衝撃的なニュースが流れてきました。
ご存知でしょうか、日本人男性がコロンビアで殺人事件に巻き込まれました。
まだ22歳の若者だったそうです…。
以下ニュースより。
コロンビア警察 殺害された日本人はイザキ・リョウさんと公表
南米コロンビアで19日、日本人男性が何者かに殺害された事件で、地元の警察は殺害された男性は、イザキ・リョウさん(22)で、強盗の被害に遭い犯人を追いかけたところ銃で撃たれて死亡したと明らかにしました。
この事件は、コロンビア中部の都市、メデジンで19日、日本人男性が何者かによって殺害されたものです。
この事件について地元の警察は20日、記者会見を開き、殺害された男性は、パスポートの情報などから、22歳の日本人、イザキ・リョウさんだと明らかにしました。
警察によりますと、イザキさんが市内の住宅街を電子機器を持って歩いていたところ、後ろから来た男が電子機器を奪って逃げたため、男を追いかけて捕まえた際、もみ合いとなったあと、男に銃で撃たれ、死亡したということです。
またイザキさんは、19日にメデジンに来たばかりだったということです。
警察は、イザキさんの殺害に関わったのは2人組の男だと見ているということで、現場近くの防犯カメラの映像を分析するとともに、住民から目撃情報を募るなどして2人の行方を追っています。
またコロンビアの日本大使館では、家族と連絡を取るとともに、警察の協力を得るなどして男性の身元を確認することにしています。
非常に残念なニュースですね…。
19日のニュースですし、あまり詳しくは書かれていませんが、独自に調べたところによると世界一周中の旅行者で一橋大学の学生さんだそうです。
もうまもなくこういった情報も流れてテレビでも報道されるでしょう。
おそらくですが、事件当時は一人ではなかったのではないかと思います。
それから「電子機器を奪って」というのはiPhoneでしょう。
一緒にいた誰かがその状況を見ていたから逆にここまでの情報が早い段階で出てきたのでしょうね…。
その一緒にいた人もかわいそうですね。
実はですね、僕も去年の8月はコロンビアのメデジンにいました。
僕自身はメデジン滞在期間中はいろんな友達に会えたり、髪を切ったり、散歩したりととても楽しく過ごすことができましたし、コロンビア人との交流も本当にいい思い出でしかありません。
ですが、当時同じ宿に泊まっていた男の子が携帯を盗られるという事件にあっていました。
街で携帯出してたらいきなり殴られて盗られる…みたいな。
今回のニュースと全く同じです。
殺されなかったこと以外は…。
世界の最も殺人が起こる都市84%は中南米
以前このような記事をアップしたことがあります。
世界の最も殺人が起こる都市の84%が中南米であると…。
僕が旅をしていた2014,2015年は確かに、ベネズエラのカラカス、エルサルバドル、コロンビア、ホンジュラスあたりは凶悪だという話はよく聞いていました。
他にもアルゼンチンのブエノスアイレス、ブラジルのリオデジャネイロ、ボリビアのラパス、ペルーのリマ、エクアドルのキト…
あげればきりがありませんし、僕自身も「雰囲気怖いなぁ」と思ったことは何回もありました。
正直、日本の各都市とは比べることができないのでうまく説明できませんが空気感がそうなのです。
だけど必ず日本人とか旅行者が犯罪に合うのかというとそんなことはありません。
そこで生活している日本人もいますし、旅をしても何もない人もいます。
むしろ優しい現地人に癒やされたり、楽しい思い出がたくさんできたりするものです。
なので頭ごなしに世界は危険だ!と言うのはどうなのだろう?と思う反面こういった事件が起こるとそうなるのは仕方がないのかなとも思ってしまいます。
でも僕らは安全な国で生まれ育った日本人なので、やっぱりどこも危険だと言うことになるのでしょう。
“日本と比べたら”
僕は世界一周の旅をしながら1000人くらい外国人の髪をカットしてきて、実際そう感じました。
日本より安全なところなんかこの地球上にはほぼないです。
それこそコロンビアでもカットしました。
これは日本人ですが…
その際カメラも持ち歩いてましたし、スマホやタブレットも持っていました。
