たまに書きたくなる、社会にぶん投げたいコラム。
日本で情報弱者になるとどうなるか
情弱とは情報弱者の事でネットスラングとして「常識知らず」とかそういう勉強不足ような意味合いでも使われたりする言葉でネガティブなものだけど、もともとの意味としては【情報を得られない人】の事をいう。
最近コロナで倒産とか貧困とかいろいろ社会問題が騒がれている。
コロナのせいにもしたくなるかもしれないけど、たぶんこの国にとってはコロナだけが原因ではない根深いものがある。
宇宙へ行った前澤さんがお金を配れば【私がどれだけつらい思いをしているか】というアピールコメントがずらりと並ぶ。
そういう光景を見ていていろいろと思うこともあるが、それがちょっと先の社会の縮図なのだろう。
よく格差格差と言われるけど日本は格差というより前世代の一億総中流階級が一億総下流階級化しているといったほうが正しい。
勝ち組は一定数いるし、これからも変わらずいる。
その層と貧困層と言われる層を比較して格差と言っているのではなく、その層と全体を比較して格差があるというのが日本の姿だ。
それがより顕著になっていくのは統計を見ても明らかだし、政治家や企業が頑張ってもどうにもならないことだとは思っている。
インターネットに接続できない人がいる
実は現在日本の相対的貧困層といわれる年収が平均年収の半分以下の層(年収200万以下)のうち20%はインターネットに接続できない環境にいるという。
この”接続できない層”と”接続できる層”の格差はかなり深刻だと思う。
日本はなぜかネットリテラシーが低くてIotとかDXとかキャッシュレスとかなにそれうまいの?っていう人はとても多いが、流石にSNSとかは若い世代はみんな使ってるものだと思っていた。
山梨という地方にいってたぶん一番驚愕だったのはネット広告は当たり前のように浸透していないし、SNSやホームページやブログを店がマーケティングとしてほぼ使っていないことには驚いた。
だからこそWEBマーケティングにはチャンスがあるし結果も出たのだけど、それよりも個人もあまり活用している人がいないことに驚いた。
お客さんにSNS上での紹介キャンペーンと称して拡散してくれたら〇〇プレゼントみたいなよくあるやつをやってみたときは、インスタグラムやフェイスブックの使い方がよくわからないという声を本当にたくさん聞いた。
シェアのやり方もわからないと同年代の女性が言っていたのにはびっくりした。
インスタグラムとかもなぜか圧倒的にみんな鍵アカウントなので、それも関係しているのかもしれないけど地方においては単にインターネットの重要度が低いということなのだと思う。
店にしても個人にしても、必ずしもなくてもやっていけるというかそういう部分はかなりあるように感じる。
このような地域別、また高齢者など年代別でもインターネットへ接続できる人のパーセンテージというものは変わってくる。
ただ、これまでがどういうやり方だったかということはあまり関係がなく、一律で言えるのはネットに接続できない(使えない)情報弱者は今後かなり厳しい生活を強いられるということ。
デジタル格差がうまれる
これから世界はインターネットありきの世の中になっていくため、日本でも同様のことが当然起こる。
というかすでになんでもデータ化、ペーパーレスになってきているし、キャッシュレスも普及してきている。
アマゾンでポチれば商品が買えるし、仕事をするにしても会社に出社する必要だってなくなった。
来年にはペットショップで売られる猫にゃんにマイクロチップが埋め込まれてネットで個体管理されるようになる。
とてつもなく速いスピードで常識が変わっている。
今後ありとあらゆるものがインターネットと接続されてデジタル管理されるようになってくる。
とても便利でスマートな世の中になる。
ただその裏側で【デジタル格差】が生まれるわけで、その傾向がすでにある。
概念としてキャッシュレスが理解できない人も一定数いるように、IotやDXといった概念が理解できないという人もいる。
ブロックチェーン技術にしてもそう。
世の中の新たな仕組みとルールに対して馴染むことができない、対応できない、使えないという人にはこれからたくさんの機会損失がある。
