美容室では顧客満足度を上げれば良いという幻想と深すぎる落とし穴。




福井行きの夜行バスの中で寝れなくて暇なので書いてたブログ。

昨夜は新宿で独立開業のコンサルをやってきました。

最近そういう問い合わせもよくもらってたりして、美容室の専属でコンサルタントみたいな仕事もしてます。

なのでなんとなくそのような話を。

美容室で顧客満足度をあげようとすると失敗しがち

これは昔から思ってたんですけど、美容室のサービスってよくわからない不思議なもの多いですよね。

「お疲れ様でした〜!」

という掛け声とか。

その掛け声は意味があるからやってるわけで、その意味といえばたぶん活気という点であり、活気があることが「お客様のため」になるからやっているのですよね。

でも肝心のお客さんはどう思ってるのかなー?なんて昔はよく思ってました。

だって移動するたびに「お疲れ様でしたー!」と歓声が上がり、途中でトイレなんぞ行こうものなら用を足した後に「お疲れ様でしたー!」と迎えられるわけで。

「う、うれしいのか?これ?」

って、まあ思ってましたよね。お疲れ様でしたを自分でも言いながら。

そういう雰囲気のものってホントに多いんですよ。

お客さんの顔や雰囲気で読みそうな雑誌を独断と偏見で出したりとか、凝ってるかどうかもわからないお客さんの肩を揉みまくったりとか。

つまんなそうにしてる人にはめちゃくちゃ話しかけたりとか。

自分もずっとそうやって働いてたのでわかるのですが、まず美容師は別に悪気があってやってるわけじゃない。

むしろ“サービス”だとか“付加価値”だとか思ってるくらいだったりする。

ところがお客さんはしばしば2ちゃんねるとかyahoo知恵袋とかに「美容室での天気の会話ちょーうぜえ」とか「まだ20代なのにおばちゃんが読むような雑誌出されてなんとかかんとか」とかそういう書き込みをしてしまうわけです。

不思議やん、それ。

めちゃくちゃ不思議やん。

お客さんのためのサービス(顧客満足度をあげたい)で、良かれと思ってやってることがむしろ不満に繋がることがある…と。

つい見失いがちですが、もし自分が逆の立場だったら…。

天気の会話よりも施術の話を聞きたいかもしれません。

雑誌は出されるより雑誌を含めたゲームや映画視聴など選べたら嬉しいかもしれません。

お疲れ様の掛け声より個室でそっとしておいてほしいかもしれません。

でも、かといってそういう小さなことで美容室を選んでいるわけではないと思うのです。

満足度を上げるより不満度をできるだけゼロにする

結局選ばれるために必要なことはシンプルだと思います。

本質的な価値を提供できていて、ほれが良いか、悪いかだけ。

良いと思ってもらうためについついアレもこれもと付属しがちですが、お客さんにとって別にどうでもいいようなことだったら付属されたところであまり嬉しくはないのかもしれません。

それよりも、ホントに伝えたい価値を伝えるために、不安に思う部分を取り除いてあげるって事がすごく大切だと思います。

ただ一つハッキリしていることは、こちらはプロ、あちらはお客さん。

言い方あれだけど、素人さんなわけです。

薬剤がなんたらかんたら言ったところで知識レベルが違うから理解はできないと思います。

だけど少なくとも【自分が今どのような状態になっているか】がわかるだけで少し安心はすると思うのです。

そうして不安や不満をゼロに近づければ、結果的に満足度の向上に繋がります。

そしてこれは施術中の話だけじゃなく、来店前も、後も同じです。

来店前も、お客さんは不安だらけ。わからないことだらけ。

そういう状態なのに「シャンプーあげますから来て」「割引しますから来て」というは結局マッサージや会話と同じで付属品をつけているだけで不安感はかわりません。

不安が大きければ来店を戸惑うし、来店時も警戒してまともに話もしたくなくなるわけです。

だから僕は事前説明は死ぬほど大切だと思っています。

顧客満足度より顧客の不安度を気にするとうまく行く

平均的なホットペッパー経由のリピート率は10%程度。

一般的な美容室のリピート率は20%台だそうです。

5〜10人に1人が認めてくれるだけの世界。

少ないと思います。めっちゃ。

個人的には顧客満足度の概念をかえればうまく行くと思ってます。

不必要なサービスや付加価値をつけることばかりに気を取られて、本質的なところでズレていくと落とし穴に落ちます。

お客さんが来ないのは、不安や不満があるからで、それを取り去るような振る舞いをすることが本当にいいサービスであると思っているし、大切なことじゃないかなと。

そもそも美容室のサービスは高くて良い技術と接客を提供してるのだから、それだけで本来は満足してもらえます。

雑誌とか掛け声とかなくても。

安心してサービスを利用してもらえるようになれば絶対また次も選んでもらえます。

【いろんな意味でごまかしが効かないし、別にごまかす必要がない】

プロとはそういうものだと思ったりします。