1年半前にある美容師に言われたことが悔しくて僕は勉強しはじめた。

1年半前に「これからは絶対フリーランスがくる」「雇用のされ方を考えるべき」「実力がある人はフリーランスになったほうが収入があがる」「経験を安売りするのはもうやめるべき」みたいな記事を書きました。

そこそこいろんな人に読まれました。

当時はまだ今ほどフリーランスというのも多くなく、フリーランスってなに?みたいな人も多かったし安売りすんなとか消費者ナメてんの?と同業にディスられたりもしました。

その記事に会ったこともないある雇われ美容師さんからコメントがつきました。

「そんな事言うならフリーランスに歩合50%以上払ってお店やってみろ。絶対潰れるから」

と。

いやいやいや何を言ってるのか…と思ったんで返信をしたら「うちは社会保険もはらってもらって完全歩合でやってます!ドヤ」みたいな事が返ってきました。

意味がわからないのでさらにツッコんで返信したらどうやら元経営者なのだそうです。

雇用→独立→失敗→雇用

で今はある美容室で店長かなんかをされているとのことでした。

その美容室は株式公開してるので知ってたんですけど雇用形態しかなく、フリーランス契約をしているような会社ではなかったんです(今はわかんないけど)

だから経営者だった人がそれをマジで言ってるの?と正直ビックリしました。

というのも、雇用されている立場で完全歩合は100%ありえないからです。

なぜなら会社は雇用した人に対していろんな【保障】をする義務あって、給料に関しても”仕事内容に関わらず”最低このくらいは払うってルールがあるわけです。

完全歩合は成果報酬とよばれていて、やればやっただけもらえる反面やらなければ1円だってもらえない仕組みです。

つまり保障がないわけなので、雇用されてて完全歩合なんてのはあり得ない話なんです。

それにフリーランス契約をしてて「歩合○○%バック」というのも結構普通に言われてるけど、本当はおかしな話。

フリーランスに対して集客や材料提供などのサポートを店舗がしていて「そのサポート料で売上の○○%もらいます」ならいいけど、ただ貸してるだけのオーナーが「売上をバックする」というのは根本的に間違った考え方です。

本来ならばフリーランスとお客様という関係の中ですべて完結することで、売上に関してはオーナーが関与すべきことではないからです。

これが仕事のやり取りで、フリーランス美容師はオーナーに対して使用料を払えばいいだけ。

仕事をするための場所がないから、そこを貸してもらってるのがフリーランスです。

売上をバックするというのはこういうこと。

その理屈だと、美容室の売上も全額テナントオーナーにわたして、そこから50%もらうってさらに経費を払うなんてことになるわけです。

一般の人で言えば、会社でもらった給料が住んでるマンションの大家さんの手元にいき、大家さんから給料全額の50%を返されるみたいな。

ちょ、待てよ…ってなるんじゃないかと思います。

でもそれと全くおなじ事をやってる人もたくさんいれば、面貸しはそうやって借りるもんだと思ってる人もやっぱりいます。

これは良い悪いの話ではなく、完全に間違ってると言い切れます。

%で言うならば「売上の○○%をサポート料や賃料としてもらいます」が正解で、もらうとバックはまったく話が違うわけです。

そういうのを平気で言ってのける人が人育ててたり、店やってたんだ…と思うとなんかいろいろショックと言うか考えさせられました。

それでいろいろ言われたのがなんとなく悔しくて、それがきっかけでその頃からいろんな経営者に会ったり、勉強をするようになりました。

勉強をすればするほどこう思うようになりました。

「何か自分でやろうと思ったとき、社会の仕組みとか、組織の仕組みとか、お金の仕組みを知らないと結局どこかで損をする」と。

小さな損でも積み重なれば大変なことになります。

気づいたときには貯金もなく、転職…なんていうのは普通にある話なのではないかと思います。

痛い目見るのはいつも”知らない側”です。

【雇用、フリーランス契約とは何か?】

をちゃんとわかってないと、オーナー側も働く側もリスクが大きくなります。

そのリスクはこれからどんどん大きくなります。

最近そういう人を一人でも減らそうと思って本格的に動き出しました。

それについて毎日脳から血が出るほどいろんなことを考えて考えて、人に会って自分の考えを話してアドバイスもらって。

そうやって考えていろんな人と話して紙に書いて整理して…って繰り返してる中で見えてきたことがあります。

僕はまだ未熟だけど経営とかの勉強もしてきたし、今会社と事業作ってるし、それなりに美容師も独立も店もやってきました。

今は経営者目線で物事を見てるけど、美容師目線でも見れるし何よりアシスタントも雇われもフリーもオーナーもやってきたから気持ちがすごくわかります。

とりあえず仕組み作ろうっていうのは経営者の発想で、気持ちでがんばろうっていうのは美容師の発想で。

これからはその中間地点が出来る人が必要だと思いました。

気持ちだけで雇うことも店出すこともできるけど、仕組みがわからないからどこかで悩むわけだし、仕組みだけで店出すこともできるけど働いてる人の気持ちがわからないから悩むわけだし…

どちらのやり方が間違ってるとかじゃないですが、悩んでたとしたらどこか考え方を変えたり目線を変える必要はあるんだと思います。

自分はどちらの目線も経験も今持ってるから、自分にしかできないことをやろうと思ってます。

新しいことをやってく中で、何1つ不安がないんですが、それも理由があります。

自信持って僕にしかないと言い切れるものがあるからです。

それは圧倒的に美容師と話してる数。そして悩みを聞いてきた数。

仕事としてって場面がほとんどだったけど、ざっと考えてもここ1年半で少なくとも500人くらいとはチラッと話してるし、うち200人くらいはガチでコンサルしたり飲みながら話したりしました。

その時に話してもらった情報、環境、やりたい事、想い。

それが頭の中に残ってて。

それに取材などを通して話したメーカー、ディーラー、出版社などの美容業界に生きる人たちの声や、世界中で見てきたいろんな美容師の姿や働き方や生き方も鮮明に覚えてる。

その一人ひとりの声と情報っていうのは、お金出して買えるものでもないです。

運が良かったとしか言えないけど、僕は生きてる過程でそれができた。

その中で見えてきたものをできるだけ多くの人にシェアして行きたいと思ってて、それが今僕が会社作ってまでやりたいと思ってる事です。

僕の中では先々の未来まで想像はしてるけど、未来は1ミリも不安じゃなくて、むしろどんどん気持ちが強い美容師にとっていい世界になるとしか思ってません。

100%確信してます。

その方法を今本当に困ってる人には伝えたいです。

でも僕はなによりも時間が1番大切なので、一人ひとり訪ねて話すザビエルみたいな事はできません。

かと言ってブログに書いたってネジ曲がって伝わるだろうし、どーしたらいいもんかと最近考えているところです。

動画は恥ずかしいし…

地方を無料説明会やってまわるとかも考えたけど、それだと店にお金払ってコンサルしに来てくれるお客さんに悪いし…

あ、でもコンサルは会話だから別か…

なんかいいアイデアないかなあ…

浮かんだら即実行します。

とりあえずそんな事も含めて12月初旬に札幌に行こうか計画しています。

なんかふと1年半前の事を思い出した(なんか突如夢に出てきたw)ので書いてみました。

でも過去は過去。

今楽しければいいよね。

今日も頑張ろ。

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