思います。

僕は店前の看板に【お子様連れ貸し切りOK】と書いてありますが、それは「別に1人でやってるし予約切ってもいいや」って思えるからであって、サービスだとも特に思ってません。

奥さんが子連れのママにマツエクつけるときも僕は予約を制限して子供と一緒にyoutubeとか見る時間を作ります。

それはあくまで時間的にも余裕があってそういうことできるからってだけで、できなくなったら普通に「無理です」と言うつもりです。

なんかそれでいいのではないか?と思うんですよね。

お子様連れとかっていうことだけではなく、なんでもそうです。

「ご飯食べてないからおにぎり食べていい?」って夕方来た方がこの前おにぎり食ってたんですがそれも別にいいし、一昨日も「彼女待ってていい?」って言って彼氏がビール飲みながら漫画読んでたんですがそれも別にいいです。

すべて僕が許容できる範囲内だからであって、許せる事ならなんでもOKしますし、無理なら無理ってちゃんといいます。

あえてルールと形を決めないというような接客スタイルが自分にとってはベストだと思っていて、その人に合わせた店の形とルールにその都度作り変えています。

もちろん1人でやってるからって言うのはあるし、そもそもテキトーな性格だからかもしれません。

大人数のサロンではたぶんルールなしは無理だと思います。

お客さんが店に合わせる風潮ありますよね

先日「接客」に関する取材を受けました。

内容はかけませんが、その中でこんなことを言われました。

「なんか美容室ってお客さんが店に合わせる風潮ありますよね〜」

あーたしかに…と思ってしまいました。

雑誌読むにしろ、喋るにしろ、寝るにしろ、こちらとしては”髪を切ってお金をいただく”というのが大前提にあって、言ってしまえばそれさえ叶えば本来は何しててもいいのかもしれません。

「雑誌を出さなければいけない」「話さなければいけない」

と思う必要も本当はなくて、その人が雑誌を読みたいのであれば出せばいいだけの話なのかもしれません。

なんとなく雑誌を置かれると「せっかく出してくれたし…」と手に取らないといけない感じになるのって僕だけじゃないと思います。

ブログにはよく書きますが、僕は美容室がケッコー嫌いです。

昔からなんかキラキラした感じが無理で、受付の時点で緊張しまくってしまうのです。

女性スタイリストだとなんか恥ずかしいので、男性スタイリストが指名できるのであればしたいけど、新規で行ってそんなこと言ってもいいのか?って昔はずっと思ってました。

さらにカットしてるところをガン見していると「だ、大丈夫?」とか苦笑いで言われますが、そういうのを見るのが好きなんです!とも言えずに「あ、すいません」とか言って雑誌を開く。

自分は客のはずなのにめちゃくちゃ気を使ってしまう…。

美容室あるあるかもしれません。

なので、僕は自分の美容室ではできるだけそういう緊張感をやわらげる空気とか接客にしようと思ってやっています。

でも緊張する人はしてると思うし、「何だコイツ」って思われてるかもしれません。

だからせめてこういう事をブログに書いて、事前に知ってもらいたいわけです。

僕はこんな思い出やってますよって言うのを。

どの美容室もお店のコンセプトとか接客にたいする正義がきっとありますが、きっとハッキリ提示するのが双方にとって良さそうですね。

特にお子様連れに関してはハッキリと書いちゃったほうが良いんだろうな〜なんてこの土日で思いました。

日曜日に来てたサロカリメンバーのフリーランスの方からこんなラインも頂いてしまい…

ありがたいです。

ところで今朝栃木に向かう電車の中で、通園?通学?途中の子どもたちに爆烈囲まれました(笑)

昨日居酒屋で仕事からの6時起きだったので意識吹っ飛びそうだったけど元気良すぎて目が覚めた。

これから理容師組合の方々に向けて講演会です。

海外の美容事情、これからの働き方について話してくれ!と依頼していただいたので頑張って来ようと思います。

栃木さみ〜〜

皆様もよい1日を。

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