何やってても、どんな仕事しててもそうだと思いますが「うわ…めっちゃ大変やん」「辛すぎ… 」みたいな事ってあると思います。
今回はそんな闇モードから脱出する方法について書いてみようと思います。
辛いときは誰にでもある
今はいろんな美容師さんがお金わざわざ払って人生相談しに来てくれますが、そんな僕もめちゃくちゃ悩んでた時もあるし「まじ辛い…」と思ってたときもあります。
誰でも少なからず「辛い」と思ったり「大変やな」と悩んだりした経験はあると思います。
それで挫折する人、耐える人、やり直す人、いろいろだと思います。
実際僕は病みまくって2年で1回辞めてるし、復帰してスタイリストやってたけどいろいろ疑問を感じてました。
だから外の世界を見てみたくて2年くらい海外行って、いろんな経験をもとに描いた理想の美容室を作りましたが、それでも「キツイ」と思った事が何度かありました。
いろいろ曲がりなりにも続けてきて、美容師歴も一応10年くらいになって、今は十分生活もできてるし、幸せだと思えてます。
その中で1つ思うのが「辛いことも自分が変わればそう感じなくなる事がある」ということ。
例えば僕は田舎者なので、専門学生のときひたすら青山とか表参道とかでやりたいと思っていました。
そのエリアにあればサロンはどこでも良くて。
今となっては「選ぶ理由そこかよww」とか思うのですが、当時はなんかガチでそう思ってました。
そこから神奈川県の相模原市に転勤になり一気に「うわ…ツラ…」ってなったわけです。
その頃の僕の中での常識は【青山=スゴイ】だったので、青山でやっとけば良いもんだと思ってました。
アホですね。
自分がすごいわけではなくて土地がすごいだけなのに(笑)
たぶん今やってる高円寺に転勤してたとしても同じこと思ってたんじゃないかと思います。
当然今は「高円寺がイヤだ。辛い。」とかないからお店をやっています。
その頃とは感覚というか見方が変わったということですね。
その感覚や見方を変えるにはある方法があります。
とりあえずヤメてみる重要性
お店ヤメたらいいやんとか言う話ではなく…
“ヤメてみる”というのはすごく大切なことなんだなとある時気が付きました。
辛いとか大変とか思ってるときって、絶対的に原因があるはずです。
その原因となるものをやめることができたら話は早いですが、それができないから人は悩みます。
例えば「お店やってるけど(フリーランスだけど)お客さんが来なくて辛い」という人の場合、単純な話美容師やめて転職すればその悩みはなくなります。
でもそれは解決ではないわけです。
だから今の環境下でどうにかしようと悩みます。
多くの人は何かしら悩んでる事を改善しようとした時にいろいろとプラスしようとします。
例えば集客がうまく行かない時に「じゃあみんなでチラシ配ろう」とか。
単価をあげるために「○○をメニューにプラスしよう」とか。
そうする事で成果は上がるのかもしれませんが、反対に失うものもあるはずです。
失うものはたいていお金か時間です。
どんどん使うお金、使う時間をプラスしていけば「お金がかかって大変」「時間がないから大変」というふうになってしまいます。
僕は反対にどんどんヤメていくというやり方にしています。
ヤメるものは3つです。
・お金と時間がかかることをヤメる
・一般的に考えることをヤメる
僕は日本に帰国してすぐフリーランスをはじめて3ヵ月半後にUp to Youをオープンさせました。
基本的にはブログだけでお客さんに来てもらってたのですが、いくらブログを見てきてくれる方がいるといってもそれだけで余裕でやってけるほど多いわけではありませんでした。
しかもめっちゃ遠方から来てくれたり同業者ばかりが来てくれてて、全然リピーターも増えませんでした。
リピート産業の美容室ビジネスでそれは一般的にみると結構致命的です。
フリーランス+オープンしてからの合計1年9ヵ月の間で高円寺在住で来てくれた方は10人くらいです。
9人だったかな…(笑)
やっぱりいろいろ不安だったし、いろいろと悩みました。
毎日たくさん新規が来てくれる週もあれば、全然来ないときもありました。
それでも家賃は払わなきゃいけないし、生活もしなきゃいけないしで、そん時はやっぱり「むっさ大変やん」「辛いぜ…」って思ってました。
とりあえず飛び込みの人が来るかもしれない…とお店でひたすら待機したり、チラシ配りとポスティングも始めました。
やってみて途方もない時間がかかることがわかったし、そもそも楽しくないくてしんどかったです。
営業活動で居酒屋に行ったりもしました。
雰囲気の良さそうな高架下のバーに通ったりもしたんですけど、お金はかかるし疲れるし。
来てくれたお客さんが「飲みに行こう」と言ってきたらこれも営業だと思って一緒に飲みに行ったり。
お店にお客さんを呼ばなきゃいけないというプレッシャーでそういうことしてましたが、貯金したいはずのお金はどんどんなくなっていき、それが余計にプレッシャーで。
そんな時ふと気がついたのが「辛い」ことを改善しようと行動してることによりよけい辛くなってる…!ということでした。
だから全部やめました(笑)
チラシは結局100枚くらいしか配らなくて、余ったやつ全部捨てました。
