サワディーカー
現在ラオスにおりますが、昨日まではタイにいました。
真冬の日本と違い、暑い。
僕はタイが大好きです。
22歳の夏休み、慣れない海外1人旅で右も左もわからぬまま初めて訪れました。
その時はたくさんボッタクられたけど楽しい思いもたくさんしてハマってしまい、気づけば6回も行ってしまいました。
そんなタイへ今回は両親と一緒にやってきました。
アラサーになっても現役バックパッカーの僕の両親は不思議とパスポートも持ってない旅ド素人。
おじーちゃんは一人旅が好きだったようですが、とにかく両親は田舎山梨からまともに出たことはありませんでした。
行ったのが30年前の新婚旅行と20年前のハワイくらいだとか。
遺伝とは本当に不思議です(笑)
両親とバンコク観光
一緒に行くと言っても現地集合の現地解散。
バンコク待ち合わせでした。
しかも初日(4日夕方)に待ち合わせるはずだったのが、僕らのちょっとした都合により僕らの到着が5日早朝になってしまったんです。
なので4日は自力で空港から宿まで行ってもらうことに。
タクシーだと死ぬほどボラれそうなので、バス&電車で行く方法を教えました。
翌朝合流して昨晩のことを聞いてみると「駅から宿まで迷ったけどオジサンが連れて行ってくれた」とのことで。
「平気かな…」とちょっと心配だったのですが、なんとかなったようでした。
そこからとりあえずバンコク観光開始です。
初日はサイアムというショッピングエリアでのお買い物から始まり、お寺巡りをしたり、中華街へ行って飲んだり。
翌日はパタヤビーチに海を見に。
パタヤでテキトーに入ったレストランでトムヤムクンやらグリーンカレーを食べて飲んだり。
そうです。とりあえず飲んでばかりなのです。
僕もまあまあの飲んだくれなのですが、僕の両親ももれなく飲んだくれです。
ついでにキャンベルも飲んだくれなので、もうタイってビール安いし飲むしかありません(笑)
他にも船に乗ったり
お寺を見たり
夕陽を見たり
まあなんかとりあえずいろいろ行きました(雑)
「どこに行きたい?」と事前に聞いたときにあげてきたような場所は《ワットポー》《王宮》《ビーチ》《チャットチャックマーケット》《アユタヤ遺跡》などでした。
それらはやっぱりガイドブックに載っている観光地。
初めてのタイツアーとしては定番中の定番なのでとりあえず全部行ったんですが、7回もタイに来てるバックパッカーとしてはローカルなところやカオスなところなども連れていきたいわけです。
そこで向かったのが…
カオスな夜を体験
3日目の夜、僕たちはカオサンと呼ばれる通りへ向かいました。
そこ自体は有名なのでガイドブックにも載っているのですが、たぶん日本の50代60代の人はなかなか近寄らないのではないかと思われる場所です。(見たことないw)
高級な店とか普通な店もいいけど、こういうのも”旅人らしい”感じがして一晩くらいいいでしょ…みたいな。
とりあえず日本では食べれなそうな鳥の足とかをツマミに屋台で飲み始めました。
そこからは裏技的に美味しい屋台フードなどの食べ歩きツアーです。
スキヤキ食べたり、お粥食べたり、カオマンガイ食べたり…
ビールを飲みながら歩きまわりました。
途中で母親が食べたことがないというのでドリアンを食べさせてみたり…
酔ったオヤジが虫を売ってる屋台でサソリを食ってみたり。
タイのカオスなストリートでいいオジサンとオバサンがビール飲みながらキャーキャー言っててなかなかに面白い光景でしたw
旅人の親はやはり旅人だったw
その後、酔った勢いでバーに飲みに行こうという話になり、どーせならと「ナナプラザ」へと向かいました。
ナナプラザというのはカオサンからタクシーで20分程のところにあるバーがひしめくエリア。
女性や、女性か男性かわからない方々がポールダンスを踊り、客は気に入った女性と隣の席で飲んだり外にデートしにいったりします。
いわゆる夜のディープな体験ができる場所です。
日本からもおじ様がタイの若い女の子とイチャイチャするのを目的にお忍びでやってきたりするところなのですが、まさか母親とそんなところへ行く日が来るとは夢にも思いませんでした。
いや、ホントは行きたくなかったですよ。
めっちゃ気まずいじゃないですか(笑)
でもなんか乗り気だったので…
結局一通りサラーっと歩いて、あまり人気がなさそうなオカマバーで飲んで帰りました。
