毎年この時期になると思い出すことがあります。
特に今日は3.11
あれからもう7年も経つのかと誰もが驚くんじゃないでしょうか。
震災で僕は被害にあったわけではないですが、かなり大きな影響を受けました。
あの頃と今とだいぶ変わった生活をしていますが、考え方もものすごく変わりました。
ずっとブログとか読んでくれてる人たちやお客さんは僕の事を破天荒なポジティブ野郎だと思ってるかも知れませんがちょうど震災が起こる前の年の2010はウジウジ悩んでるだけのウンコマンでした。
今でこそ「仕事やめたいです。どーしたらいいですか。」みたいな相談もらうこともかなりあるんですけど、元々は自分がそんな感じでしたから(笑)
だからこそ話せることもあるのかも知れません。
いつもと違う電車に乗った朝
2010年、僕は青山のとある美容室で働いてたのですが、ある日突然神奈川県の新店舗に転勤になりました。
生活がガラっと変わってしまい、通勤時間も1時間半とかになり、新しい職場の人間関係も上手く行かなくて毎日「辞めたい…」と思ってました。
ただ場所が変わっただけなんですけど、なんかそれでプッツリと切れてしまったものがあり、ちょっと目線が変わりました。
会社や自分の仕事を見つめ直してみると、意味わからないことがたくさんあることに気が付きました。
27人もいた同期が続々と辞め、先輩も辞め、そういう人達を「あいつは根性ないわ。わかってない」とこき下ろすだけで環境を改善しようとはしない。
会社を作り上げた社長のワンマン経営で、誰もが社長を恐れて何も言えない。
例えば女性社員は全員ショートカットじゃなきゃだめという謎ルールがあって、泣きながら切られてる人がいたりするわけです。
おかしいと思う事は本当にたくさんありました。
みんながみんなではないけど、そういう事にも疑問を感じていない人がすごく多くて、そこにすごく違和感を感じるようになりました。
もう本当に嫌で仕方がなかったです。
「嫌ならやめればいいのに」と今なら思うんですけど、その時は無理でした。
辞めたら全部ゼロになると思ってたからです。
スキルも資格も何もかも無駄になると。
そうなると学校に行かせてくれた親に申し訳ないし、なにより逃げ出すみたいな形がすごく嫌でした。
そのままウジウジ4ヶ月悩み続けました。
結局最後は東北を一人旅したときに出会った酔っ払いオヤジの「そんなの辞めちまえ」の一言を真に受けて仕事をやめました。
そして退職した翌朝の始発でいつもと違う電車に乗ってみました。
行き先は”西”
その日からいろんな事が変わりました。
生きる意味とかを考えるようになった
それは2010年末〜2011年2月にかけてのこと。
日本をあちこち旅しました。
お金がないからヒッチハイクして、野宿して、食パンかじって…
今までの僕には職場と家にしか居場所がなく、自分の意志とは関係なくほとんどのことを誰かに決められた生活をしていました。
それが一転して”いつどこで誰と何をしてもいい”という事になり、まるで日本全体が自分の居場所のように思いました。
会う人会う人みんなに対して”出会うべくして出会った”と思うようになり、見るものすべてに”これを見るために生まれてきた”と思うようになりました。
大げさな表現だけど、ほんとに。
22歳の若造が自分が生きる意味について考えるのには十分な時間だったように思います。
2ヶ月の旅で貯金がゼロになり東京に戻って仕事を探そうと思ってた矢先、震災が起こりました。
仕事を辞める後押しをしてくれた酔っ払いオヤジとの出会いの地でもあり、直前にいろんな人と出会った地でもある東北。
たぶん仕事に追われてひたすらに病んでいたときの自分だったらあまり何も思わなかったかも知れません。
「行こう」
そう思って就職するのはやめて、食パンと寝袋だけ持って福島に行きました。
そこで見たもの聞いたことがその後の人生に大きく影響していて、変な話あの時行かなかったら今の自分とは絶対に違っていたと思っています。
だから毎年この日が来るとその前後の自分の行動とか「生きること」について考えてたのを思い出す。
辛いと思ったら朝違う電車に乗ってみる
今思いかえしてみると「なんで」って思うことってたくさんあります。
例えば会社を辞めたい辞めたい思ってたけど、何がそんなに辛かったんだろう?とか何かそこまで嫌だったんだろう?とか。
先輩や、間違ってると思うことや、おかしなルールだと思うものには声を上げればよかったのかも知れない。
それもせずウジウジと腐っていて、ただ『自分だけがかわいそう』みたいに思っちゃってて。
「嫌ならやめちまえ」「文句があるなら言え」
今ではそう思います。
でもその時はそういうふうに考えられなかったし動けなかった。
“何も考えられない状況”になってたのか”そういう精神状態”だったのかわからないですが。
背中を押してもらう形になったけど、僕は辞めてよかったです。
だから辞めたいって人には「やめたら?」と言います。
会社を辞めて旅して人生変わったなんて結果論でしかなく、誰にとっても得策だとは思えないし、辞めないことがいいときもあると思います。
それはわかりません。
だけど、僕はある朝いつもとは違う電車に乗った。
それまですごく漠然としていて、自分の将来にモヤがかかってるような感じで、どこに向かって進んでるのかがわからなくて生きてたけど、その瞬間から文字通り景色が変わりました。
いろんな事が無くなったけど、いろんな事が見えるようになりました。
朝日がキレイとか、何もない道をチャリンコで走る楽しさだったりとか、いろんなことに気が付きました。
いろんなものを見聞きして、気づくというのは本当に大切なことだと思います。
だから僕は旅をします。
そして何かで悩んだら、朝いつもと違う電車に乗ります。
かつての僕のように“たったそれだけの事“もできないという人もいると思います。
だけど“たったそれだけの事”で人生は好転するかもしれないということです。
いつもとちょっと違うことをしてみる。
ただそれだけなんです。
[…] 桑原さんの記事 […]