居酒屋も営業目的では一切行かなくなって、お客さんにご飯誘われても常連さんでなおかつ気分がのる時以外は一切行くのはやめました。
辛いこと、大変な事を改善するためにどんどんプラスしていった結果、どれほどそれが自分の首をしめていたかというのはやめてから気が付きました。
いろいろやめたら金銭的な部分と時間的な部分がガラッと変わり、自分の為になることをするようになりました。
あとはお店も完全予約制に変え、予約が無いときはしめる事にしました。
「今から切れますか?」という人がいたかもしれないけど、待ち時間がもったいないし待ってることがストレスだったのでやめました。
何でもかんでも「これは大変」「これは無駄」だと思うものは削っていき、それでできた時間とお金を自分が大切だと思うことに使うようになりました。
あとは「好き」と感じるものや興味があるものに使うようになりました。
ブログ書いたり、ネットの仕事を始めたり…
講演をして自分のスキルをアップさせたり…
何が無駄か、何が大変か、何が必要か、何が楽しいかは人それぞれの感覚によるのでわかりませんが、自分のベース(美容師とかオーナーとか)は残しつつ、その上に乗っかってるものをどんどん削いでいったらすごく楽になってびっくりしました。
気付けば全然辛くなくなってて、むしろ楽しくて。
ブログ書いたりオンラインサロンやったりセミナーやったりしてたらそれ繋がりで人が美容室に来てくれるようになったし、なんかそれでいっかと思えるようになっていました。
その過程のなかでめちゃくちゃ感じたことが【一般的に考えることはヤメよう】ということ。
常識にすり合わせる必要なんてない
そもそも、なぜ美容室をやってるからといって近場のお客さんを集客してリピートさせなければいけないと思っていたのか?
美容学生→アシスタント→スタイリストと成長してきた中でそういう環境しか見てこなかったし、美容室はそうであるべきというある種の常識が頭にこびりついてたからです。
もちろんそれは間違ってません。
ただ、一般的な考えと僕の考えとやり方を比べたときに全然違うというだけで、別にそれも間違ってないじゃん!と思うようになりました。
接客中に電話がなったら出ないといけないと思ってたけど、それも違うなと思ったからやめたし(もう解約した)、新規の人のほうが安いのは違うなと思ったから新規の人と常連さんでメニューをわけました。
「常識的に考えて〜」とよく言う人がいますが、よく考えたら常識にすり合わせる必要なんて1ミリもなくて、自分とそこに足を運んでくれるお客さんが良ければそれで良いわけです。
24万件も美容室があって50万人も美容師がいるのであれば、極論50万通りのやり方があってよくないか…と思うんです。
なんか手荒れなどもそうなんじゃないかと思います。
僕にとってはシャンプーする事はなんでもありませんが、荒れる人からしたらそれは【大変】な事です。
夜も寝れないくらい荒れるというのもよく聞くし、それが原因で美容師やめた先輩や後輩もたくさん見てきました。
美容師は好きだし続けたいけど手荒れが辛いから辞める…って人は単純な話、シャンプーやめたらハッピーになれます。
昔そんなことをブログに書いたら「お前は手荒れしないから手荒れしない人の気持ちはわからない。お客さんの為にシャンプーは我慢してでもしなくちゃいけないから病院通ってでも頑張るべき。手荒れしても頑張ってスタイリストになったんだよ俺は」みたいな事を言われて「え…なんなの」と思いました。
なぜ美容師は必ずシャンプーしないといけないと思ってるのか…という話です。
カット専門店とか、自動シャンプーがあるお店で働くとか、道はあります。
そこで美容師を続けて手が良くなって辛い思いをしなくなるのであればそれでよくないか…と。
どの世界にも、どの業界にも一般的に〜とか常識的に〜というのはあります。
でもそれは絶対ではないです。
多くの人に当てはまっても、自分には当てはまらない場合もあるということです。
常識的に考えすぎて、結果として「大変」「辛い」ってなってるときって、いろんなことに対して純粋に感動できなかったり、感謝できなかったり、ゴチャゴチャ考えてしまうものです。
それどころじゃなくなっちゃうというか。
それが1番もったいない事かもしれません。
オープン当初と変わらず、今でもお店には遠方からお客さんが来てくれたり美容師さんが多く来てくれますが、やっぱりなんか以前とは少し思いが違います。
ホント純粋に楽しさを感じられるというか。
むしろ高円寺の人が10人しか来なかったみたいなのがネタになってるくらいです(笑)
Up to Youは高円寺の人は来なくとも、世界中からいろんな人が来てくれる美容室…
そういう存在はなかなかないと思うので、むしろめっちゃ嬉しいです。
8月9月でモロッコ、トルコ、カナダ、アメリカ…などからわざわざ髪やりに来てくれた方々がいて。
嬉しいですね、ホント。
1回きりでも、次は1年後だとしても全然良くて。
「辛い」が無いって素晴らしいことです。
プラスではなくマイナスをあえてやったり、自分の感覚や考え方を少し変えるだけで、見える世界はめちゃくちゃ変わります。
幸せに生きるのが1番。
そんなお話でした。