そんで、深夜帰ってからもウイスキーを。
飲ん兵衛一家らしく、とにかく飲んだくれまくってた4日間でした。
「いつか」は突然来なくなる
最終日、これまたガイドブックには載ってないようなタイ人に人気のローカル焼肉屋さんに行きました。
キャンベルは相変わらず食べまくってました。(笑)
そこでエビやらカニやらもたくさん食べ、最後は空港行きタクシーまで送ってお別れ。
楽しんでくれたようでよかったです。
実は今回の旅行に行くきっかけになったのは結婚式でした。
結婚式のときってよく両親に花束とか上げると思うんですが、花は枯れてしまうしどーせなら僕達らしいものをあげようと10万円分の旅行券をプレゼントしました。
今回それを使ったわけではなかったんですが、それきっかけで一緒に旅行に行くことになったのです。
航空券のとり方もわからない。
ホテルの予約の仕方もわからない。
パスポートさえもってない。
そんな感じだったのですが、僕には1つ思いがありました。
22歳くらいのときのある日、本屋さんに行った時に気になって手に取った本がありました。
《親が死ぬまでしたいこと55のこと》
その本には「仮に親が現在60歳とすると・・・ 20年×6日間×11時間=1320時間 つまり、あたなが親と一緒に過ごせる日数は、あと55日間しかないのです!」と書いてあり、55の様々な過ごし方が書いてあります。
・親の初恋を聞く
・自分が生まれたときの話を聞く
・親の結婚記念日をお祝いする
・親に手紙を送る
などいろいろとあるのですが、そのうちの一つに【海外旅行につれていく】と言うものがありました。
あ、これだ。
と思って、いつか絶対に連れて行こうとその時に決めました。
時はたち、2014年から2015年に僕は世界一周の旅に出ました。
世界には様々な国があり、様々な文化、様々な人がいるということを知りました。
人と話すこと、見ること、食べること、困ること、楽しむこと、迷うこと、全部含めて本当に素晴らしいものでした。
そういう経験をしてきたからこそ、どーせ両親を海外旅行に連れて行くのであればパッケージされたツアーものではなく、ただ観光地で写真を撮るだけでなく、楽しいだけでなく、少しでも人と関わり悩み考える旅をしてもらいたいと思いました。
タイでいつもお世話になってる宿のおばちゃんに紹介したり、ビーチやストリートで外国人旅行者と話したり。
新婚旅行ぶりの夫婦2人での海外旅行ということだったので、半分くらいは2人で観光や買い物をしてもらいました。
行き方や電車の乗り方を詳しく教え、地図を渡し、集合場所と時間を決めてバンコクの街に放り出す。
冷酷だと思われるかもしれませんが、そうする事で2人きりになるだけでなく、たくさん悩んでくれたらいいなと思いました。
ボッタクられてもいいし、道に迷ってもいい。
困って悩めばそれは教訓となり、次に活かすことができる。
そして人の優しさを知ることができる。
実際道に迷った時に案内してくれたオジサンがいて、お礼?にそのオジサンのやってる屋台でご飯を食べたそうです。
ガイドさんとバスに連れて行ってもらうだけのツアーでは一生できない経験を今してくれたら、また今度は2人できっと海外旅行に来れるはずです。
人生が残り20年か30年かわからないけど、年1回でもたくさんの場所に行くことができます。
「息子が見てきた世界はそんなに怖いものじゃない」「また海外に行きたい」そう思ってくれてたら、今回一緒に旅行したのは成功だったんじゃないかなと思います。
いつかやろう、いつか行こうって思ってても何も始めなければ”いつか”は突然来なくなってしまいます。
それは両親にも言えることだし、自分たちにも言えることです。
“いつか”両親を海外旅行に連れて行こう。
“いつか”結婚記念日をお祝いしよう。
後回しにしてたら”いつか”はいつまでも来ません。
僕も時間かかっちゃったし、お金まで出したわけじゃないけど、それでも今回本当行ってよかったなと思いました。
4日間も一緒に過ごすなんてこと、ここ10年あったかなぁ…
昼から海眺めながらビーチで酒飲んで話したり、そんな小さなことさえも大人になるとなかなかできません。
慌ただしい社会なのかもしれませんが、少しだけでいいから貯金して、少しだけでいいから時間作って、家族とそうやって過ごしてみるのも大人になった今だからこそすごく”意義”があるように思います。
いつかではなく、できるときに。