もちろんクレジットカードや現金も。
だけど僕は幸いなことに一度も強盗やなんらかの事件に巻き込まれることはありませんでした。
注意していたのはありますが、それでも事件に合わなかったのは正直運が良かっただけなのだと思うんです。
日本で言うところの、一生のうち災害や事故に巻き込まれる回数はどのくらいのものか?というのと近いかもしれません。
1回かもしれないし、0回かもしれない。
合うときは合うのだと思います。
もしかしたら合わなかったことはただ運が良かっただけなのかもしれません。
でも、もし注意していたら…
確率は下げることができるのかなと思います。
日本は世界一安全な国だと自覚する
ある統計を見ると、世界で1番危険と言われているベネズエラでは日本で犯罪に合う確率の4倍にまでなるそうです。
そこまでとは言わなくとも、2倍、3倍というところはゴロゴロあります。
もちろんいきなり殺されると言うよりは窃盗などのほうが多く、ヨーロッパなども窃盗はしょっちゅうあります。
日本は世界で1番安全な国だと思っていいです。
銃殺人も少なければスリも強盗も少ない。
夜遅くに女性が一人で歩けたり、酔っ払って電車で寝たり、道端でアイフォンを見たりもできます。
ですが世界の殆どの都市ではそういうことをする=犯罪に合う
そう言っても過言ではないと僕は思います。
もちろん安全な国や都市もたくさんあります。
例えばシンガポールとかは日本と同じくらい安全なのではないでしょうか。
日本人が犯罪にあうのは、単純に日本より危険な国に行ったからって言うこともありますが、『安全な国から来た』というのが大きいように思います。
例えば、バッグを方にかけて口を開けっ放しにしている人とかって電車の中で見かけたりすると思いますが、基本的に、海外の人はそういうことはしません
海外で犯罪に合う確率を高めてるのは実はそういった日本人的な常識から来るところだと思われます。
治安が良く、酔っ払って外で寝てようが、電車の中で潰れようがちょっとやそっとじゃ死にはしませんし、盗まれたりもしません。
なんなら酔って携帯なくしたって、財布なくしたって戻ってくることがあります。
それが日本。
日本は平和なんです。
つまり何が言いたいかというと、海外に行くことが危ないんじゃなくて、その感覚で海外に行くことが危ないんです。
コロンビアだってとても素晴らしい国です。
「行かなければいい」ではなくて、大切なのは「どう対策していくか」なんです。
犯罪にあうリスクを下げる行動をとる
旅の中で様々な被害に合った人に会ってきました。
もうなんと言葉をかけていいかわからないエグい話もありましたが、殆どの場合『その人がやらかした』感じでした。
バッグから目をそらした。
携帯を首から下げて歩いてた。
大金を持ち歩いた。
などです。
もちろん盗った方が悪いのですが、盗られた方にも原因があるということは理解しないといけないのかなと思います。
『俺は今危ないところにいる』と常に意識するだけで、それだけで犯罪に合う確率がグッと下がるはずです。
日本で言うところの、台風のときに水辺に行かないだとか、なんかそういう感じなのかもしれません。
僕が実際海外で行っていた危機管理方法を書いてみました。
・できるだけこれから行く国や都市でどのような犯罪が起こっているかを調べる。
・泥棒宿と呼ばれる、誰が過去に荷物を盗られたりした宿はできたら避ける
・宿に付属の鍵ではなくて、自前の鍵を使う。
・自分の貴重品入れやバッグにも鍵をかける
・ポケットに何も入れない(小銭くらい)
・財布は2つ以上にわける(1つなくなってもいいように)
・クレジットカードも2ヶ所以上にわけて保管
・10000円以上は持ち歩かない。なくなれば都度ATMでおろす。
・高い時計はつけない(特に南米では狙われる)
・Iphoneは持たない。持ってたら絶対出さない。ボロいスマホはok。
・バッグの口は必ずしめ、前にかける。人混みではチャックを手で掴んどく。
・バスなどの移動中は貴重品はすべて身近においておく。預けない。
・ご飯を食べる時も荷物は離さない。
・外に飲みに行かない。行っても酔う前に帰る。
・夜遅くに出歩かない。出歩くとしても誰かと行く。
・こまめに振り向く