たとえば経済活動、教育、サービスなど。
サービスには企業が出すものだけでなく国や行政が出すものも含まれる。
また様々なものがデータ化されていくのであれば、データの重要性がものすごく上がる。
セキュリティ対策やバックアップも必須で、そこもネットリテラシーに左右される部分だろうと思う。
「わからない」という人はデバイスがあってインターネットに接続できても、その恩恵をわずかしか受けられないかもしれないし、インターネットに接続できない人はそもそも受けられない。
年収200万以下で相対的貧困と言われる層が拡大しようとも、このルールは絶対に変わらない。
なぜなら尻すぼみな日本と反対に世界は今後拡大していくから。
世界的には人口も増えるし、生産性も上がり、所得も上がり、国や企業の価値も上がる。
途上国と言われていた国がお金持ちになり、所得が上がらない日本はいずれ追い越される。
タイ、ベトナムなどの東南アジアやフィリピンやインドネシアの発展はものすごい。
今でも先進国からは「日本は安い。」と言われてしまっているが、そのうちアジア諸国からも「日本は安い」と言われる時代が必ず来る。
国や企業の価値が上がるということは株価があがり、通貨の価値が上がり、物価が上がることを意味する。
日本は様々なものを輸入している国だから、その物価の上昇には間違いなく影響を受ける。
スマホが買えなくなるかも
よく食品の値上げがニュースになるけど、僕が思うに深刻なのは【デバイスの値上げ】じゃないかと思っている。
半導体とか部品の値上げも当然あると思う。
それによってスマホの原価が上がれば国産品でも値上げはされるだろう。
GAFAのようにもはや国の枠を超えて力を持った企業が世界に基準を合わせて価格を決めることもあると思う。
アップルはアイフォンを10年で3倍まで価格を上げた。
2021年に発表されたものは19万円もするらしい。
それにさらに通信費などがかかってくるとしたら、もはやスマホは高級品だと言える。
僕は昔からアンドロイドの1万円くらいのスマホしか使わないのだけど、それで十分仕事だって旅だってできるし、何でもできるからとても買う気にはなれない。
けど日本にはアイフォンユーザーが約60%もいる。
24回払というローンを組んで買うから毎月の負担が少なく買えるとしても、それが25万とか30万とかになったら流石に買えないという人も増えてくると思う。
そしてたぶんそういう時代もやって来る。
デバイスが買えない、ネットに接続できない、接続できても使えない。
そういう理由からこの国では情報弱者が増え、デジタル格差がより広がっていく。
デジタル格差が広がることにより経済格差や教育の格差ももっと広がる。
なぜかほぼ話題に出ないけど、このデジタル格差こそ結構深刻でやばい問題じゃないかと思う。
ネットの使い方だってもしそれがめっちゃ難しいのだとしたら普及するわけがないから、簡単なものであると理解して取り組んでみることが大切で、苦手意識があったとしてもやらないことが損といえる時代にもうすぐなってしまうだろうと思う。
企業や店舗にだってWEBマーケティングのスキルと知識は求められるし、それは常々書いているけど、やらない事による損失のほうが大きくなっていくと思う。
倒産や閉店のニュースが最近良く出るけど、コロナウイルスの影響だけでなく時代の移り変わりに乗り切れなかったというのも原因としてあると思われる。
もうすぐ2021年も終わってしまうけど、来年はもっとスピードが早くいろんなことが変化していくと確信しているから少々の不安はあれど基本的には楽しみでもある。
企業として…というだけでなく個人としてもいろいろ動いていきたいし、やはりネットがあることにより可能性が無限に広がっていくイメージがあるから僕はやはりいい時代になったと感じる。
世の中の動向も自身の環境も、受け取り方次第だし環境を作り変えることも昔より簡単なのだと思う。
なんにせよそういう時代だからこそ情報の精査が必要だし、取捨選択をうまくすることが求められ、常識化していく。
それが新時代のスタンダードなのだと考える。