昨日はチリから来た友達と飲んだ。
1年3か月ぶりの再会。お土産に重たいワインを持ってきてくれた。ありがとう…。
彼はダニエルというチリ人なんだけど僕が世界一周してるときにウユニ塩湖のある村で髪を切ってる僕を見かけたらしい。
それからインスタグラムをフォローしてくれて、日本でお店を出したときに髪を切りに来てくれた。
彼はずっと自分で自分の髪を切っていて美容室に行ったことがなかったらしく、16年ぶりに人に髪を切ってもらうと当時言っていた。
嬉しくなり、新宿に一緒に飲みに行った。
初めての日本旅行ということもあって「これがジャパニーズ居酒屋だ!」と紹介。
1200円くらいの飲み放題に「信じられん…」と驚いていた。
滞在中にいろんな人を紹介しまくり、彼は日本に友達も大勢できたようだった。
それから1年半後。また日本へ遊びに来た。
連絡をくれたので山梨の地元を案内したのだけど、彼はその時ブチギレていた。
山梨に来る前に訪れた高松でのこと。
居酒屋にすっかりハマった彼は高松でも居酒屋へ行こうとしたらしいが行く店行く店断られたという。
「NO」とだけ言われて追い出されたと。
ものすごく嫌な思いをしたらしい。
実は僕もインドで同じ経験がある。
宿がなくて困って探してたんだけど顔を見るやいなや「NO」と言われる。
何がNOなのかもわからずイライラしたし差別されているのか?と悲しくもなった。
あとから知ったのだがインドは外国人が泊まれる宿は特別な許可がいるとかなんとかで、たぶんあまりにもマイナーな街だったから外国人用の宿が少なかったのかもしれない。
知らんけど。
おそらく高松の居酒屋だって断りたいわけじゃないんだけど「英語話せないし」「英語のメニューもないし」って感じで断らざるを得ない。
ところが英語での断り方もわからない。
結果的に「NO」なのかなと。
彼には「たぶんそうなんだよ、ごめんね」とそのように説明した。
2日に渡り山梨を観光案内してて思ったのだが、山梨も似たようなもんだった。
まず有名な名物が食べられるお店にさえ英語のメニューがなかった。
難しいことじゃない。
うどんはJapanese Udonとか書けばいいし、ビールはBeerと書けばいい。
中学生だって作れる。でも作らないのだ。
なぜだろうと思ったが、必要ないのだ。外国人観光客が。
地元の焼き鳥屋のおばちゃんが「あんなわけわからない者は来なくていい」「地元のお客さんだけでやれてるから来る必要ない」みたいな事を言っていたが、つまりそういう事なのだと思う。
あんな日本語もわからんやつはいい、”売上として”はいらん、と。
ちょっと待てと。
ちょっと待ってくれと思うのです、僕は。
確かに外国人観光客が来る前からやっていたようなお店はそれで成り立ってると思うから”経営的には”来なくていいのかもしれない。
でもそうじゃないんだということを伝えたい。
外国人観光客は日本に何を求めてやってくるのか?
「楽しみたい」
シンプルにそれだけだ。
僕らはそれに応えなきゃいけない。
日本に住む、日本人だから。
外国人観光客が来て売上がどうとかそういう事じゃなくて、「日本好き!」「日本に来るのが夢だった!」「日本食が好き」そういう一人ひとりに僕らがやらなきゃいけないことがあるんじゃないか?
そう思ったから、山梨でゲストハウスなどの仕事を始めた。
1年3ヶ月前の僕は海外に行きたくていろいろ悩んでた。
でも山梨でやってみたいと思った。
日本に来て良かった。あの街が楽しかった。
そういう事を僕もたくさん思ってきて、チリでもどこでもたくさんの人に助けてもらって教えてもらって楽しい思い出がたくさんできた。
また行きたいと思える場所、また会いたいと思う人、また食べたいと思うもの、本当にたくさん。
それを日本に来る、山梨にくる外国人観光客にも思ってもらいたいなと。
僕ひとりの力では大したことはできないんだけど、でもやらないよりマシ。
「NO」ではなく「Welcome」と言える場所を作りたい。
そうして今に至る。
そのきっかけ、気付きをくれたのはダニエルだった。
昨日ダニエルの友達も一緒に会ったんだけど、彼は「本当に日本に来るのが夢で、ダニエルに頼み込んで連れてきてもらった」と言っていた。
日本の文化を知ろうとし、日本という国を見ようとし、楽しもうとしてくれる人。
嬉しいことじゃないですかね。
僕は個人的に思うんだけど、特に田舎の人は「外国人なんか」みたいな言い方するけど本当にそんな事ない。
マナーが悪いのではなく、マナーの違いなだけ。
優しく教えてあげればいい。
日本人がズルズルすすってうどんとか食べるのも、茶碗を持ち上げて食べるのもマナー違反と言われる地域や国がある。
それと同じであって、悪いことをしているわけではない。
むしろ日本人に対しても丁寧に、日本に対してリスペクトしている人の方が圧倒的に多い。
旅人目線で考えると、異国の地で無茶やる人なんかほとんどいなくて。
それはリスクしかないから。
すこし外国人に対しての先入観みたいなのが強すぎるのかなと思うことがある。
外国人観光客が確かに増えてる。
だけどそれは悪いことじゃないし、止められることでもないのだから開き直ってコミュニケーションをとりにいって仲良くなったらいい。
綺麗事に聞こえるかもしれないがどこの国の生まれでも人は人。
自分も外国人として海外で過ごしてきたから思うことかもしれないけど。
実はみんなそんなに変わらない。
怖がる気持ちもわからなくはないんだけど、日本に初めてくる外国人観光客の方がたぶん怖がってるから、少しだけ勇気を出して手を差し伸べる事にはすごく大きな意味がある。
拒否ではなく、自分が海外でされたら嬉しいなと思うことをしてあげる人がもっと増えたら、日本はもっと幸せな国になると思う。