書き出すとキリがないですが、最低限これくらいは常に意識してやっていました。
まずどういった犯罪が多いのか把握しておくのも大切だと思います。
例えばブラジルやアルゼンチンでは銃を使った強盗や、ケチャップ強盗なんてものもあるし、アルゼンチンでは高い時計をつけているとかなりの確率で狙われるそうです。
ブラジルでは女子供は狙わないという暗黙のルールがあるそうなので、男独り歩きの方がもしかしたら危険なのかもしれない…。
そういった犯罪の傾向を知っておくと対策は立てやすいはずです。
あと、一番窃盗で多いのがアイフォンです。
あれは世界共通で高値で売れるからですね。
例えばインドなんかで1台パクって転売すれば1年分の生活費が入ってくるそうです。
そうなったら目の前でアイフォン出してる人がいたら多少リスクを犯してでも盗るよねっていうのは簡単に想像できると思います。
それでも世界は素晴らしい
一人の旅人として、今回の事件に限らず、被害に合う人がいたりするとやっぱり複雑な心境になります。
なぜなら世界はとても素晴らしいからです。
事件やテロがあると誤解されやすいのですが、『危ない国』=『危ない人が住んでる国』ではないということ。
それは全く違います。
例えば、日本の大部分が地方なのに対し、都市部というのはごくごく僅かですよね。
にもかかわらず日本のイメージはどうしても東京タワーとか、浅草とか、道頓堀とか、宮島とか、金閣寺とかになってしまいますよね。
それはあくまでイメージで、そのイメージ=その国のリアルではないわけです。
それと同じで、外国も凶悪都市があったり、事件があるからといってすべての場所が危険というわけではありませんし、そんな人ばかりなわけではありません。
例えば84%を占める中南米の中で僕が訪れたのはブラジル、アルゼンチン、ボリビア、ペルー、チリ、パラグアイ、エクアドル、コロンビア、キューバ、ベリーズでした。
それらの国が危なかったか?と聞かれると「うーん、そんなでも・・・」というのが正直な印象でした。
それは危ない場所に行かなかったからといえばそれまでなのですが、その地で出会った人はみんな良い人ばかりでした。
海外をいろいろまわってきた身として言えば、殺人率や殺人件数が多い都市というだけで、行くのをやめるのはすごくもったいないと思いますし、そういう国だと決めつけてしまうのは違うと思うんです。
世界は広く、旅をすることでいろいろな知識が増えるし、日本ではできない経験ができます。
だから危ないの一言で諦めてほしくないです。
ただ間違いなく、日本より犯罪リスクが上がります。
それだけ意識して、そして安全対策をして旅をしてもらえたらと思います。
僕のお店にはこれから旅に出る人、世界一周する人がよくカットしに来てくれます。
このブログの読者でもそういう方はいると思います。
だから書きますが…。
これから旅をする人に本当に知ってもらいたいことは、危機管理もそうですが、一人で旅をしているわけではないということです。
僕が世界一周している時に一人の友達が亡くなりました。
帰国後、友達の実家に行ってご家族と会ったのですが、本当に心が痛くなるというか、辛くなりました。
僕は、無事に帰ってきました。
友達にも親にも再会できました。
でも、そう出来ない人もいるんです。
会いたくても会えない家族は本当に辛いのだと思います。
友達の少ない遺品を大事そうに見つめていたご家族の、あの瞬間が僕は忘れられません。
危ないところに行くのがカッコイイわけではなく、無茶苦茶するのがスゴイなんてこともないです。
それでもし何かがあったら残された人は一生後悔して生きていくのではないかと思うんです。
僕みたいに美容師で髪切るだけでも、少しでも関わってしまうと、人は心配するし、何かあれば泣きます。
だから旅をする人は、無事に日本に帰ってこないといけないと思うんです。
それが旅人の仕事…
だと僕は思います。
今回の事件は本当に本当に残念なニュースですが、この事件を教訓として安全に旅をしてくれる人が増えたらいいなと思います。
それに一人でも多くの人がこの事件を知って、しっかり考えてくれたらいいのかなと思います。
亡くなった旅人のご冥福をお祈りします。