美容室でヘアドネーションの条件。髪の毛の寄付はブリーチしてても大丈夫。

「ヘアードネーション」って知ってますか?

「なんか聞いたことあるかも」って感じかもしれないですね。

アメリカなど諸外国ではかなり知られている活動なのですが、日本でもだんだんと浸透してきた気がします。

そんな髪の寄付のお話を。

ヘアードネーション、髪の寄付って何?

ヘアードネーションとは、簡単に言うと長く伸ばした髪を集め医療用ウィッグを作り、病気や怪我などにより髪の毛を失い、悩んでいる方たちに提供するというものです。

現在日本でそういった活動しているのはJAPAN HAIR DONATION & CHARITY(JHDAC、ジャーダック)という団体だけだそうです。

とある美容師さんが立ち上げたというこちらのジャーダックは、小児ガンのみならず白血病、不慮の事故により髪を失った子供達や女性のために、人毛100%の医療用ウィッグを無償で提供しているNPO法人です。

素晴らしいですよね。

僕らただの美容師は直接は何もできないのですが、髪を寄付したい人と、ジャーダックの間に入り、カットした髪を寄付する手伝いならできるわけです。

もっと詳しく知りたい人はこちら(JHDAC HP)をどうぞ。

日本に帰国し、僕もそういった活動ができればいいなーと海外にいるころから思っていて、ほそぼそとですがやっています。

先日来てくれました方。

横須賀からはるばるバッサリ切りに高円寺まで。

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メジャーをつかって長さを計りながら、ゴムで縛っていきます。

ヘアードネーション美容室

そして・・・

バサっと。

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美容室ヘアードネーション(切った髪を写真に)

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ざく切りキャベツくらいざく切りになっている髪をショートボブに仕上げました。

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image(キラーン)

ご協力ありがとうございました!

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切りながらいろいろ話している中で知ったのですが、この方が通っていた横須賀の美容室の美容師さんはヘアドネーションの事を知らなかったそうです。

もちろん美容師をしてるからってヘアドネーションを知る必要が絶対にあるかというと普段の仕事の中ではそういうチャンスもなかなかないものなので、難しいところなんですが・・・

それでブログで見てくれてた僕のところに来てくれたそうです。

 

 

ほかにも・・・

外国からわざわざご来店

アメリカに留学中の女の子が日本に一時帰国したタイミングで髪を切りに来てくれました。

予約の時に「ヘアドネーションやってくれますか?」と問い合わせしてくれたので「もちろんです」と返事をしました。

コロラドに留学してるという彼女は元々お母様が僕のブログの読者でその流れで知ってくれたそうです。

ビール好きなのを知ってかご当地ビールをわざわざ買ってきてくれました。

重いのにありがとう〜!

まずは写真を。

数年切ってないという髪はかなり長く伸びていました。

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ジャーダックに提供できる髪の毛には、いくつか条件があります。

以下引用

1. 医療用ウィッグとして使用できる最短の長さは”12インチ(30.48㎝)”ですが、基本的にはどの様な髪でも受付けております(特に長いものを多く必要としています)。

2. 12インチに満たない長さの髪は、場合によっては廃棄処分、または転売させて頂くことで、医療用ウィッグの制作費用に充てさせて頂きますので、事前にご了承の上、ご寄付下さい。

3. 髪は乾燥した状態で、くせ毛等は伸ばした状態で計測して下さい。

4. 毛束は根元を輪ゴム等でしっかりと(多少キツめでも構いません)括り、同じく毛束中央部と毛先の3カ所程度を結んで下さい。

5. パーマやヘアカラー、縮毛矯正等の化学処理が施されている場合でも、トリートメント等で日常的に手入れがなされていて、主観的にダメージの少ないものであれば問題ありません。

6. ヘアドネーション(毛髪の寄付)は、年齢・性別等に関係無くどなたでも参加が可能なボランティアです。

このようになっています。

その規定どおり髪の長さを図りながらゴムでしばっていきます。

髪の量を見ながら四分割に。

髪の毛の寄付

そして・・・

バサッ

ヘアドネーション

「あーーー」というかすかな悲鳴が聞こえてきます。

そりゃあそうですよね、長く伸ばした髪をバッサリと切るのは勇気もいるし、特別な気持ちになりますよね・・・。

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これが誰かのためになるのか・・・。

ヘアドネーション東京

そしてその後は普通にカットして、ふわっとしたボブにしました。

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彼女と一緒に来てた弟くんと、遊びに来てた旅人と記念撮影(いつものことだが)をして、2人は仲良く帰っていきました。

どうもありがとう〜!また日本に帰国したら遊びに来てね〜!

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日本はガンで苦しむ人がたくさんいる

さて、話は変わりますが日本にはどれくらいガンで亡くなる方、診断されたがいるかご存知ですか?

以前調べたものをコピーしてきました。

1.日本の最新がん統計まとめ

2013年にがんで死亡した人は364,872例(男性216,975例、女性147,897例)。

2011年に新たに診断されたがん(罹患全国推計値)は851,537例(男性496,304例、女性355,233例)。

全体ではこれほどの数にまでなるそうで、結構ビックリしました。

ガンの治療の副作用により髪の毛が抜けてしまうのは皆さんご存知ですよね。

以前、僕は”明後日からがん治療をする”という女性をカットしたことがあります。

その時にいろいろガンについて調べました。

いろんなものが便利になった現代でも、髪の毛がなくなることへの有効な対処法はないそうです。

髪がなくともそれが直接命に関わらないから後回しにされるようです。

まあ確かに命のほうが大事ですけども・・・

直接命に関わらないからこそ、周りからあまり気持ちをわかってもらえず患者はとても辛い思いをするのだそうです。

僕自身、そういうガンやガン治療について真面目に考えたのは海外に出てからでした。

ヘアドネーションについて知ったのもその頃です。

ロングの人をバッサリ切っていると、道行く人に「その髪寄付しないの?」と声をかけられた事が何度かありました。

国によるとは思いますが、若い学生や、年配の人から声をかけられたりもしたので、「いろんな人がヘアードネーションについて知っているんだなぁ」という印象でした。

日本でももっとこの活動が広まればいいなあと今は思います。

だから「ヘアドネーションをしたい!」という方がいたら喜んで手伝いたいと思ってます。

もしバッサリと切りたいとかヘアドネーションできる美容室を探してるという人はお知らせください。

また「バッサリといっちゃおうかな〜」とか友達や彼女が言っていたら一言「ヘアドネーション知ってる?」と言ってみてください。

きっとその小さな積み重ねが誰かの笑顔になるのでしょう。

ブリーチしててもOKだそうですよ!

この記事が一人でも多くの”ヘアドネーションを知らない方”に届くといいなと思います。

最後に昔書いた記事のリンクを貼っておきます。

「髪を失う」ということ・・・

とある国で出会った、ある女性のお話

それでは。

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